映画ナタリー - 最新映画ニュースを日々配信

細田守が最新作に込めた思い語る、「子供の視点から世界の芳醇さ伝えたい」

272

細田守

細田守

2018年7月20日に公開される細田守の監督最新作「未来のミライ」の発表記者会見が本日12月13日に東京・東宝本社で行われ、細田とプロデューサーの齋藤優一郎が出席した。

細田が原作と脚本も担当した「未来のミライ」では、4歳の男児“くんちゃん”と未来からやってきた妹“ミライ”という不思議な「きょうだい」の物語が描かれる。

細田は「僕自身が5歳の男の子ともうすぐ2歳になる女の子の親なんですが、世界に対する彼らの純粋なリアクションを見ていると、世の中って芳醇ないいものなんじゃないかと思いまして。子供の視点を通して、子供だけでなく大人にも世界の面白さをダイナミックに見せていきたい」とコメント。齋藤は「7月20日という公開日にはこだわりがありまして、これは夏休みの初日なんですね。学校が終わって、これからどんなふうにみんなで楽しいことをしようかと考えるタイミング。この時期に、子供も大人も一緒に楽しめるアニメーション映画を出すのが一番いいんじゃないかと」と語る。そして「カンヌ国際映画祭で57カ国からオファーを受けまして、それらの国での配給が決まっています」と明かした。

質疑応答にて、今作でチャレンジしたことを聞かれた細田は「一番の挑戦は、4歳の男の子を主人公にしたこと」と回答。「なぜ4歳かというと、着想時に自分の息子が4歳だったからです。4歳というのはシリアスなところと快楽主義的なところが重なっている。うちの子は5歳になったら『うんこ』とか『ちんちん』と言い出しまして、もし今作ろうと思うとそういう映画になる(笑)。ギリギリのところで品のいい映画にすることができたんじゃないかと思います」と続けて笑いを誘った。

くんちゃんという主人公の名前について、細田は「実際に彼はくんという名前なんですが、くんちゃんだと『くん』なのか『ちゃん』なのかわからず、そのことでアイデンティティの揺らぎを表現できる。そして、アイデンティティが揺れ動いている人がどのように未来というものにたどり着くのか、という話の流れから妹の名前はミライになりました」と説明。「今は世の中の価値観が非常に大きく変わっている時代じゃないですか。一昔前だったらほとんどの人が結婚していたけど、今は自分の生き方を選ぶことができる。多様な価値観が存在する分、個人が揺れ動く時代だと思うんですね。そういった世界でどう生きていくか、未来はどこにあるのかということを思いながら映画を作っています」と話す。そして「『未来のミライ』というタイトルには、妹が未来から来たという意味、ミライちゃんの未来という意味、未来のその先という意味などいろんな意味を込めています」と語った。

また、「サマーウォーズ」から描いてきた「家族」というテーマについて細田は「作り続けているということはまだ描ききれていないということですね(笑)」とコメント。「家族の中でも、今回は『きょうだい』がテーマ。僕は1人っ子なんで『きょうだい』の感覚がわからない。自分の下の子が生まれた瞬間に、親の愛を巡る争奪戦が始まったことを感じたんです。それは狂おしいばかりのやり取りで、母親が下の子におっぱいをあげている間は上の子は無視されている。愛を奪われた人間というのはこんなひどいことになるんだな、と上の子を見ていて思います」と述べて笑った。

作品の進捗状況について、細田は「絵コンテは今までの作品の中でもっとも早くできました。上映時間が100分ぐらいなので今までよりちょっと短い。作画を進めながら、同時に声優のオーディションを行っています」と述懐。最後に「4歳の男の子を主人公にすることで困難な点もありますが、その1個1個をスタッフみんなでがんばって乗り越えています。現場が制作を楽しんでいる雰囲気がいいなと思っていて。自分自身もいい映画になるだろうなと予感しているので、期待して待っていてください」と自信をのぞかせた。

※関連記事はこちらから
細田守の最新作は「未来のミライ」、2018年夏に公開

映画ナタリーをフォロー