記憶と言葉を失った男とその家族描く「父は憶えている」、歌声収めた予告公開

中央アジア・キルギスの監督アクタン・アリム・クバトが手がけた「父は憶えている」の予告編がYouTubeで公開された。

実話にもとづく本作は、23年前にロシアに出稼ぎに行ったきり行方がわからなくなっていたザールクが、故郷であるキルギスの村に帰ってきたことから展開。ザールクは記憶と言葉を失っており、息子は父の記憶を呼び覚ますために家族のアルバムを見せる。そして彼らの穏やかな村の暮らしは、権力による圧力や時代の流れに逆らえず変わろうとしていた。

解禁された映像では、息子がザールク夫妻の昔の写真を見せる様子や、歌声が流れるシーンを観ることができる。また、このたび本作が第96回アカデミー賞の国際長編映画賞キルギス代表に選出されたことが明らかになった。

写真家の石川直樹は「記憶を失おうと、時代が変わろうと、人間はそれぞれの地で根を張って生きる。人間の生の本質がスクリーンから滲みだし、最後まで惹きこまれました」とコメントを寄せている。

アクタン・アリム・クバトが主演も兼任した「父は憶えている」は、12月1日より東京・新宿武蔵野館ほか全国で順次公開。

映画「父は憶えている」予告編