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本作は、2009年に逝去した作家・伊藤計劃のSF小説3冊を劇場アニメーション化する企画「Project Itoh」の1本。テロと虐殺が連鎖する荒廃した世界を舞台に、米軍特殊部隊に所属するクラヴィスが、“虐殺の王”と呼ばれる謎の男ジョンを追跡するさまを描く。
制作スタジオの倒産という苦難を乗り越え、昨日2月3日に公開初日を迎えた本作。中村は「劇場で観られるのが本当に楽しみでした」と喜ぶが、「さすがに出てるやつが初日に(劇場に)いるのもどうだろうと思って、昨日は(観に行くのを)やめました(笑)。必死な感じがしたんで」と初っ端から正直に打ち明ける。「劇場で観たい」という点には櫻井も同意し、「今日この場に立てて感慨深いです。やっぱり大勢で観るのが映画の醍醐味だと思います」と話した。
劇中のセリフには英語、チェコ語、グルジア語などが登場するため、アフレコの際は外国語指導が徹底的に行われたという。本編とは別に外国語指導のスタッフが入る収録日があったそうで、中村は「現場は面白い&カオス。待合室のロビーが多国籍で、海外のカフェに迷い込んだみたいだった。日本語で通そうとしてる俺がおかしいんだろうなって」と収録時の心境を回想。また櫻井は言語学者という役どころであったため、「演じる側としては非常に重くのしかかってくる設定。どうしたら表現できるか思い悩みながらやりました」と苦労を明かす。
上映前の舞台挨拶ということでネタバレができず、慎重に言葉を選ぶ2人だったが、最終的に「『虐殺器官』を一言で表現すると?」というざっくりとした問いを受けることに。急にそわそわし出した2人に、司会者が「大喜利状態な空気感ですね」とツッコミを入れ、中村は「先輩から……」と櫻井に回答を促す。
櫻井は「急に先輩って言うなよ!」と困った様子を見せつつ、「本音」という単語を挙げた。その理由を「人間の本能に訴えかけるものがあり、この作品には本音が見える。もしかしたら伊藤計劃さんの本音でもあるのかもしれないですね」と説明。一方、中村は「死」と答えるが、「マイナスの意味だけではありません」と述べる。そして「原作で伝えたいことは、死をどう捉えていけばいいかということ。彼(クラヴィス)は任務上いろいろな死を見ているから、改めて思うことがあるのかもしれない」と語った。
「虐殺器官」は全国の劇場にてR15+指定で公開中。なお2月16日にはTOHOシネマズ 日本橋にて、18時30分の回の上映後に、SFマガジン編集長の塩澤快浩、動物行動学者・東京大学教授の岡ノ谷一夫らによるトークイベント「伊藤計劃の世界」が実施決定。チケットは2月5日24時よりTOHOシネマズのチケット販売システムvitにて発売される。
「虐殺器官」トークイベント「伊藤計劃の世界」
2017年2月16日(木)東京都 TOHOシネマズ 日本橋
18:30の回上映後
<登壇者(予定)>
塩澤快浩 / 岡ノ谷一夫 / 吉田尚記ほか
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リンク
- 「虐殺器官」公式サイト
- 「Project Itoh」公式サイト
- 「虐殺器官」予告編
- vit | TOHOシネマズ
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