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池松壮亮「宮本から君へ」は“平成の意地”、新井英樹も宮本っぷりを絶賛

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「宮本から君へ」完成披露舞台挨拶の様子。左から真利子哲也、一ノ瀬ワタル、池松壮亮、蒼井優、井浦新、新井英樹。

「宮本から君へ」完成披露舞台挨拶の様子。左から真利子哲也、一ノ瀬ワタル、池松壮亮、蒼井優、井浦新、新井英樹。

宮本から君へ」の完成披露舞台挨拶が本日8月22日に東京・新宿バルト9で行われ、キャストの池松壮亮蒼井優井浦新一ノ瀬ワタル、監督を務めた真利子哲也、原作者の新井英樹が登壇した。

新井の同名マンガをもとに、2018年にテレビドラマ版が放送された「宮本から君へ」。原作の後半部分を描く映画版では、池松演じる宮本浩と蒼井扮する中野靖子が“究極の愛の試練”にさらされる。井浦が靖子の心にすみ着く元恋人・風間裕二、一ノ瀬がラグビー部に所属する怪力の持ち主・真淵拓馬を演じた。

2019年1月に映画化が発表されていた本作。しかし、3月にキャストのピエール瀧が麻薬及び向精神薬取締法違反の容疑で逮捕され4月に同法違反罪で起訴された。製作委員会は本作の公開について協議を重ね、「ピエール瀧氏は、今後も法律に従って裁定が下されることになり、それ以上の措置について、本作品が関与するものではないという結論に至り、製作委員会の総意として、本作品の改編・追加撮影を行わないまま、劇場公開する」という声明を出していた。

最初の挨拶で池松は「ちょっとしゃべります」と前置きし、完成披露を迎えるまでの心境を明かしていく。「物語同様にいろんなことがありました。原作マンガがいろんな人の情念に取り憑かれてるんじゃないかというぐらい。逆境に次ぐ逆境で、笑えるぐらい時間がかかりました」とコメント。撮影は2018年9月から10月にかけて行われており、池松は「なんとか平成の最後に終えることができた。2度とできないようなことを真利子監督をはじめ、キャスト、スタッフ一同でやり切った。あの瞬間に戻ることはできないし、それだけのパワーをみんなが注ぎ込んだ作品になりました」と自信をのぞかせる。

そして瀧の騒動に触れ「あの日から今日この瞬間まで何を言うべきなのか、あるいは言わないべきなのか。時間の解決を待つっていうのも違う気がしました」と続ける池松。慎重に言葉を選びながら「共演者として、監督より一番近くで見ていた僕がただ1つ言えるのは、あの人の目は本気だったということ。この作品にとんでもなく大きな力を注いでくれたと思っています。現場での日々は事実には変わりはないし、ピエールさんが間違ったことをしたことにも変わりはない。どちらも変わりはないんですが、いろんな人がリスクを取ったことで、映画がこうやって公開されることを改めて報告したい」と瀧への思いを口にする。さらに「私たちが人を罰する力を持つのであれば、もしかしたらそれと同じくらい、ひょっとしたら、それ以上に人を許す力が必要なのではないか、と個人的には思います。なんとか立ち上がって、また映画の現場で会えることを今は願っています」と語った。

張り詰めた空気を察した池松が「すみません、こんな空気にしてしまって……楽しい舞台挨拶にしたいと思っています」と述べ、会場を和ませる場面も。また蒼井は「『待ってる』とは言えませんが、今まで一緒に楽しくモノを作ってきたことは事実です。私たちはこれからも映画を作り続けるので、またお互いの人生が交差するときが来たら……。再び人と人が出会ってはいけないのかなと思います」と吐露。作品に関しては「生半可な気持ちでは立ち向かえない作品でした。すごい熱量の作品だったから私たちもものすごい熱量でボロッボロになりながら挑まなければならなくて。その熱量が観た方にほんの少しでも伝わってくれたらいいなと思います」とコメントする。

2人の言葉を受け「座長2人がしっかりけじめを付けてくれたので、ここからは普通にいきます」と舞台挨拶の風向きを変えた井浦は、来場した観客に感謝を伝えながら「これからとんでもないことが起こるので、宮本から振り落とされないようにしっかりとシートにしがみついて、この映画を楽しんでください」とアピール。また本作のために体重を増やした一ノ瀬も「準備期間も含めて熱い気持ちのまま撮影に臨んだ作品です。全力でやりきったものを今日皆さんに届けられることがうれしいです」と完成披露に心を躍らせる。

宮本の父親・宮本武夫役で映画に出演した新井は「自分のこととして観てほしい」と述べ、「自分がこの人の立場だったらどうだろう?という見方だと、宮本、靖子、裕二、それぞれのキャラの際立ち方が見えてくると思います」と語る。また原作者の視点から「作品は90年代当時一番嫌われていたし、宮本も一番嫌いな男に選ばれていたんですけど、映画の池松くんはそれ以上でした。自分が原作を描いたのに、セリフを生の声で聞くと『もうやめてくれ!』と言いたくなるような宮本っぷりでした」と池松を称賛した。

役作りのために、池松が歯を抜こうとしたエピソードがMCから明かされる場面も。池松は「これだけ誰かの人生のバイブルになってきた伝説の作品を映像化するのだから、自分も何かを捧げなければいけないんじゃないか?という変なモードになってしまい……」と当時を振り返り、「新井先生のお家に伺ったとき、『歯を抜きます』と言えば許可をもらえるかと思って言ったんですよ。すぐ止められました(笑)」と打ち明ける。同じことを相談されたという蒼井も迷わず「歯は大事だよ。駄作になったらどうするの?」と説得したそうで、池松は「母親に止められてるような妙な説得力がありました。何か踏みとどまりたいことがある人は蒼井さんに話したほうがいい」と笑って述懐した。

最後に池松は「平成を生きてきたあらゆる世代が集まって、この『宮本から君へ』に何か平成の意地みたいなものを込めているような空気がありました。ストレートに言えば、原作の力を借りて強烈な人間讃歌、人生讃歌をやりたかった。壮大なラブレターのような映画になったと思います。もし気に入っていただけたら、皆さんの愛する人に感想を語ってください」と挨拶。また真利子は「全員野球」という言葉を引き合いに、「スタッフとキャストが『すごい映画にするんだ』『新井さんの描かれた原作を絶対に変な映画にしてはいけない』という思いで一丸になれました。本当に新井さんのおかげで、こういう映画ができたんです。自分も客観的に観てすごいと思える。いろいろあったけれど、なんとか乗り切ってこの場にたどり着くことができました。映画の中にすべての思いが詰まっています」と語り、イベントの幕を引いた。

「宮本から君へ」は、9月27日より全国ロードショー。

※「宮本から君へ」はR15+指定作品

(c)2019「宮本から君へ」製作委員会

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