昨日5月13日に東京・テアトル新宿で開催された映画「
真利子に「大好きなマンガ家とミュージシャンであり、かつて通ってきた道」と紹介された新井と向井。映画の主人公・芦原泰良を演じる柳楽のキャスティングは真利子が熱望したとのことで、その理由を「『誰も知らない』で
また本作の感想を聞かれた新井は「冒頭、泰良が街でケンカをして、のされて路上をのたうち回るシーンで、やけに体温が上がる感覚があった。映画化不可能と言われている『ザ・ワールド・イズ・マイン』の、トシ、モン、マリアがそのままそこにいる感じがしてうれしかった」と、率直に語る。新井からの賞賛に対し、真利子は「新井英樹というマンガ家の姿形を追い求めて20代前半を過ごした時期もあったので、観ていただけるだけで恐縮でした」と返す。また同じく新井に影響を受けているという向井も「マンガと映画と音楽はそれぞれまったく違うものだけど、要は”ほとばしり”を感じるか感じないか。表す側としてほとばしりを欲してるし、ほとばしりたいと思っている。みなさんその“ほとばしり”をやられている方だと思うので共感している」と語った。
ここでマンガと映画の表現の違いについて聞かれた新井は、「マンガを描いていると音がほしいと思う。のされてアスファルトの上を転がり回るっていう場面は、マンガでは何ページも描くわけにいかない。でも純粋に暴力がうれしくて楽しくて、それでしか生きる喜びを感じられないという主人公を、動く絵面で音も含めて表現できるのはすごくうらやましかった」とコメントする。続けて「初めて真利子に会ったとき『この映画はやり残したことをやってます』って伝えたんです」というエピソードを明かした。
イベントの後半、司会から「泰良とは何者か?」という質問が。新井は「俺の中で、泰良はある種憧れの人。勉強して何か物事を知る人より、何かを好きになる人のほうが幸せ、そしてそれよりも何かを楽しむ人が高次だと孔子が言ってたらしいんです。それを聞くと、泰良は喜びを欲して生きているので、自分もこんなふうに理屈を言わずに素直に喜ぶ当事者になりたい」と答えた。それを受け真利子は「本編の中で『泰良』って名前を呼ぶのは最後の警官だけで、それまでは名前が出てこないんです。観た人それぞれが泰良とは何かを考えてくれるように作ったので、どんな答えも間違いではないですね」と話した。
続いて向井によるミニライブコーナーへ。本作の主題歌「約束」と、「はあとぶれいく」を弾き語り、会場には大きな拍手の音が響き渡った。
ここで最後に、3人から観客へ向けて一言ずつ挨拶が。向井は「この映画に音楽として参加できてとても幸せです!」と、新井は「この映画が本当に大好きなので、ぜひ口コミで広めてください」とメッセージを送る。真利子は「やりたいことをやりたい人たちと作れて本当に幸せです。公開が楽しみです」とまとめ、イベントは終了した。
「ディストラクション・ベイビーズ」は、愛媛・松山を舞台に、通行人へ無差別な暴力を振るう“危険な遊び”に走る青年2人の姿を描いた作品。主人公の泰良を演じる柳楽優弥のほか、
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やっぱり。真利子哲也監督さすが同世代。
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