第32回東京国際映画祭内のオムニバス映画「
この企画はEXILE HIRO、別所哲也、作詞家・小竹正人によるコラボプロジェクトの第3弾。今市と松永は、メキシコを舞台とした短編「On The Way」でタッグを組んだ。同作の劇中では、メキシコ移民をサポートするNPO法人に所属する母の代わりに、仕方なくメキシコにやってきた男性・健太の物語が描かれる。
本作で俳優デビューを果たした今市。「自分のタイプ的には、演技のレッスンを受けてから撮影に臨みたかったのですが、監督に相談したところ『何もしないでくれ』と言われて、レッスンも受けずにメキシコに入りました」と役作りを振り返る。以前の舞台挨拶では、初めての撮影で20テイク撮り直したと話していた今市だが、この日は「先ほど取材で監督と話していたら、30テイクだったとわかって……(笑)」と照れ笑い。その現場について松永は「テイクを重ねることで、今市隆二という人間が健太という役に同化していったと思う」と振り返る。さらに松永は「芝居でOKが出ないことで頭が真っ白になったり、ふがいなさを感じたり、隆二は責任を感じたと思う。それは健太が抱えている、誰にも言えない苦しみとリンクしていたはずです。そこからは、演技も本当によくなりました」と、今市の成長をたたえた。
現在アメリカ在住の松永は、移民問題を描くためにメキシコでリサーチを行い、移民センターを訪れて本作のテーマを確定させたそう。「移民センターの関係者の女性に『映画でこの場所を映したら、マフィアに狙われる危険もあるけど、撮影してもいいですか?』と聞いたところ、『撮ってほしい、こういう場所があることを伝えてほしい』と言われたんです。それで、ここで撮ることに決めました」と裏話を明かした。
観客からのQ&Aコーナーでは、当てられたファンが「『○○でさ』というセリフの言い回しが自然だったので、アドリブかなと思ったのですが……」と質問しながら泣き出してしまう一幕も。そんなファンを優しく見守り、耳を傾けていた今市は「監督に『言葉尻は隆二のやりたいようにやって』と言っていただけたので、ナチュラルな自分らしさが出たんじゃないかと思います」と答える。続いて、現地で気に入ったメキシコのグルメを聞かれた今市は、料理名を忘れてしまったようで「あっ……なんでしたっけ?」とオフマイクで松永にたずねたあと、「タコス!」とシンプルに答えて笑いを起こした。
最後に当てられたファンが「監督が引き出したかった、隆二くんの性格や感性はどんなところですか?」と質問しながら緊張で言葉を詰まらせてしまうと、今市は優しく「ゆっくりで大丈夫ですよ」と声を掛ける。その質問に松永は「素敵なところがいっぱいありましたが、言葉にすると安っぽくなっちゃうのと、僕だけのものにしたいので……ここに映っているものがすべてです」と笑う。「次にご一緒する機会があったら、隆二のまた別の魅力を撮ってみたいです」と話す松永に、今市は「ありがとうございます」とお辞儀をした。
「その瞬間、僕は泣きたくなった-CINEMA FIGHTERS project-」は11月8日に全国公開。今市と松永のほか、AKIRA、小林直己、佐野玲於、佐藤大樹、三池崇史、行定勲、洞内広樹、井上博貴が参加している。
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洞内 広樹 (Horanai, Hiroki) / Filmmaker @hirockyhorahora
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