村上虹郎が「未来は全部楽しみです！」、日プロ大賞で新進男優賞を受賞

第27回日本映画プロフェッショナル大賞の授賞式が本日4月26日、東京・テアトル新宿にて行われ、新進男優賞に輝いた村上虹郎が登壇した。

「武曲 MUKOKU」で賞を受賞した村上は元気よく登場し、「僕にとってはホームのようなテアトル新宿で授賞式に参加しているのが不思議です。なのでいつもの授賞式よりは緊張していません」と明るく挨拶する。そして、本作について「鎌倉とか大船とか藤沢で撮影したのですが、クランクインの少し前から大船のコインを入れないとクーラーやテレビが付かないような部屋で過ごして。泥臭い映画の空気をまとうための役作りができました」と振り返った。さらに、「井上雄彦さんの『バガボンド』を読んで武士としての気持ちを取り入れようと、木刀と竹刀が入った袋を持って雪駄を履いてブックオフに行っていたんですが、ちょっとおかしい人ですよね」と明かし、観客の笑いを誘った。最後にこれから楽しみにしていることを司会者に尋ねられた村上は「未来は全部楽しみです！」と笑顔を見せた。

舞台には新人女優賞に輝いた「彼女の人生は間違いじゃない」の瀧内公美も登壇。オーディションで役を獲得した瀧内は「12歳のときから女優になりたくて17歳で上京しました。不安で泣いていましたが、10年経ってこんな場所に立てるんだよとあの頃の自分に教えたいです。自分の財産である今まで出会えた人たちに感謝します。これからも精進していきます」とスピーチした。「彼女の人生は間違いじゃない」の脚本家・加藤正人がプレゼンターとして登場し、「脚本では主人公の心情を説明していないので役を汲み取って演じるのが難しかったと思いますが、体当たりの演技でヒロインを見事に演じてくれました。『彼女の人生は間違いじゃない』での瀧内公美の演技は間違いじゃなかった。日本映画界の貴重な女優さんとなってください」とエールを贈る。

さらに、同作で監督賞を受賞した廣木隆一が登壇し、プレゼンターとして同作に出演した高良健吾も登場。廣木は「撮影した福島の人たちの協力があって獲れた賞。企画が通らないだろうなと思って自分で書いた小説を映画にしてくれたプロデューサー、本当にありがたく思ってます」と感謝を伝える。高良は「以前ここで『軽蔑』で主演男優賞をもらって今回は花束を渡せてとてもうれしいです。熊本の高校生だった18歳のときに、現場で厳しくしてもらって。あのとき教えてもらったことを今でもやっています」と廣木に対する思いを述べ、「今回瀧内がめちゃくちゃ現場でやられてて苦しそうで、あのときの気持ちを味わってるんだなあ、『ざまあみろ！』と（笑）」と述懐し、会場を盛り上げた。高良を起用し続ける理由を司会者に聞かれた廣木は「僕が健吾に教わることもいっぱいあるし、刺激をもらえる役者さんなんです」と語った。

なお映画ナタリーでは、授賞式の模様を追ってレポートする。