[槇原敬之] 松本零士氏とのいざこざが法廷に

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槇原敬之が漫画家の松本零士氏を相手取り、「パクリの証拠」の提出を求める裁判を東京地裁に起こしていることが23日、明らかになった。

松本氏が問題にした「約束の場所」。槇原側は松本氏が著作権侵害の証拠を示せなかった場合、2200万円の損害賠償請求を求めるとしている。

松本氏が問題にした「約束の場所」。槇原側は松本氏が著作権侵害の証拠を示せなかった場合、2200万円の損害賠償請求を求めるとしている。

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そもそもこのトラブルは、昨年10月「銀河鉄道999」などのマンガで知られる漫画家松本零士氏が、槇原敬之に対して「自分のマンガのセリフを歌詞に盗用された」と抗議したことに端を発する。 「銀河鉄道999」 内で星野鉄郎のセリフとして語られる「時間は夢を裏切らない 夢も時間を裏切ってはならない」 という部分が、昨年発売された槇原が作詞作曲したCHEMISTRYの「約束の場所」の歌詞の一部「夢は時間を裏切らない 時間も夢を決して裏切らない」という部分に酷似しているとして、松本氏が槇原側に謝罪を求めた。

これを受け、槇原側の主張は二転三転した。報道によれば、当初は「ぜんぜん知らなかった」と答えていた槇原だがその後「どこかで聞いたかもしれない」と説明が変化。その後レコード会社幹部が松本氏のところに謝罪に訪れたそうだが、11月に入り事態が急変。槇原が自身のウェブサイトで「『銀河鉄道999』を一度も読んだことがなく、歌詞は自分のオリジナルである」と反論し、法廷での決着を匂わせるコメントを発表した。今回の提訴はこうした一連の流れが背景にあるとみられる。

裁判の争点は「銀河鉄道999」に対して「約束の場所」の歌詞が「盗作」に当たるかという部分。槇原側は「著作権侵害不存在確認等請求」という形で提訴しており、これは松本氏側が著作権侵害だと主張して争うならば、どこの部分が著作権侵害に当たるのか主張して立証せよ、という形になっていると予想される。

気になる裁判の行方だが、弁護士の山口貴士氏はこの騒動が起きた昨年10月に、自身のブログで「結論から言うと、『盗作』(著作権侵害の意味で使っています)にはあたらないと思います。記事を見る限りでは、松本零士先生側の分が悪いでしょう」と独自の見解を表明している。このように短いフレーズの著作権侵害が問題になったケースとして、すでに「チャイルドシート事件判決」という判例が存在し、短いフレーズで似たものであっても「実質的に同一のものということはできない」という判断が示されているそうだ(同事件の詳細については関連リンク内の虎ノ門総合法律事務所・判例批評「交通標語の著作物性と著作権侵害」も参照のこと)。

第1回口頭弁論は3月28日(水)午後1時30分から東京地裁526法廷で行われる(事件番号:平成19年(ワ)第4156号)。当初は「抗議」だけで終わるはずだったこの問題、当事者二人の問題にはとどまらず、音楽業界と出版業界を巻き込んで泥沼化することは避けられないようだ。

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読者の反応

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shika @hoshiwotukuru8

[槇原敬之] 松本零士氏とのいざこざが法廷に
https://t.co/EIJuikmuzg
からヤマベン先生ブログなどを読みました。

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