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コミックス・ウェーブ・フィルムが贈るオムニバス映画、新海誠へのオマージュも

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「上海恋」

「上海恋」

新海誠の監督作品を手がけてきた制作会社コミックス・ウェーブ・フィルムが贈るオムニバス映画「詩季織々(しきおりおり)」が、2018年夏に公開される。

アニメーションブランド・HAOLINERSの代表リ・ハオリンがコミックス・ウェーブ・フィルムにオファーをかけ実現した本企画。中国の都市を舞台にした3本の短編で構成され、リ・ハオリン、実写作品出身のイシャオシン、CGチーフとして新海を支えてきた竹内良貴がそれぞれ監督を務める。「陽だまりの朝食」では北京で働く青年と故郷の祖母の関係、「小さなファッションショー」では広州で助け合いながら暮らす姉妹の姿、「上海恋」では上海を舞台に幼なじみの男女の淡い初恋が描かれる。

新海の「秒速5センチメートル」にオマージュを捧げた「上海恋」を監督するリ・ハオリンは「人の一生は一瞬で過ぎ去り、人は何かを忘れ、誰かと別れ、離れていってしまう。そんな儚く消えゆくものを、美しい映像としてずっと残したいと思いました」とコメント。食が重要なモチーフとなる「陽だまりの朝食」を手がけたイシャオシンは「原作は、私が6年前に書いた短文です。当時の私は田舎から北京に来たばかりで、頼れる人も、友も、仕事の目標もありませんでした。ある寒い冬の夜、あまりの寂しさから、故郷を思い、祖母や家族との懐かしの味とその思い出を物語にしました」、「小さなファッションショー」で監督デビューを果たした竹内は「この僕の作品は服をキーにして姉妹の関係性の変化を描いていますが、それを通して何か感じ取れるものが見終わった後に残ってくれれば幸いです」と思いを語っている。

「詩季織々」は、東京のテアトル新宿、シネ・リーブル池袋ほかにて公開。

リ・ハオリン コメント

人の一生は一瞬で過ぎ去り、人は何かを忘れ、誰かと別れ、離れていってしまう。そんな儚く消えゆくものを、美しい映像としてずっと残したいと思いました。
舞台となる上海の石庫門は、1980年代に生まれた私たちの世代には“実家”のような存在です。狭い中で、家族の距離は近く、温かい。しかし、時代とともに、人がいなくなり、石庫門は徐々に取り壊されています。幼少期、いつまでもその家に家族一緒に暮らしていくと思っていたのに、いつしか離ればなれに、そして永遠に別れることになる。そんな“実家”への感情は“初恋”に似ていると思いました。
「上海恋」ではアニメーションという言葉を通して、それらの感情を皆さまにお届けできれば幸いです。

イシャオシン コメント

これまで実写作品を手がけてきた私にとって、初のアニメーション監督作品です。
原作は、私が6年前に書いた短文です。当時の私は田舎から北京に来たばかりで、頼れる人も、友も、仕事の目標もありませんでした。ある寒い冬の夜、あまりの寂しさから、故郷を思い、祖母や家族との懐かしの味とその思い出を物語にしました。その作品は共感を呼び、映画化の提案も多くいただきましたが、今回縁あってこの企画のお話をいただいたときに、この原作でアニメに初挑戦しようと決めました。
唯一残念なことは、祖母に捧げた作品だったのですが、完成する2カ月前に祖母が亡くなり、その目で観てもらえなかったことです。ただ、天国にいる祖母も、ほほえんでくれると信じています。

竹内良貴 コメント

この作品を作るにあたり、中国の広州の街中を歩き回りました。
近代的な真新しいビルが立ち並び、かと思えば昔ながらの町の風景もそこかしこに息づき、それらがものすごい速さで変化していくという、まさに時代の変化を絵に表したかのような光景がそこにはありました。
そこで暮らす人々はどのような思いを抱いて生活しているのでしょうか。
様々な人たちがいると思います。幸せな人、つらい人、未来に希望を抱く人、あるいは流されて生きている人もいるかもしれません。色々想像することができると思います。
この僕の作品は服をキーにして姉妹の関係性の変化を描いていますが、それを通して何か感じ取れるものが見終わった後に残ってくれれば幸いです。

(c)「詩季織々」フィルムパートナーズ

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