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ティム・ロスから逆オファーを受けたメキシコの新鋭、終末医療映画でカンヌへ

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「Chronic(原題)」場面写真

「Chronic(原題)」場面写真

「父の秘密」で2012年にカンヌ国際映画祭ある視点部門グランプリに輝いたミシェル・フランコ。最新作「Chronic(原題)」が、現地時間5月22日にコンペティション部門で上映された。

これが長編3作目となる36歳のフランコにとっては初のカンヌコンペ部門への出品。終末医療病棟で働く献身的な看護士が抱える心の闇に迫る物語で、看護士役にはティム・ロスを起用した。

監督のフランコは、「ティムが演じた看護士は、彼の病棟に入院してくるどんな患者にも献身的に接し人間関係を築いてきた。患者の家族もとても難しい局面に置かれている。当然のように、看護士と患者や家族の間にミスコミュニケーションが生まれるだろう。そういった状況に、人生とは何なのかを見た」と説明する。

きっかけは、フランコの祖母が入院していた終末医療病棟の看護士と接したこと。「20年ほど看護士をしている女性で、決して天使のようなタイプではないけれど、僕ら家族は彼女によって救われた部分が大きかった。祖母が亡くなったあと、彼女に『今まで何人くらいの患者を看取ってきたのか』と聞くと、悲しそうにほほえむだけだった。その顔を見て、映画を作りたいと思ったんだ」と明かした。

「Chronic」はフランコにとって初の英語作品で、故郷のメキシコを離れロサンゼルスで撮影を行なった。「父の秘密」がある視点部門でグランプリを受賞した際に、審査委員長を務めていたロスから「君の映画に出たい」と、逆オファーを受けたそうだ。さらに、フランコは次の作品をフランスで撮ることが決まっており、ボーダーレスに活躍する監督が目立つ今年のカンヌの代表的な存在だ。

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