本日1月16日、「
「女が眠る時」は、「スモーク」の監督ウェイン・ワンがスペイン人作家ハビエル・マリアスの短編小説をもとに描くミステリー。海辺に佇むホテルで出会った年の離れたカップルをのぞき見るうちに、いつしか狂気に陥っていく小説家の姿を映し出す。小説家・健二を西島、謎めいたカップルの佐原と美樹をたけしと忽那が演じている。
たけしは「『007』とか『スター・ウォーズ』とか、ディズニーランドに行くような映画が制作されている昨今、東映とワン監督はこんな知的な作品を制作して……」と敬意を表しつつ、「すべては私のおかげです」とオチをつける。新井は「ワンシーンしか出てないんですけど、呼ばれたんで来ちゃいました。すいません」と謝って笑いを誘った。
第66回ベルリン国際映画祭パノラマ部門に本作が出品されることについて感想を求められたたけしは、「いつの間にか5大、6大、東京国際映画祭まで入れて7大映画祭なんてわけのわからないことになってますが」と笑わせ、「基本的にはカンヌ、ヴェネツィア、ベルリンと、この3大映画祭でいいんじゃないかと思ってます。国際映画祭に参加するということはいろいろな国の方が観てくださるということですし、それだけに厳しい評価を受けることもあるかもしれませんが、映画というのはお客様に観ていただいてなんぼです。昨今は興行収入ばかりが取り沙汰されますが、本作は映画のよき時代をもう一度思い出させてくれるような作品です」とコメント。
西島は「ベルリン国際映画祭はアート映画に対して温かい映画祭だと聞いているので、目の肥えた観客の皆さんに楽しんでいただけたら」とコメントし、新井は「3大映画祭というのはやはり別格で、そのうちの1つに呼ばれたことはとても素晴らしいことだと思います。ただ先ほども言いましたが、ワンシーンしか出てないんで、(ベルリンに)呼ばれても……うちは行けません」と苦笑した。
たけしは出演を決めた理由について、「自分が映画を撮り始めた頃はいろいろ実験的なことをやって損失を出しましたけども、今回は人の映画ですから、損失を出しても俺のせいじゃないと思えるので。この映画は自分の理想とする、ちょっと難解だけども知的ゲームのような要素がある作品ですから」と説明。「あと、ワン監督と一緒に仕事をしたハーヴェイ・カイテルとか、ジュード・ロウとか、いろいろな海外の方から連絡があったりね。俺も(監督として)まんざらでもねえなって思いました」と続ける。また新井が、たけしの俳優としての魅力について「本作では絡んでないんでなんとも言えないんですけど(笑)、セリフを話さずとも無言でいるだけで狂気とか色気が伝わるところがすごいですね」と述べると、たけしは「非常にありがたいことです。できたら現金を贈りたいぐらい」と笑わせた。
会見のあとには、同会場で試写会を実施。上映前の舞台挨拶で、新井が「皆さん観終わったあとに、『あいつあんだけしか出てねえのによく舞台挨拶来たな』と思われるでしょうから、先に謝っておきます。ほんとすいません」と頭を下げると、たけしは最近の出演作を引き合いに出したり、某グループの解散騒動に触れたりしたうえ、映画のテーマに絡めた「抑えられない好奇心」の対象については、「パンツの中身です」と、暴走を続ける。また、新井が「『抑えてる好奇心』なんですけど、人を殺してみたいです。あと、死んでみたいし、生き返ってみたいです。そういうことが経験できたら、(俳優の仕事に)生きるんじゃないかなって。もちろんやっちゃいけないこととはわかってます」と話すと、たけしは新井から遠ざかり、「怖いよこの人」と指差した。
舞台挨拶の終盤では、1月18日がたけしと新井の誕生日であることから、忽那が2人に花束を贈呈。たけしは花束を抱え「なんか、菊の花(みたい)……。(『戦場のメリークリスマス』で共演した)デヴィッド・ボウイも死んじゃったし、次は俺の番かと思いますけども」とブラックジョークを飛ばし、最後までイベントを牛耳り続けた。
「女が眠る時」は、2月27日より全国で公開。
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