本作は、1967年7月にアメリカ・デトロイトで発生した暴動の最中に起きた凄惨な事件を描く実録ドラマ。「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」のボイエガが事件現場に居合わせた警備員ディスミュークスを演じ、「レヴェナント:蘇えりし者」のウィル・ポールターが差別主義者の白人警官・クラウスに扮する。
著名人コメントはさまざまなジャンルの20名から到着。本作への書き下ろしイラストを寄せた
「デトロイト」は1月26日より東京・TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。
町山智浩 コメント
40分の尋問シーンは「悪魔のいけにえ」以上の恐怖!
これは現在も続いているアメリカの狂気だ!
越智道雄 コメント
重苦しい主題の牽引車にサスペンスを駆使した手腕に舌を巻いた。
ビグロー監督の卓抜さは、トランプ支持層がむき出す「幼稚さ」を「童顔」の俳優に形象化したことに集約される。
小島秀夫 コメント
あらゆる“恐ろしい”という感覚を体験させる衝撃の142分。
サスペンスでもホラーでもフィクションでもない。1967年の「アルジェ・モーテル殺人事件」を元に撮られたビグローの最新作は、暴動の裏側で蔓延する、社会が抱える秩序という闇を、映画という力をフルに活用して描き切る。凄かった。
ピーター・バラカン コメント
50年前の「サマー・オヴ・ラヴ」は同時に人種対立の夏でもありました。実際にあった事件に基づくこの力作で警察の残虐行為を見ていると、いまだに問題が解決されていないことを痛感します。
井上三太 コメント
強烈な差別と暴力にゾッとする。
これが実話で、さらにその差別と暴力が未だに鳴り止まないことにさらにゾッとする。ただこの重いテーマをビグロー監督は一流のエンターテインメントに仕上げた手腕に脱帽する! 面白い!
吉岡正晴 コメント
名門レーベル、モータウンのスーパースター、テンプテーションズに憧れていたドラマティックス。彼らのキャリアに重くのしかかる運命の一夜。「ドゥ・ザ・ライト・シング」以来の衝撃の本質を突いた問題作だ。
前嶋和弘 コメント
冷静な事実の積み上げ。特殊な状態の中での不合理の連続に圧倒される。史実を一気に駆け抜ける追体験。だが、これは50年前の過去ではない。白人警官に対する黒人のやり切れない怒りは今も耐えがたき現実そのものだ。
宇多丸(RHYMESTER) コメント
「極限状況下で一線を踏み越えてしまう者たち」を描いてきた剛腕監督が、ついに米国内の「戦場」にカメラを向けた……極めて鋭利かつ、残念ながら今もタイムリーな群像劇。
いとうせいこう コメント
1967年のデトロイト暴動のまるでドキュメントのような映像の連続で始まり、142分間、あらゆる胸の痛みを喚起しながら、問題の根幹にある差別への厳しい糾弾を伝える。傑作。
五十嵐浩司 コメント
黒人への不正義を、監督はジャーナリストのような手法で告発する。この不正義はいまも燻るだけでなく、イスラム教徒、移民へと広がりつつある。デトロイト中心部はこの暴動以来、荒れ果てたままだ。それは不正義が消えないことへの異議申し立てのようでもある。
鳥越俊太郎 コメント
舞台は1967年に起きたデトロイト市の暴動。悲劇はその片隅で起きた白人警官と黒人住人との対立で生まれるが、司法は黒人二人を射殺した白人警官を無罪とする。今でも時折噴出する人種差別の事件。米国社会の黒い亀裂をズシリと感じさせる映画だ。
山崎まどか コメント
緊張感のあるサスペンス。リンチ事件の只中にいるような臨場感がありながら抑制が効いていて、隅々まで静かな怒りのパワーが行き届いている。たった今、見るべき映画。
辛坊治郎 コメント
1967年、日本はアメリカがもたらした自由と民主主義の下で、高度経済成長の真っただ中にあった。しかし同じ頃、アメリカには実は白人のための自由と民主主義しかなかったのだ。今はどうか? 映画の問いは深い。
是枝裕和 コメント
あの時いったい何が起きたのか? ビグロー監督は記録を縦糸に想像力を横糸に、裁判でも明らかにならなかった「真実」を丹念に紡いでいく。ドラマチックな飛躍が紛れ込む余地を安易に与えないその倫理観に敬意を表したい。
モーリー・ロバートソン コメント
監督の繊細な場面設定に加え、見事なまでの俳優陣の迫力ある演技に早々に釘付けに。
当時の露わになった衝突があるからこそ、改めて今も形を変えて残る差別について、多様性について考える必要がある。
丸屋九兵衛(bmr) コメント
あの日、ソウル・ミュージックの拠点ミシガン州デトロイトで何が起こったのか……真相はこれだ!(Whatcha See Is Whatcha Get)。重い物語の中、(ここでも)軽めの男を演じるジェイソン・ミッチェル(Eazy-E)にも注目を!
川村晃司 コメント
見るべき映画が50年を経て日本に上陸。トランプ大統領の支持基盤デトロイト。
闇の歴史が行きつ丸演出で活写される。観客は胃がキリキリ痛む。痛みの中で
アメリカの今も見えてくる。見逃せない作品だ!
堀尾正明 コメント
人間とはここまで残虐になれるのか、酷く暴力的になれるのか、恐怖感に全身襲われながらスクリーンに吸い込まれていく。カメラワークと編集の技が「お見事!!」のひと言。気がつけば、実際に起こった史実の現場・デトロイトに私は居た。この映画を見逃すと後悔します。
真魚八重子 コメント
恐れることなく、キャスリン・ビグローの最高傑作と言おう。142分をこんな構成で作り上げるとはなんたる度胸。これが過去の海外の出来事では済まされない、この時世にこそ観るべき作品!
高橋諭治 コメント
派手な煽りの演出は一切なし。異常な緊張と恐怖に囚われた人間たち、そして刻一刻と悪化する現場の状況が、ひたすら克明に映し出される。その描写の並外れた迫真性と、決定的な“暴発”の瞬間に身震いせずにいられない。
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