「
ドラマ「同期のサクラ」などを手がける脚本家の遊川が、自身のオリジナル脚本でメガホンを取った本作。ある男女の30年間の物語が、3月だけの出来事で紡がれていく。遊川は「ちょっとしゃべります」と前置きしたのち、「パラサイト 半地下の家族」が第92回アカデミー賞で作品賞を受賞したことに触れて「日本映画と韓国映画の差は何か? 日本映画は、役者の芝居を深めていこうという熱が足りないと個人的に思う。今回は役者の皆さんに『とにかく演じ切ってください』とお願いしました。(波瑠と成田の)2人は30年間を見事に演じ切ってくれたし、ほかの方々もフォローしてくださり、本当にいい作品になりました」と俳優陣をたたえた。
主人公・弥生を演じた波瑠は、オファーを受けた際のことを「脚本を読んで感動したと同時に、弥生が持つ純粋な強さにハードルを感じました。『今の自分には対応しかねる』とお断りするために監督と1対1でお話しさせてもらって。でも全然聞いてませんでしたよね?(笑)」と振り返り、遊川に笑いかける。そして「話すうちに監督の情熱を知り、難しいかもしれないけど、こんな機会はないと考えが変わって『やらせていただきます』とお答えしました。監督の熱意に負けました」と出演への経緯を明かした。
もう1人の主人公・太郎役の成田は、30年間を演じるにあたっての苦労を吐露。「翌日の撮影が40代や50代のシーンだったら、飲めもしない強いお酒をいっぱい飲んで。ちょっと声をからして顔をむくませて、だれてる感じにしようとしました。でも朝は高校生、夕方は50歳という撮影の日は準備ができないから難しかったです」と振り返った。また遊川への印象を「ストレートに言ってくれる。自分の役を『月9(ドラマ)でいう3番手の明るいやつ!』と言ってくれてわかりやすかった」と語る。
本作で映画デビューを果たした岡田は、本日が人生初の映画舞台挨拶となった。共演者たちに見守られながら「緊張しています」とはにかみ、「何度もリテイクを重ねて、毎回違ったアプローチをして、なんとかあゆむの魅力を出そうと一緒になって役を作り上げてくださいました。僕がつたなくて、監督に一番迷惑かけたと思います」と遊川に感謝。黒木は「この作品に限らず、遊川先生は人間愛を大事にしている。脚本家としても監督としてもブレない」と、これまで幾度も組んできた遊川への信頼をのぞかせた。
“遊川組の洗礼”として、波瑠が衣装合わせに9時間掛かったエピソードを披露する場面も。「脱いでは着て、脱いでは着て。30年分の髪型、服装、小物があったので」と途方もない作業を回想する。小澤は「遊川さんは共鳴してくれる人に対して自分の熱量を発している方。不思議な人で、会わないとわからない。文字にするとわからないけど、この人の魅力、すごいんだよ!」と力説。登壇者の発言1つひとつに派手に反応する遊川を、成田は「監督は今日緊張されてフワフワされていますね。とてもかわいらしい」と余裕たっぷりにいじっていた。
「弥生、三月-君を愛した30年-」は3月20日より全国で公開。
関連記事
波瑠の映画作品
関連商品
映画ナタリー @eiga_natalie
「弥生、三月」波瑠が“遊川組の洗礼”で衣装合わせ9時間、成田凌は強い酒で役作り(写真19枚)
https://t.co/sQtZaRaCew
#波瑠 #成田凌 #岡田健史 #小澤征悦 #黒木瞳 #遊川和彦 https://t.co/pU7lXsTi8e