本日6月22日、東京・時事通信ホールにて「
「天空の蜂」は、東野圭吾が1995年に発表した同名小説を原作とするサスペンスアクション。最新鋭ヘリコプター“ビッグB”を使った原子力発電所へのテロ事件と、その危機に立ち向かう人々の攻防を描く。“ビッグB”の設計士・湯原を江口、原子力発電所の設計士・三島を本木が演じ、三島の恋人・赤嶺に仲間、“ビッグB”を奪う謎の男・雑賀に綾野が扮している。
出演オファーを受けた際の心境について、江口は「子供から大人まで伝わるような感動作になっていて、何がいい何が悪いではなく、考えなければいけない、沈黙してはいけないという熱いメッセージを感じました」と述懐。本木は「この作品は、一種の怪獣映画だと思います。怪獣はビッグBのことです。そして、その怪獣と対峙する群衆という構図がサスペンスを生み出すんですね。原作を読んだときに胸に刺さったのは、『沈黙する群衆』という言葉。意志の見えない仮面をつけた群衆、つまり我々国民のことを指しています。そういうメッセージ性の強さに引き込まれました」と語る。
「トリック」シリーズで堤とタッグを組んできた仲間は「ラブシーンでの堤監督の演出が印象に残っています。『トリック』のときのような無茶ぶりは今回はありませんでしたね」といたずらっぽく笑い、綾野は「監督は現場で生まれるパワーみたいなものをとても大事にされますし、俳優に密接に寄り添ってくれるんです」と、堤への信頼を述べた。
江口が、初共演となった本木について「出演作品の選び方に感銘を受けていました。今回も、現場に行くのがいつも楽しみだった」と話すと、本木は「2人共技術者で、家庭をないがしろにしている役ですが、江口さんが演じた湯原は情熱を持って問題に晴れやかに対処していく。対して、僕が演じた三島はやり方が陰湿。素の僕たちの資質がそのまま反映されているので、当たり役だったんじゃないでしょうか」と語り、笑いを誘う。さらに、本作のテーマの1つである親子の関係に話題が及ぶと「いい父親になるということは難しいことです。子供にいいところを見せたいと思っても、電池のプラスとマイナスを逆に入れて子供に指摘されたりしてますからね」と、実生活での意外な三枚目ぶりを明かした。
終盤では、本作を発表する意義について登壇者がそれぞれの思いを吐露。「人間というものは、自分が所属した社会や集団に左右されて、自分の頭で考えることを放棄してしまいます。原作を読み、映画を撮っていく中でそういうことを考えました。事件を起こす犯人は、考えることを放棄する社会に“蜂の一刺し”をするんですね。決して正しいやり方ではないけど、いつか現実の世界でも誰かがそういうことをするのではないかと感じています」という堤のメッセージをもって、会見は終了した。
「天空の蜂」は、9月12日より全国ロードショー。
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