堤幸彦と堤真一が初タッグ!雫井脩介の小説「望み」映画化、共演に石田ゆり子

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「犯人に告ぐ」「検察側の罪人」などで知られる雫井脩介のサスペンス小説「望み」を堤幸彦が映画化。堤真一石田ゆり子が共演する。

左から堤真一、石田ゆり子。

左から堤真一、石田ゆり子。

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雫井脩介「望み」文庫書影

雫井脩介「望み」文庫書影[拡大]

モデルハウスのような高級邸宅で暮らす、石川家の人々の姿を描いた本作。無断外泊から帰らず、行方をくらました高校生の息子がある殺人事件との関与を疑われる。犯人だとしても生きていてほしい母親と、被害者であっても息子の無実を信じたい父親、家族それぞれの“望み”が交錯していくさまが描かれる。

堤幸彦とは初タッグとなる堤真一が主人公の一級建築士・石川一登役で出演。堤幸彦とは「悼む人」以来2度目のタッグで、堤真一とは映画初共演となる石田が妻・貴代美を演じた。

単行本の刊行時から話題となり、各社から映画化の打診が殺到していた「望み」。プロデューサーから企画を持ちかけられた堤幸彦も、原作に惚れ込み映画化を熱望したという。脚本は「八日目の蝉」や細田守の監督作で知られる奥寺佐渡子が担当した。

撮影は1月から2月にかけて関東近郊で実施。建坪40坪ほどの広く開放的な石川邸を再現するべく、角川大映スタジオに大規模なセットが建てられた。高級家具を配置したリビングルームと2つの子供部屋が用意され、製作費の中でもセットのコストがかなりの割合を占めているという。

望み」は2020年秋に公開。

※「八日目の蝉」の蝉は旧字体が正式表記

堤幸彦 コメント

息子が事件の被害者となるか加害者となるか、どちらの結末を迎えても惨憺たる結果になるこの物語はミステリーであるだけでなく、設定や行動のディティール、父と母の葛藤とその心理描写の緻密さに圧倒されました。社会的にも経済的にも成功した主人公が、息子の失踪をきっかけにその『家族』が壊されていく。我が身に明日起きても不思議ではない。そのスリルと感情の揺れをストレートに役者の芝居で描きたいと考えました。堤真一さんとは初めてですが、映画「クライマーズ・ハイ」(2008年公開)やいくつかの舞台、映画、ドラマを拝見させていただいてお手合わせしたいと考えていました。また石田ゆり子さんとは「悼む人」以来6年ぶりとなりますが、お二人とも苦悩する父と母を見事に演じきってくださいました。

堤真一 コメント

堤幸彦監督とは初めてのお仕事でしたが、毎日現場に入ると監督が、その日の撮影イメージについて丁寧に説明してくださいました。芝居を見てから、シーンのカット割りを決めていくという、現場主義の監督ですね。脚本を初めて読んだときは、難しい作品だと感じました。家族をテーマにしたサスペンスであり、ただの家庭ドラマではない。自分の子供がまだ小さいからか、中高生の子を持つ親の気持ちやその年頃特有の不安定さというのが掴みづらくて、最初はできるだろうかと不安もありました。でも、実際撮影に入ってみると、その中高生の子供たちが自分の子供として、とても愛おしく思えたんです。監督が順撮りしてくださったお陰なのですが、家族に一体感が生まれて、無理することなく芝居ができました。石田ゆり子さんとは初共演でしたが、いずれご一緒したいと思っていました。いつも現場の空気を和ませてくれる素敵な方で、今回、一緒に家族を演じることができ、とても嬉しかったです。

石田ゆり子 コメント

堤幸彦監督とは「悼む人」以来です。撮影はとても早いし、無駄なことを一切おっしゃらないので役者としてはとても緊張感があります。今回は私たち俳優の気持ちを汲んで、ほぼ順撮りにして下さりそのことが本当にありがたかったです。奥寺佐渡子さんの脚本は、辛い中にも透明感というか、優しい光のようなものを感じる素晴らしいものでした。本当に辛い物語なのですが、でもきっと目に見えない大切なことが沢山映っている映画になるのではないかと思っています。堤真一さんとは、いつかご一緒したいと思っていたのでご一緒できて幸せでした。家族の物語なので、率先してみんなをまとめてくださったり、楽しい話をして、場を和ませてくださったりとてもありがたかったです。私の役は、息子が加害者であろうと被害者であろうととにかく命だけはあってほしいと願い続ける母親の役なのですがその点においては一切の異論なく彼女の気持ちがわかります。「望みはある」と信じ続ける彼女を演じながら私はいつも、祈るような気持ちでいました。

雫井脩介 コメント

「望み」は、父と母の心理描写を軸にして紡いだ作品であり、その心理描写が使えない映像というジャンルでこの物語を活かすことは難しいのではと思っていました。しかし、奥寺佐渡子さんから素晴らしい脚本が上がったことでその不安は消え、シリアスな社会派ドラマを含めた多くの作品を手がけてきた堤幸彦監督が、これをどのようにスクリーンに映し出してくれるかという楽しみが一気にふくらみました。堤真一さんと石田ゆり子さんはその安定感でもって、よき父、よき母にしっくり収まります。それゆえ、事件によって平穏な日常が壊れていく様も際立ち、観る者に強く訴えかけてくることだろうと思います。

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(c)2020「望み」製作委員会

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