台湾クリエイターの縦読みマンガを日本で表彰、松井玲奈も「心に刻まれた」と感銘

3

44

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 12 18
  • 14 シェア

台湾のクリエイターを対象にした縦読みフルカラーマンガコンテスト「2025 国際縦読みコミックコンテスト」の結果が発表に。本日10月29日、東京都内で授賞式が行われた。

左から高橋宙生氏、王敏惠氏、花宮麻衣氏、松井玲奈、Udalin、金勻、竹川獅

左から高橋宙生氏、王敏惠氏、花宮麻衣氏、松井玲奈、Udalin、金勻、竹川獅

大きなサイズで見る(全26件)

「2025 国際縦読みコミックコンテスト」とは

「2025 国際縦読みコミックコンテスト」は楽天、独立行政法人台湾クリエイティブ・コンテンツ・エイジェンシー(TAICCA)、韓国のWebtoonプロダクションの日本法人・Contents Lab. Blue TOKYOが共同で主催するマンガコンテスト。電子書籍市場が拡大傾向にある台湾市場において、優れたクリエイターを発掘し、日台共同制作による国際的な作品を創出することを目的としている。

「2025 国際縦読みコミックコンテスト」告知画像

「2025 国際縦読みコミックコンテスト」告知画像 [拡大]

受賞作品を発表

金賞は該当作品なしで、銀賞は金勻「地獄で何かが起こっている」、Udalin「悪に1ポイント」が受賞。「地獄で何かが起こっている」は読者人気賞にも選ばれた。マンガ好きの松井玲奈が選ぶ特別審査員賞は、竹川獅「紙で縫い合わせた人形」が獲得。佳作には楊白「死体の目」、白大與哈鴿「ビーストドリームトラベラー」、芽露「これは乙女ゲームではありません」が決定した。

「2025 国際縦読みコミックコンテスト」受賞作品一覧

「2025 国際縦読みコミックコンテスト」受賞作品一覧 [拡大]

授賞式には楽天グループ執行役員でエンターテインメントコンテンツ事業ヴァイスプレジデントの高橋宙生氏、TAICCA院長の王敏惠氏、Contents Lab. Blue TOKYO代表取締役の花宮麻衣氏、特別審査員の松井が参加。一部受賞者たちも順に登壇し、松井によって記念品が進呈された。

ダブル受賞と縦読み初挑戦の銀賞受賞者

銀賞と読者人気賞でダブル受賞を果たした「地獄で何かが起こっている」の金勻は、「創作はとても孤独な作業ではありますが、大きな魅力を感じることができます。マンガ文化がすごく盛んな日本という国で、こういった素敵な賞をいただき、認めていただけて本当にうれしいです」「今後は言語の壁または文化の壁を越えて創作に励みたい」とコメント。銀賞を受賞した「悪に1ポイント」のUdalinは、「縦読みコミックは初めて描かせていただきましたが、ご好評いただき本当にうれしく思います。今後も創作に励みますので、皆様のお力を借りて、この作品を全世界に届けていきたいです」と述べる。

金勻

金勻 [拡大]

Udalin

Udalin [拡大]

1ページ目から惹きつけられて特別審査員賞に

特別審査員賞を受賞した「紙で縫い合わせた人形」の竹川獅は、「今後も創作に励みますので、今後ともよろしくお願いいたします」と笑顔。松井は授賞の理由について「1ページ目を見た瞬間から、心を惹きつける作画にとても夢中になりました。私自身、日本で生まれ育ったので、お葬式のときに紙の人形を作って亡くなった人を送り出すという文化を知ることは新たな発見でもあり、その紙の人形が物語の重要なキーになっているというのもすごく魅力的で。この物語が今後どうなっていくのか気になります」と語る。

竹川獅

竹川獅 [拡大]

松井玲奈

松井玲奈 [拡大]

