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「僕の帰る場所」で知られる映画監督の
池松は「彼女たちは労働者ではない、ただ生きている。海辺の彼女たちは、それぞれが人生の少ない選択肢の中から最善を選んで日本で暮らしている。この同じ空の下で長い間放置される現実に、胸がはち切れそうになる。事実とリアリズムに徹しきり、硬い意志をもった意義深いこの作品を世に送り出す監督スタッフ、そして海辺の彼女たちに、心からの拍手と祝福を贈りたい」と称賛。そのほか映像ジャーナリストの伊藤詩織、映画作家の
YouTubeではコメント入り予告が解禁に。劇中の長回しのワンシーンとともに、総勢10名からの絶賛の言葉が収められた。
「海辺の彼女たち」は5月1日より東京・ポレポレ東中野ほか全国で順次ロードショー。
池松壮亮(俳優)コメント
暗闇から、音が聞こえる。
音が静かに暗い冬の街に溶けてゆく。
波の音、風の音、ストーブの音、
異国からやってきて、迷うまいと彷徨う女性達の雪を鳴らす足音、彼女たちの吐息。
音が、世界の一部となって溶けてゆく。
この世界に形を変えて残り続ける格差という奴隷制度。
彼女たちは労働者ではない、ただ生きている。海辺の彼女たちは、それぞれが人生の少ない選択肢の中から最善を選んで日本で暮らしている。この同じ空の下で長い間放置される現実に、胸がはち切れそうになる。
事実とリアリズムに徹しきり、硬い意志をもった意義深いこの作品を世に送り出す監督スタッフ、そして海辺の彼女たちに、心からの拍手と祝福を贈りたい。
伊藤詩織(映像ジャーナリスト)コメント
彼女達はどうしてそこにいるんだろう。どうしてこんなにも真っ直ぐなのだろう。弟の進学を夢見る姉、親に楽をさせたいと願う娘。その願いを消費する仕組みを作っているのは紛れもなく日本社会だった。彼女達があなたの姉だったら、娘だったら、人として扱われ、自分を生きて欲しいと願うだろう。真摯に彼女達と向き合わせてくれるこの映画に感謝する。
小田香(映画作家)コメント
ほぼ毎日商店街の鮮魚屋やスーパーで、安くて美味しそうな魚があるかなと見に行く。特価品やお買い得!というシールに胸踊りながら、その安さがなにを物語りえるか、考えたことはなかった。市場から仕入れられ、店頭に並ぶ魚貝は、彼女たちによって仕分けられたのではないか? ふっ とそんな可能性を思った。北の場所が彼女たちに与える現実は、日本のいち部分の出来事、ではない。あの現実は、私の現実に確かに繋がっている。無数の、このような繋がりこそが表しているものはなにか。わたしが住む国 / 我々が身を置く共同体。カメラが4人目の「彼女たち」となり、観る者と共振する。「彼女たち」は名無しではない。フォンさん、アンさん、ニューさん、そして藤元明緒さんとスタッフの人たちが協働して生んだ「海辺の彼女たち」という眼差し。ひとつづきの現実に、観客の我々も生きている。
戸田ひかる(ドキュメンタリー映画監督)コメント
窮地に立たされた彼女たちは、前に進む足を止めない。
遠く離れた地で、家族を想い、将来を語り、肩を抱き合い、彷徨いながらも、ギリギリに乗り込む電車やフェリー。
岐路に直面した彼女たちの行く先は、社会の向かう方向によって左右され、私たちの住む町にたどり着く。病院で、バス停で、道端ですれ違う誰かなのかも知れない。隣に乗り合わせたような、そんな感覚と共に彼女たちの物語に入っていく。生命の熱を感じる映画。
村山匡一郎(映画評論家)コメント
「技能実習生」という名のブラック労働が一部で取り沙汰される日本。異国の地で働くベトナム人女性3人の姿を通して、彼女たちの心の世界が生々しく浮き彫りにされる。「技能実習生」の実態を描くレポートとは真逆に、彼女たちの目線に焦点を当てながら、フォン、アン、ニューそれぞれの内面に伴走する映像には、「僕の帰る場所」に続く藤元明緒監督の日本を含めたアジアへの優しく鋭い視線が注がれ、見る者の心を惹きつける。
藤元明緒の映画作品
リンク
長尾旭 @nagaogakou
外国人労働者を描く「海辺の彼女たち」、池松壮亮が絶賛「心からの拍手と祝福を」 https://t.co/cqTz9CMljP