“ヌーベルヴァーグの祖母”と称され、3月29日に90歳でこの世を去ったヴァルダ。「アニエスによるヴァルダ」は、60年以上にわたる創作活動を彼女自身がなぞるセルフポートレートだ。1955年製作の長編劇映画デビュー作「ラ・ポワント・クールト」から、2017年製作のドキュメンタリー「顔たち、ところどころ」までを、貴重な映像とともにヴァルダが語り尽くす。
特集上映では南仏の小さな漁村を舞台に、関係に終止符を打とうとしている1組の夫婦を描いた「ラ・ポワント・クールト」、ヴァルダが事務所兼住居を構えた仏パリ14区の通りを点描したドキュメンタリー「
予告では、3作品を本編映像とともに紹介。「アニエスによるヴァルダ」のオープニングでヴァルダが「長年この仕事を続けてきた理由を話しておくわ。キーワードは3つ。“ひらめき”と“創造”そして“共有”」と語る様子も収録された。映画評論家の秦早穗子、コラムニストの山崎まどか、フランス文学者の中条省平、文化ジャーナリストの佐藤久理子によるコメントは下記の通り。
現在、特典付き特別鑑賞券がシアター・イメージフォーラムの劇場窓口で販売中。1回券にはステッカー、3回券にはシネタマリス社特製・ヴァルダのイラスト入りトートバッグが用意された。前売り券は、メイジャーでも10月5日に発売。
秦早穗子 コメント
アニエス・ヴァルダには、きらめきと創造、勇気と忍耐があった。
現実を見つめる厳しい目と、愛に溢れたやさしさがせめぎ合い、
生きる力となって、ヴァルダを前進させた。
彼女の素晴らしさは、女の心、肉体、その内部を言葉ではなく、映像で表現したこと。
同時に、一本のバゲットをみんなで分かちあう喜びも現す女(ひと)であった。
山崎まどか コメント
「アニエスによるヴァルダ」
アニエス・ヴァルダによる自作の解説はまるで、
彼女の冒険に満ちた長い映画人生のアンコールのよう。
ブラヴォーと叫んで拍手して、何度でもアニエスをスクリーンに呼び戻したい。
何度でも彼女の映画をスクリーンで見たい。
中条省平 コメント
「ラ・ポワント・クールト」
26歳の写真家ヴァルダは、少女時代を船のなかで過ごした海辺の町に帰り、
その漁村でパリから来た夫婦の愛の不毛のドラマを撮った。
太陽の光が照り、海の微風がそよぎ、その風景を永遠に変えた。
そして、それが<ヌーヴェル・ヴァーグ>に先立つ映画の革命になった。
佐藤久理子 コメント
「ダゲール街の人々」
すべての始まりはここから! ヴァルダが終生愛した、ダゲレオ写真の発明家の名に因んだパリの裏通りには、アコーディオンの調べが響き、バゲットの香ばしい匂いが漂い、夜更けまでミシンの音が聞こえる。「ダゲール村」のポートレートは、わたしたちをノスタルジックな素顔のパリにタイムトリップさせてくれる。
アニエス・ヴァルダの映画作品
関連商品
リンク
- 特集上映「アニエス・ヴァルダをもっと知るための3本の映画」公式サイト
- 特集上映「アニエス・ヴァルダをもっと知るための3本の映画」予告編
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
Cinema-Sennin @cinema_sennin
アニエス・ヴァルダをもっと知るための3本、特集上映の予告編が解禁 - 映画ナタリー https://t.co/zWUAMmP6iJ