佳作の作品も続きを早く知りたい

佳作の3作品について、松井は「どの作品も魅力的なポイントがありました。ホラーだったり、人の夢を叶えるという内容だったり、マンガやアニメ、ゲームが好きな私にとって親しみのある乙女ゲームをテーマにした作品だったり。とても楽しく触れられ、物語の続きを早く知りたいと思わせてくれる3作品でした」と評価。すべての受賞作品についても「心に刻まれた」と称賛し、「今、日本の電車に乗ると、多くの方が縦読みのコミックスを読んでいるなと感じます。今回の作品の1つひとつが、たくさんの方に読んでいただける機会を持つことができたらうれしいです」と話した。

台湾クリエイターを少しでも手助けできれば

また授賞式では、主催者たちからコンテストへの思いなどが語られた。TAICCAの王氏は「日本と台湾は娯楽などの文化がとても近いと思います。日本のマンガとアニメは台湾でも大人気で、台湾にとって日本はとても大事なパートナーです」と両国の関係について述べ、「優れたマンガ作品には無限の可能性があると思います。マンガだけでなくミュージカルやアニメ、ドラマなどいろんな展開ができるんじゃないかと。そのような作品を見つけ出し、マンガを活かすことが本コンテストを開催する主要の目的です」と語る。

王敏惠氏

王敏惠氏 [拡大]

Contents Lab. Blue TOKYOの花宮氏は、仕事を通じて10年前から台湾のマンガやwebtoonの魅力に触れてきたそう。「昨年TAICCAが主催した『日台ウェブトゥーン交流会』では素晴らしいwebtoon作品を多く拝見し、私にとって忘れられない経験となりました。どれも読者を引き込むストーリーテリングや斬新な表現に満ちており、新鮮な感銘を受けました。現在日本でwebtoonといえばスタジオでの制作が主流となっている中、個人のwebtoonクリエイターの方々が台湾で多くチャレンジされていることもとてもうれしかったです。そうした台湾のクリエイターの皆様の才能に触れる中で、もっと多くの人に台湾の作品を届けたい、もっと才能を発掘する場を作りたいと強い思いが芽生え、今コンテストを発足するに至りました」と説明する。

花宮麻衣氏

花宮麻衣氏 [拡大]

楽天グループの高橋氏は「私自身、小さい頃からたくさんマンガを読んできました。今振り返って思うのは、マンガで感じた感情であったり、そこに描かれている世界観が自分の人生の中の大切な1つのベースになっているということ。今回の受賞作品でもやはり皆様が生まれ育った文化であったり、皆さんがそれぞれ持っている世界観というものを縦読みコミックという形で感じさせていただき、楽しく読むことができました」とコメント。「世界の読者に読んでいただけるコンテンツを目指し、世界中のクリエイターをエンパワー、助けていくという思いでこのコンテストを始めさせていただきました。今後も、台湾クリエイターの皆様が世界に作品を発信していく手助けを少しでもできてできたらいいなと思っています」と伝えた。なお銀賞、特別審査員賞、読者人気賞の受賞作品は、今後台湾と日本で連載される。

高橋宙生氏

高橋宙生氏 [拡大]

「2025 国際縦読みコミックコンテスト」受賞結果

銀賞、読者人気賞

金勻「地獄で何かが起こっている」

銀賞

Udalin「悪に1ポイント」

特別審査員賞

竹川獅「紙で縫い合わせた人形」

佳作

楊白「死体の目」
白大與哈鴿「ビーストドリームトラベラー」
芽露「これは乙女ゲームではありません」

この記事の画像(全26件)

読者の反応

  • 3

ゆるポタお姉さん @otenba_nuts

松井玲奈の顔の大きさよ https://t.co/WUxWuS7Rxw

コメントを読む(3件)

関連記事

松井玲奈のほかの記事

リンク

あなたにおすすめの記事

このページは株式会社ナターシャのコミックナタリー編集部が作成・配信しています。 松井玲奈 の最新情報はリンク先をご覧ください。

コミックナタリーでは国内のマンガ・アニメに関する最新ニュースを毎日更新!毎日発売される単行本のリストや新刊情報、売上ランキング、マンガ家・声優・アニメ監督の話題まで、幅広い情報をお届けします。