木下グループ新人監督賞で山田篤宏がグランプリ獲得、河瀬直美「手腕に期待」

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「第1回木下グループ新人監督賞」の授賞式が本日7月26日、東京・キノフィルムズ六本木試写室にて開催された。

「第1回木下グループ新人監督賞」授賞式の様子。左から山田篤宏、荒木伸二。

「第1回木下グループ新人監督賞」授賞式の様子。左から山田篤宏、荒木伸二。

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これは、映画会社キノフィルムズを有する木下グループによって実施されたもの。受賞企画には5000万円を上限とした費用が用意され、キノフィルムズのプロデューサーが協力して作品の完成・公開を目指す。

授賞式に登壇したキノフィルムズの社長・武部由実子は「海外の映画祭へ行くたびに、いろんな国の新しい監督のオリジナル作品に刺激を受けていますが、日本国内に目を向けますと、ベストセラーの原作もの以外になかなか製作できない現状がございまして、そこを少しでも打破したいという気持ちがあり、今回のプロジェクトが発足しました」と本企画を実施する意義を語った。

その後グランプリの発表が行われ、応募総数241作品の中から、プロ棋士とコンピュータ将棋ソフトウェアとの非公式棋戦・将棋電王戦をモチーフにした山田篤宏の「AWAKE(仮題)」が選ばれた。乃木坂46のミュージックビデオなどを手がけてきた山田は「3年前ぐらいから将棋アプリにはまりだしまして、その後、今回の脚本を書くきっかけとなった電王戦のニュースを見て、興味深い内容だなと思い、脚本にしました。書いている最中はここまで将棋が注目されるとは思っていませんでしたが、最終的にこの映画を見た方が将棋を好きになってくれたらと思います」とコメント。

子供の頃ともに将棋のプロを目指した2人の男を軸にする予定の本作。AI将棋の開発者として成長した青年と、常に天才棋士と言われてきた青年との関係を描いた同作について、審査員長を務めた河瀬直美は「棋士とAIの対決という実際の出来事をベースに、選ばれし者と選ばれなかった者の間に横たわる違いや葛藤を丁寧に掬い上げ、人間ドラマに昇華させた山田監督の手腕に期待」とコメントを寄せた。

また準グランプリは、松本人志が出演するコマーシャル「バイトするなら、タウンワーク。」の演出を行っている荒木伸二の「人数の町」が獲得。過酷な労働もなく生活も保障されている世界を舞台にした同SF作品について河瀬は「個人としてではなく人数の一部として人が存在するという独特の発想が面白い。現実感のあるSF設定に、時折、哲学的な様相が見え、奥深さを感じた」と評した。

※河瀬直美の瀬は旧字体が正式表記

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読者の反応

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将棋の田中誠Pです。 @MAKOTOTANAKA198

準グランプリの荒木伸二さんタウンワークの将棋CMでご一緒した人だ、今は将棋を出すと明確に数字が取れるんだよなー  木下グループ新人監督賞で山田篤宏がグランプリ獲得、河瀬直美「手腕に期待」 - 映画ナタリー https://t.co/WbiYEmRidy

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