アニメ映画「CHERRY AND VIRGIN」が2022年に全国公開される。併せてPV、イメージポスター、イメージボードビジュアルが披露された。
「CHERRY AND VIRGIN」は女性に免疫がない32歳のエロマンガ家・遼と、腐女子で現実の男性にいい印象を持たない28歳の亜美が偶然出会い、他者と生きることの苦しさと愛おしさを知っていくラブストーリー。実写の映像素材をベースに作画していくロトスコープという手法で制作され、さらに実写、マンガの要素も取り入れられている。
監督を務めるのは2018年に短編アニメ映画「ある日本の絵描き少年」で第74回毎日映画コンクールの大藤信郎賞や、第23回文化庁メディア芸術祭のアニメーション部門優秀賞など多数の映画賞を受賞した
川尻監督は作品について「主人公たちは可能性を秘めたキラキラしている10代の男女ではなく、疲れたアラサーであり、遅れてきた青春をつかもうとする姿は痛々しく滑稽で、同情と批判のいりまじる少し居心地の悪いドラマが続く作品です。しかしその物語に内在する『男女の性差』『夢と現実』『自己実現と自己探求』といったテーマを語るための映像表現は、とても新鮮で豊かなものになっております」と説明。さらにプロデューサーを務める佐藤現のほか、アニメ映画「音楽」を監督した
また「CHERRY AND VIRGIN」の宣伝費などを募るクラウドファンディングが、本日4月27日にMotionGalleryでスタートした。目標金額は300万円に設定されており、支援額に応じたリターンとしてお礼メール、ステッカー、監督のサイン入り原画、劇場鑑賞券の贈呈、エンドロールへの名前の掲載、完成披露イベントへの招待が用意されている。なお「ある日本の絵描き少年」はYouTubeで全編公開中だ。
川尻将由(監督)コメント
アメリカのコミックには、所謂“アメコミ”と呼ばれるヒーローものを主体にしたジャンルと、『ゴーストワールド』や『アメリカン・スプレンダー』など人間ドラマを主軸にした成人向けのジャンル、“オルタナティブ・コミック”と呼ばれる、主流とは逸脱した作家性の強い作品群が存在します。(ガロ系といった方が話は早いかもしれません……)
この企画『CHERRY AND VIRGIN』もまた決して日本のアニメの主流と呼べるものではありません。
主人公たちは可能性を秘めたキラキラしている10代の男女ではなく、疲れたアラサーであり、遅れてきた青春をつかもうとする姿は痛々しく滑稽で、同情と批判のいりまじる少し居心地の悪いドラマが続く作品です。
しかしその物語に内在する『男女の性差』『夢と現実』『自己実現と自己探求』といったテーマを語るための映像表現は、とても新鮮で豊かなものになっております。“キャラクター商売”でもなく“セルルック”のアニメでもなく、日本のアニメマナーから今最も逸脱した商業作品だと自負しています。ご興味ある方は、この日本で数少ない“オルタナティブ・アニメ”が完成するよう、是非ご助力お願い申し上げます。
佐藤現(プロデューサー)コメント
3年前に川尻監督の前作『ある日本の絵描き少年』を観て魂が震え、その瞬間から“川尻将由”という才能を世界に送り出すことが、僕のプロデューサーとしての目標となりました。日本映画に新たな潮流が生まれる瞬間を見届けてください。
岩井澤健治(アニメーション映画『音楽』監督)コメント
川尻監督作品からは商業ベースで作家主義を貫ける可能性を感じます。
新作が新しいアニメーション表現による映画体験になることを期待しています!
大九明子(映画監督)コメント
(『ある日本の絵描き少年』を観て)
しんじ君が公園で覆面を剥がした瞬間、私はとても悲しくなった。あの二人には幸福だらけでいてほしかったんだと思う。泣いたり笑ったりしっかりエンターテイメント。
それはまさに、映画でした。
足立紳(脚本家・映画監督・小説家)コメント
川尻将由監督の「ある日本の絵描き少年」を観たのは、昨年春の最初の緊急事態宣言のときだった。
好きな映画さえも見る気になれない、重い気持ちの日々だったから、20分という短い時間ならと思って見た。
一瞬のようにも、とてつもなく長くも感じた濃厚なその20分の間、現実を忘れ、終わった時には現実に立ち向かう力が漲っていた。家族全員に無理やり見せた。
その川尻監督が初めての長編映画を制作されるということで、きっと「ある日本の絵描き少年」を観た人たちは全員が楽しみにしていると思う。ご覧になっていないかたはユーチューブですぐ見られるので是非観て頂きたい。川尻監督の長編映画を絶対に観たくなると思います。
カズ・ワタナベ(ジャパン・カッツ 副ディレクター)コメント
川尻将由さんが新しいプロジェクトを準備していることを知り、とてもワクワクしています。私は、彼の短編映画『ある日大門本の絵描き少年』をとても好きです。アニメーション、映画制作、ストーリーテリングに対する彼の計り知れない創造性と才能を示している作品です。2019年にジャパン・カッツでこの作品を上映できたことをとても誇りに思います。彼が次に何をするのか、楽しみです。
ルパート・ボッテンベルク(ファンタジア国際映画祭「アクシス」部門(アニメーション)ディレクター)コメント
川尻将由監督の思慮深く革新的な短編映画『日本のある絵描き少年』を選んだことは、プログラマーとして最も満足のいく選択でした。この作品では、語り手の人間的な成長と主人公の創作が成熟していく様子が、非常に卓越した説得力のあるやり方で並行して描かれ、観客を予想外の感動的な結末へと導いてくれます。この有望な才能からもっともっと作品が生まれることを期待するばかりです。
アリエル・エステバン・ケイヤー(ファンタジア国際映画祭アジア・プログラミング共同ディレクター)コメント
コンセプチュアルな短編作品『ある日本の絵描き少年』の万華鏡のような多面的なアニメーション・スタイルを通してわかることは、川尻将由監督が、多様なスタイルや様々な時代のアニメをよく勉強していること、そして一人のアーティストの進化をよく見ていることです。そして彼自身が最も有望な若手作家の一人であることを証明しました。彼の今後の作品に期待したいと思います。その作品は、スタイル的にも、感情的にも、知的にも、野心的なものであるべきです。
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アニメ映画「CHERRY AND VIRGIN」来年公開、川尻将由が初の長編で商業デビュー(動画あり / コメントあり) https://t.co/zPeTITsym2