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野木亜紀子の向田賞を新垣結衣、松田龍平、田中圭ら「けもなれ」キャストがお祝い

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左から田中圭、新垣結衣、野木亜紀子、松田龍平。

左から田中圭、新垣結衣、野木亜紀子、松田龍平。

第37回向田邦子賞の授賞式が本日5月28日に東京・帝国ホテル 東京で行われ、ドラマ「獣になれない私たち」の脚本を手がけた野木亜紀子が出席。キャストである新垣結衣松田龍平田中圭らもお祝いに駆け付けた。

故・向田邦子のテレビドラマにおける偉業をしのび、脚本の質的向上、発展を期すため1982年に制定された同賞。オリジナル作品のみを対象とした唯一の脚本賞となる。「獣になれない私たち」は2018年10月から12月にかけて放送された日本テレビ系の水曜ドラマ。新垣演じる深海晶、松田演じる根元恒星を中心に、本能のおもむくまま獣のように自由に生きられない大人たちの姿が描かれた。

今回の選考には、過去の受賞者である冨川元文、大石静、岡田惠和、井上由美子が参加。選考委員を代表し、大石は特に優れていた点として「ラストのカタルシスの中で1つの結論を導き出さなければいけないという従来のドラマ作りを遥かに超えた独自のまなざしで人間を構築されている点」「野木さんらしいオリジナリティにあふれた独特なセリフの数々」を挙げ、受賞理由とした。野木は「ドラマ的にウケるポイントをことごとく避けて作った、私にとってもチャレンジになった作品。それがこのような賞という形で評価していただけで本当にうれしい」と受賞の喜びを語る。

「さよならロビンソンクルーソー」で2010年の第22回フジテレビヤングシナリオ大賞を受賞し、脚本家デビューを果たした野木。受賞の言葉で、野木は当時を「なかなか賞を受賞したからといって、脚本家として活躍できるわけではなく、辛酸を嘗めることも多かった」と述懐する。大賞の賞金でドイツビールの店を借り切った際には、友人に向かって「いつか連続ドラマを勝ち取り、10年後か20年後に向田邦子賞を獲ります」と宣言していたそう。そして「言ってみるもんだな、と(笑)。もし向田邦子賞を獲ったらまた宴会をやると宣言していたんですが、まさか帝国ホテルでできるなんて……」と話し、この日は50人ほどの友人が駆け付けてくれたことも明かした。

新垣とは「空飛ぶ広報室」「掟上今日子の備忘録」「逃げるは恥だが役に立つ」に続いて4度目のタッグ。野木が「ずっと欲しかった賞が、新垣さん主演のドラマで獲れて本当によかった」と顔をほころばせる場面も。新垣は野木がキャラクター、キャスト、スタッフ、物語、作品へ向ける愛情に満ちたまなざしに触れ、「その強さに私は出会ったときから憧れています。これからもいち大ファンとして、野木さんの作品を楽しみにしています。いっぱい書いてください!」と熱望した。

最初「獣になれない私たち」というタイトルに引っかかりを覚えたという松田は「演じる側として、すごくもどかしい気持ちになりました。演じてるときはずっと“獣”になりたかった。僕自身が獣のように、衝動で生きていきたいと思いました」と正直に告白。そして「そこも含めて人間臭い登場人物、頭でっかちになって前に進めない人たちへエールを送るドラマなんだなと気付きました」と述べ、作品に参加できた喜びを表明する。田中は「オリジナル作品で快進撃を続ける野木さんが向田邦子賞を獲った席に、この『けもなれ』チームで参加できたことをうれしく思います」と感謝し、「0から物語を作るのはとても大変だと思いますが、楽しみにしている人たちがたくさんいるので、これからもたくさん書いてください!」と期待を込めて語った。この日はキャストの犬飼貴丈近藤公園一ノ瀬ワタル山内圭哉もお祝いに駆け付けた。

贈賞式では「日テレにもお世話になったけど、TBSにもお世話になってるんです」という野木の計らいで、「空飛ぶ広報室」「重版出来!」「逃げるは恥だが役に立つ」「アンナチュラル」で組んできたTBSの磯山晶が乾杯の音頭を取る場面も。また「獣になれない私たち」の演出に名を連ねた日本テレビの水田伸生は、向田と演出家・久世光彦の名コンビになぞらえながら、「野木さんとそういった関係になりたい方は日本中にたくさんいらっしゃるはず。もしよろしければ、今後も1本でも多くご一緒できればと思います」と続けた。また水田の口からは「獣になれない私たち」の中国リメイクの話が持ち上がっていることも明かされた。

「獣になれない私たち」のBlu-ray / DVDは現在、販売中。またHuluほかで全話配信されている。なお野木が脚本を担当した映画「罪の声」は2020年に全国で公開される予定だ。

(c)東京ニュース通信社

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