大今良時が「残るマンガを描いていきたい」と語る、手塚治虫文化賞贈呈式

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第19回手塚治虫文化賞の贈呈式が、本日5月22日に東京・浜離宮朝日ホールにて行われた。今年はマンガ大賞をほしよりこ「逢沢りく」、新生賞を大今良時、短編賞を吉田戦車、特別賞をみつはしちかこが受賞している。

大今良時

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式では来賓の手塚眞が祝辞を贈ったのち、選考委員の中条省平が選考の経過を報告。中条は「逢沢りく」のマンガ大賞受賞理由について「いままでのマンガにはない独特のやわらかいペンタッチは、人間に本来備わる曖昧な部分に呼応するところではないか。その革新性がマンガ大賞にふさわしいということで議論が一致を見ました」と説明する。これを受け「鉄腕アトム」のアトムを模したブロンズ像を受け取ったほしよりこは、「緊張してしまって何も言えなくて……。本当にありがとうございます」と謝辞を述べた。

「聲の形」で障害者といじめという重い題材から、力強い希望と再生の物語を紡ぎ出したとして新生賞に選出された大今良時は「この賞は私にとって大きなご褒美です」とコメント。また小学生時代に手塚治虫の「ブッダ」に感銘を受けたと語り、「手塚先生のように、亡くなったあとも(世の中に)残るマンガを描けるよう頑張っていきたいです」と続けた。

伊藤理佐(左)と吉田戦車。

伊藤理佐(左)と吉田戦車。

短編賞を受賞した吉田戦車は、画業をはじめて2015年で30周年。節目の年の受賞に対し「マンガ家になってから何度も思うことですが、昔の自分に今の状況を教えてあげたいと今回ほど強く感じたことはないです」と感無量の面持ちで話した。「小さな恋のものがたり」を半世紀以上にわたり描き続け、完結させた業績を讃えられたみつはしちかこは「はじめて『小さな恋のものがたり』を見ていただいたのは手塚治虫先生でした。そのとき手塚先生に褒められたことを勇気と元気にして、出版社に持ち込んで」と手塚との思い出を回想。また「この賞をもらってお礼を言いたい方がいます。これまで編集してくださった山崎園子さん、ありがとうございました」と、長きに渡って苦楽を共にした担当編集者への思いを語った。

授賞式後には吉田戦車と、第10回の手塚治虫文化賞短編賞を受賞した伊藤理佐の、夫妻によるトークショーも実施。手塚作品にまつわる2人の思い出から、短編賞受賞の第一報を受けた際の吉田の反応など夫婦ならではのエピソードまでを披露した。

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