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これは庵野秀明が総監督を務める「シン・ゴジラ」が7月29日に封切られることを記念した企画の一環。日本映画専門チャンネルが主催したイベントには「キングコング対ゴジラ」で円谷英二のもと撮影助手を担当した中野昭慶、中野が特撮監督を務めた1984年公開の「ゴジラ」にスタッフとして参加し「シン・ゴジラ」では監督を務める
ゴジラシリーズ初のカラー作品である「キングコング対ゴジラ」に対して中野は「現場はむちゃくちゃだった。『映るか映らないかわかんない』というのがスタッフの合言葉だった」と回想。続けて「感度が64もないフィルムでの撮影で、暗いところは映らない。何を撮るにしても莫大な照明が必要だった」と述懐する。
1962年公開当時のオリジナル版を4Kデジタルリマスターで復元した今回のバージョンに対して、中野は「我々が撮った最初の1号よりもきれいだった」と感想を述べる。佐野が「いや、もともと以上にきれいってことはないんじゃ……」とツッコミを入れると、中野は「僕も今のデジタル技術どうなってるんだと言いたいです。例えば(撮影現場で)平田昭彦さんの顔にスプレーで水をかけ、吹き出した汗を作ったんですけど、初号のときは『なんだ、映ってねえじゃねえか』と思ったんです。それが今回、まともに映ってる。だから僕はただ驚きとしか言えないです」と興奮気味に言葉を重ねた。
「今回のバージョンを観れてなくて、聞いててモヤモヤしてる」と述べる樋口は、作中に出てくる大ダコが家を襲う場面について触れ「『ゴジラ』の前に巨大タコが(東京を)襲う企画を、円谷(英二)さんが持っていたと聞いてますが……」と中野に話を振ると、中野は「ゴジラのトリオ田中友幸、本多猪四郎、円谷英二が最初に撮ろうとしていたのはタコだった。だから『ゴジラ』は本来なら存在してない」と回答。その後中野は「でも『タコは全部コマ撮りになるから時間がかかる』と円谷さんが言って、『コマ撮りが無理なら、中に人を入れたらどうだ』という話になって、でもタコだと人が入れない……そのときのタコの執念がここ(「キングコング対ゴジラ」)に出ている」と裏話を明かす。
その話に佐野が「どう考えてもあれ生ダコじゃないですか、やけに言うこと聞いてますよね。その理由を教えてください」と質問すると、中野は「円谷さんが、元気なときに撮りたいって言って、港のいけすの横に小さなセットを作って撮ったのがあのシーン(の一部)なんです。それで目にライトを当てるとタコが元気になるのがわかって、それをやって一番いい場面を使ったんです」と返す。またイベントでは出演者の佐原健二からの手紙が読み上げられるサプライズも。佐原がつづった監督の本多らとのエピソードなどに、観客は静かに耳を傾けていた。
「『キングコング対ゴジラ』<完全版>4Kデジタルリマスター」は、イベントでの上映と同時に日本映画専門チャンネル、スカパー!4K総合でもオンエアされた。今後、随時再放送が行われる。なお日本映画専門チャンネルでは、2Kダウンコンバートにて放送。
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