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全編を通じて台湾で撮影が行われた本作は、台北に身を隠す日本人ヤクザ・島(しま)と、彼の過去を知る牧野の逃避行を描くサスペンス。妻夫木が牧野、豊川が島を演じた。
構想に10年をかけた半野は公開を「夢のよう」と喜び、「もう無理だという事態を何回も乗り越えてこの場所に立っているので、皆さんにこの物語を映画としてご覧いただけることが幸せです」とコメント。妻夫木も「台本をいただいてから3年。半野さんと何回飲みながら話しましたかね」と振り返りつつ、「映画自体がダメになりそうなことが何回かあって、事務所からも厳しいかもしれないと言われていました。日本のスタッフだけでなく台湾の方々の協力のおかげで公開できたので幸せです」と喜びを噛みしめる。豊川は「僕は絶対無理だと思いましたね!ですが、映画が完成して『すごい! やればできるんだ』と、これからの自分のモチベーションになりました」と冗談を交えながら語った。
上映後のイベントだったことから、登壇者たちは内容に踏み込んだトークを展開していく。ラストシーンの撮影について問われた妻夫木は「脚本は当然あるんですが、それだけじゃない何かがあるよねと監督と話していました。監督も『2人は牧野と島でいてくれればいいのでお任せします』とおっしゃってくださったので、1回しか撮らないことにしたんです」と語る。島としてのリアクションを切り取るため、1度しか撮影しないことは妻夫木と半野の間で打ち合わせが進み、豊川には直前に知らされたという。豊川は「大事なシーンの前日なのに2人がコソコソしてるんですよ(笑)。でも既成の映画作りではできないことなので、テンション優先で撮影ができたことは楽しかったですね」とほほえんだ。
劇中で豚をさばく演技に挑んだ豊川は「本当に好きなシーンなんですが、一生懸命切っているのにカメラは妻夫木を撮っている。どういうことなんだろうなと!(笑) 僕のところにカメラが来たらあらかた切り終わってるんですよ」とブーイング。妻夫木は笑いながら「毎カット撮るたびに、切り終わっちゃってるから新しいところ用意したり、縫ったりしてましたよね」と振り返った。妻夫木が豚との共演シーンについて「ちょっと怖かった」と感想を述べると、豊川は「ニッキー(・シエ)と“ブタブキ”って言ってたんだよ」とからかい、妻夫木は「(ニッキー・シエは)日本語しゃべれないでしょ!? そんな高度なギャグ言えないよ」とツッコむ。
最後に、本作への思いを問われた半野は「お二人の役者としての経験や物の考え方とともに映画を作れたことがすごくよかった。まさしくこの3人で作った映画です」と述懐。豊川は「映画だから見られるものがこの作品にはきちんと入っているので、やってよかったと思います」と述べる。妻夫木は本作を「すごくわかりづらい作品ではあるんですけど」と前置きしつつ、「頭で考えることの振り幅が広い作品が好きなんです。みんなにとって、楽園ってなんだろうということを考えられる作品になったんじゃないかと思います」と語った。
「パラダイス・ネクスト」は全国で順次公開。
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