「すばらしき世界」監督の西川美和が尾崎世界観と対談、原作は「頼れる大樹」

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すばらしき世界」で監督を務めた西川美和と、尾崎世界観(クリープハイプ)の対談企画が2月11日に東京・六本木 蔦屋書店で行われた。

左から西川美和、尾崎世界観。

左から西川美和、尾崎世界観。

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「すばらしき世界」の公開と、尾崎の著書「母影」の刊行を記念して行われた同企画。「世界へのまなざし、言葉と言葉以外の何か」というテーマが設けられた。今回初めて“原作もの“に取り組んだことについて、西川は「すごく安心感がありますね。『身分帳』は手に取ったときは絶版だった小説なのですが、この作品をもとに脚本を書くにあたって、ある意味大船に乗ったような、自分が書いた以上に頼れる大樹があるという気持ちになりました」と述懐。「でも小説を2時間の映画にするのは大変な作業で……。小説は内的な葛藤が描けるのが魅力的ですよね。映画はまた違うから。そうは言っても小説が自由だなと感じるのは、たまに書くものだからなのかもしれません(笑)」とその違いを語った。

一方尾崎は「音楽をやっていて、体がうまく動かなくなる時期があったんです。そういうときに文章を書いていました。見様見真似でやっていく中で、たまたま編集者の方に声を掛けていただいたのが小説を書き始めたきっかけです」と執筆活動の経緯を明かす。また小説を書くことには苦労したというが、作詞にはいい影響があったという。

「映画監督は、バンドで言えばボーカル?」という質問に、西川は「ボーカルはたぶん俳優だと思います。オーケストラで例えれば、監督はコンダクターなのかな? 指揮者が代わっても演奏者がよければ基本的には映画はできます」と回答。そして「脚本を書いているとき、現場で撮影をしているとき、それをフラットに(編集で)つないでいるときで、脳みその使う部分が全然違うんです。変えざるを得ないほど異なる作業。音楽もそうじゃないですか?」と尾崎に話を振る。対する尾崎は「人に当てて跳ね返している感覚です」と言い、「周りの人によって自分が変わっていく瞬間もあって、以前より、そういう作業で出会う人を大事にするようになったと思います」と話した。

「すばらしき世界」ポスタービジュアル

「すばらしき世界」ポスタービジュアル[拡大]

佐木隆三の小説「身分帳」をもとにした「すばらしき世界」は全国で上映中。人生の大半を獄中で暮らした実在の男性をモデルに、出所後に社会で必死に生きる男の姿が描かれる。役所広司が元殺人犯の三上正夫に扮し、仲野太賀や長澤まさみも出演した。

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(c)佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会

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