「鼻下長紳士回顧録」は、20世紀初頭のパリで、変態紳士たちが集う娼館「メゾン・クローズ」を舞台とした作品。2013年から2018年にかけてフィール・ヤング(祥伝社)にて連載され、単行本上下巻が発売されている。また第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門にて優秀賞を受賞した。
このミュージカルは、瀧内泉が代表を務めるメモワール・オブ・ジェントルメン有限責任事業組合によって企画されたもの。世界で活躍するトップクリエイターとともに、日本のコンテンツを原作として、英語によるミュージカルを企画開発・製作するプロジェクトだ。演出・振付はニューヨーク・ブロードウェイや、ロンドン・ウェストエンドで活躍するロブ・アシュフォードが担当。また総合プロデューサーに瀧内泉、瀧内をサポートするゼネラルマネージャーにデヴィン・クーデルが名を連ねた。
安野は「元々、自分が好きだった20世紀初頭のパリを舞台とし、日本で描いた作品が、アメリカでミュージカル劇となり、多くの人を魅了するかもしれないと思うと、改めてマンガというものの可能性に気づかされるとともに、少しだけ不思議な気持ちになります」とコメントを寄せた。舞台の詳細は続報を待とう。
安野モヨココメント
この度は、日本の漫画原作として、初めてのブロードウェイミュージカル化を目指すプロジェクトに、『鼻下長紳士回顧録』が選ばれ、大変光栄に思います。
元々、自分が好きだった20世紀初頭のパリを舞台とし、日本で描いた作品が、アメリカでミュージカル劇となり、多くの人を魅了するかもしれないと思うと、改めてマンガというものの可能性に気づかされるとともに、少しだけ不思議な気持ちになります。
作品の世界観がどのように現実化するのか、楽しみにしております。
ロブ・アシュフォードコメント
私は『鼻下長紳士回顧録』が大好きです。
この作品は、とにかく美しい。登場人物は力強く鮮やかで、ストーリーは驚きの連続です。主人公のコレットは、絶望的な現実をノートに記し、自分を救う物語として書き換え、自らを救おうとする。そこには「自分の人生は自分で切り開くしかない」という、現代において素晴らしい教訓があります。
この物語の時代や設定はとてもミュージカルに向いています。作品が持つ様々な魅力が合わさった結果、素晴らしいミュージカルになると確信しています。
私はかつて日本で仕事をした時、日本の風土、人々をはじめ、日本に恋をしました。
今回、日本の作品『鼻下長紳士回顧録』に関わることができ、心から誇らしく嬉しく思います。
ミュージカル「鼻下長紳士回顧録」プロジェクト
原作:
演出・振付:ロブ・アシュフォード
ゼネラルマネージャー:デヴィン・クーデル (Bespoke Theatricals)
プロデューサー:瀧内泉(メモワール・オブ・ジェントルメン有限責任事業組合)
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