勅使川原三郎“究極のダンス”「ABSOLUTE ZERO」が再び

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勅使川原三郎「ABSOLUTE ZERO 絶対零度 2017」が昨日6月1日に開幕した。

「ABSOLUTE ZERO 絶対零度 2017」より。(c)Akihito Abe

「ABSOLUTE ZERO 絶対零度 2017」より。(c)Akihito Abe

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“絶対零度”、摂氏マイナス273℃の到達不可能な完全停止状態(エントロピー0)をタイトルに掲げる本作は、世田谷パブリックシアターの開場を飾ったオープニングシリーズの1つとして1998年に初演された。好評を得て、翌年に再演。その後世界各国で上演を重ね、2015年には勅使川原率いるKARASの「アップデイトダンス」シリーズとして再編成版が誕生した。今回は、世田谷パブリックシアターの開場20周年記念プログラムとして初演から19年ぶりに同劇場で上演される。

「ABSOLUTE ZERO 絶対零度 2017」より。(c)Akihito Abe

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本作は3つのパートから成る。まずは冒頭、黒の衣装に身を包んだ勅使川原と佐東利穂子が、高速かつ直線的な動きを繰り広げる。舞台の闇に、斜めから切り込む白い照明。モノトーンの世界観がシャープな印象を与える。やがてバックスクリーンに無数の人影が高速で流れる映像が映し出されるなか、2人はそれとは対照的に、ゆっくりと舞台を歩いていく。

「ABSOLUTE ZERO 絶対零度 2017」より。(c)Akihito Abe

「ABSOLUTE ZERO 絶対零度 2017」より。(c)Akihito Abe[拡大]

続けて、舞台上に掲げられた写真と勅使川原がともに踊るシーン。時空間を切り取る芸術である写真と、一瞬たりとも止まらず空間を斬り続ける勅使川原の動きは、時という概念を押し広げながら対立し、共鳴し合う。

ラストは、青のバックスクリーンが印象深い、勅使川原のソロ。勅使川原は、舞台に流れる音や風を捕まえようとするかのような軽やかな動きを見せたかと思うと、ピタッと数秒間にわたって動きを停止し、驚異的な身体能力を見せつける。「究極のダンス」というキャッチコピーそのままに、鍛錬を重ねた勅使川原の身体でなければ表現できないシーンの連続に、観客は幕が降りてもなお拍手を送り続け、カーテンコールは幾度も行われた。公演は4日まで。

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世田谷パブリックシアター開場20周年記念公演 勅使川原三郎「ABSOLUTE ZERO 絶対零度 2017」

2017年6月1日(木)~4日(日)
東京都 世田谷パブリックシアター

構成・振付・美術・照明:勅使川原三郎
出演:勅使川原三郎、佐東利穂子

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