ホラーやゾンビをこよなく愛する著名人らにお薦め作品を紹介してもらうリレー連載「今宵も悪夢を」。集まった案内人たちは身の毛もよだつ恐怖、忍び寄るスリル、しびれるほどの刺激がちりばめられたホラー世界へ読者を誘っていく。
第5回の案内人はシンガーの
文
初心者の方でも観やすい、ぷぷぷと笑える愉快なゾンビ映画
みなさん、こんばんは。この度、「今宵も悪夢を」の案内人に選んでいただきました、すいか生肉ゾンビが大好きな南波志帆です。
素敵なみなさんと共に、大好きなことを思う存分語れるこの場所をいただけて光栄です。私はとにかくゾンビが好きなので、勝手にゾンビ担当として、このコラムでひたすらにゾンビ作品をご紹介していきたいと思います。何卒よろしくお願いいたします…!!
私は、いずれゾンビが蔓延る世界が訪れると真剣に考え、生き残りたいがために、2013年あたりからゾンビ作品の研究を始めました。これを読んでくださっているみなさんにはぜひ生き残っていただきたいので、今回はそんな世界で生き残るために大切なことを教えてくれる映画「ゾンビランド」をご紹介したいと思います。
主人公は、気弱で冴えない青年のコロンバス。そんな彼なのに、ゾンビが蔓延る世界で生き残っています。それはなぜか。生き残るための32のルールを作り、実践していたからです。「二度撃ちして止めを刺せ」、「ショッピングモールは補給基地」、「ヒーローになるな」、「人を見たらゾンビと思え」など、的確なルールの数々。実践的で、非常に勉強になります。
ひょんなことから主人公と出会い、旅をする仲間たちも強烈なキャラクター。最強ハンターのタラハシー、したたかな処世術を身に付けた美人詐欺師姉妹のウィチタとリトルロック。紆余曲折ありながらも、なぜだか憎めないチャーミングな人たち。そのため、この映画にはゾンビ映画らしからぬユーモアや抜け感、スカッとするような爽快感、そしてハートウォーミングさがあります。個人的にゾンビ映画で一番好きなエンディングです。グッときます。
私はもともと走るゾンビは否定派の人間ですが、この映画は例外! 走るけれど、ジョージ・A・ロメロ監督が礎を築いてきた、古きよきゾンビ映画へのリスペクトがちゃんと感じられます。それを踏まえつつ、アクション、ロードムービー、ラブストーリー、コメディーなどあらゆる要素を入れ込んでエンターテイメントに昇華した、素晴らしい作品です。初心者の方でも観やすい、ぷぷぷと笑える愉快なゾンビ映画に仕上がっています。ぜひ観て、学んで、いつでもゾンビと戦えるようにしましょう。備えあれば憂いなし、です!
南波志帆(ナンバシホ)
1993年6月14日生まれ、福岡県出身のシンガー。2008年11月にミニアルバム「はじめまして、私。」でデビューを果たし、デビュー10周年を迎えた2018年には初のベストアルバム「無色透明」をリリースした。2014年からNHK-FM「ミュージックライン」のDJを務めている。
「ゾンビランド」(2009年製作)
新型ウイルスの爆発感染により、人類の大半が人食いゾンビとなってしまった世界が舞台。“生き残るための32のルール”を実践して生き延びてきた青年コロンバスが、ハンターと詐欺師姉妹に出会い、ゾンビがいないとうわさされる遊園地を目指すさまを描く。
「ゾンビランド」Blu-ray / DVD販売中
税込価格:Blu-ray 1980円 / DVD 1408円 / 4K ULTRA HD&Blu-rayセット 5217円
発売元・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
※「ゾンビランド」はR15+指定作品
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