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アクタン・アリム・クバト「馬を放つ」引っさげ来日、キルギスの名匠への感謝語る

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アクタン・アリム・クバト

アクタン・アリム・クバト

本日11月22日、東京・有楽町朝日ホールで開催中の第18回東京フィルメックスにて「馬を放つ」のトークイベントが行われ、監督のアクタン・アリム・クバトが登壇した。

本作は、第67回ベルリン国際映画祭のパノラマ部門で国際アートシネマ連盟賞に輝いた物語。クバトの故郷であるキルギスを舞台に、土地に古くから伝わる伝説を信じて夜な夜な馬を盗んでは野に放つ男“ケンタウロス”の姿が描かれる。

満面の笑みで観客に挨拶したクバトは「私が生まれた村で起こった実話がモデルになっています。素晴らしい馬が盗まれたんです。犯人がなんのために馬を盗んだのか結局わからなかった。私はそのことを描けば素晴らしい映画になると考えました」と振り返る。観客から劇中で映画館がモスクとして再利用されることについて聞かれると「それも実話です。キルギスがソビエトの構成共和国の1つだった頃、私の村にも映画を上映していた小さな場所があったんですが、そこはモスクに変わりました。キルギスの小さな村でしばしば起こったことです」と返答。

タイトルにも使用されている馬について「元遊牧民であるキルギス人にとって、馬は大事な存在。『馬は人間の翼』という言葉もある」と述懐。キルギスの文化に関する質問が上がるとクバトは「ソビエト時代キルギスの文化は大切にされていなかった。私たちは自分の文化を奪われたと思っています。しかし、この映画は何かに反対する映画ではありません」とコメントした。

キルギスを代表する映画監督トロムーシュ・オケーエフが撮った「赤いりんご」のポスターや映像が引用されている本作。その理由についてクバトは「ソビエト時代キルギスにも大きな映画スタジオがあり、素晴らしい作品が作られていました。『赤いりんご』はその時代に作られたものです。若い頃に観たこの作品にお礼をしたかった」と思いを明かした。

「馬を放つ」は、2018年3月17日より東京・岩波ホールほか全国にて順次ロードショー。また第18回東京フィルメックスは11月26日まで東京・有楽町朝日ホールほかにて開催され、25日に授賞式が行われる。

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