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「TOKYOデシベル」は、辻による同名小説をもとにしたヒューマンドラマ。“東京の音の地図”を作るという夢を持つ主人公の大学教授・宙也を松岡が演じた。また、芸能事務所タイタンを率いる太田光代がエグゼクティブプロデューサーを務めている。
フランス・パリに滞在しているとき、辻の自宅に招かれ本作の台本を渡されたという松岡。それを読み「さすがだな」と思ったという松岡が「辻さんはミュージシャンとして大先輩なんです。台本からはミュージシャンが作ったストーリーであることを強く感じました」と印象を語ると、辻は「これは音を観てもらう映画なんです。そういう映画がもっとあってもいいんじゃないかと思っていました」と制作の発端を明かす。また辻は松岡に顔を向けながら「普段はやんちゃな大阪の兄ちゃんという感じなのですが、芝居ではそれを一切出さないんですよね」と感心したように語った。
ピアノ調律師を演じた安達について辻が「目力だけでゾクゾクしますよね」と述べると、長井は「本当にすごい。しかもきっちり同じ演技ができるところにプロを感じました」と称賛する。しかし安達は苦悩することもあったようで「私には音楽的センスがないので難しかったです」と撮影を回想。映画の観方を尋ねられると「人々の間に流れる不協和音というのは、誰しも感じたことがあると思います。東京の喧騒の中で響いている音に心を重ね合わせていただければ」と鑑賞前の観客に呼びかけた。
辻との仕事が大好きだというSUGIZOは「辻さんからドビュッシーの『夢想』を使いたいということを聞いて。大名曲を僕なんかが触っていいのかと思いましたが、自分なりのドビュッシー愛を持ちながらアレンジしました」と述懐。続けて、本作ほど東京を美しく切り取った映画は観たことがないと話し「『ブラック・レイン』を観たときのような気持ちになりました」と感想を語った。また長井は、自身が演じた役をストーキングをするような気持ち悪い男と説明。「私も特殊な環境で育ってきたので……」とつぶやき、観客の笑いを誘う。
登壇者たちの話を聞いたことで撮影を思い出したのか、次第にしんみりとした表情になっていく辻。「私は人付き合いが得意ではないのですが、この方たちと過ごし、自分は人とのつながりに生かされていることを実感しました。その時間が映画として形になることが本当に幸せです」と感謝の気持ちを述べる。そして松岡は「東京という街が生きるときにきしむ音がある。それを宙也は見付けたんです。爆破もアクションもないですが、価値観を震わせるような映画になっています」と作品をアピールした。
「TOKYOデシベル」は5月20日よりユナイテッド・シネマ豊洲ほかにて公開。
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- 「TOKYOデシベル」公式サイト
- 「TOKYOデシベル」予告編
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「TOKYOデシベル」辻仁成が松岡充の演技に感心「普段はやんちゃな兄ちゃんなのに」 - 映画ナタリー https://t.co/nCILzpoSB9