アンスリュームのニューシングル「恋のお注射」がリリースされた。
「興奮と昂揚をアナタに。」をコンセプトに2019年に結成されたアイドルグループ・アンスリューム。2023年12月にメンバー2名の活動終了が発表され、一時は4人でライブをこなしていた彼女たちだが、今年1月に伊藤詩乃、4月に朝日奈まみ、紫音にーなという個性的な新メンバーを迎え、7人体制のグループに生まれ変わった。
ニューシングルにはアンスリュームらしいポップな曲調、キャッチーな振付が印象的な「恋のお注射」、“ラジオ番組を乗っ取る”というコンセプトで作られた挑戦的なナンバー「でんぱはっく・れでぃお」、恋心あふれるハッピーなラブソング「Win!うぃんたー!」を収録。どの曲もアンスリュームの既存の世界観に新たなエッセンスを加えている。音楽ナタリーでは新体制になったばかりのアンスリュームにインタビューし、新曲の注目ポイントや新メンバーの魅力、今後の展望を聞いた。
取材・文 / 川崎龍也撮影 / 藤木裕之
新体制に対しての不安はなかった
──アンスリュームは昨年末にメンバー2名が活動を終了するも、年が明けてすぐに新体制での活動をスタートさせました。まずは初期メンバーである月埜さんとちぎらさんから、そのときの心境を聞かせてください。
月埜ヒスイ メンバーとしてはやけくそになっていて(笑)。1周回って逆にすごくやる気がありました。もちろん年末は少し落ち込んだりもしたんですけど、年が明けてすぐ詩乃ちゃんのお披露目ライブがあったので、もうやるしかないという気持ちでしたね。スタッフさんよりも、メンバーのほうがやる気で満ちあふれていました。
ちぎら スタッフのほうがひよってたよね(笑)。
──YouTubeに投稿されたお二人の対談動画の中でも、メンバーよりもスタッフのほうが弱気で……みたいな話が出ていましたね。
月埜 はい(笑)。一時的に4人でライブをしたんですけど、その人数になっても現場に来てくれるお客さんをどう楽しませるか、どうすれば見栄えが落ちないようするかを考えて、いろんなアイデアを出したんです。でもスタッフさんは「本当にいける……?」みたいなことを言っていて、「うるさい!」と返しておきました(笑)。
──メンバーとしては、アンスリュームの現状や行く末についてそこまで不安視はしていなかったと。
月埜 そうですね。メンバーが減った直後は不安でしたけど、4人で活動してみたら案外大丈夫でした。
──アンスリュームはこれまでも体制の変化を経験してきたと思うのですが、その都度どのような気持ちで活動に向き合ってきたのでしょうか?
月埜 向き合うというか、経験しすぎてもう慣れちゃいました(笑)。
ちぎら とにかくやるしかないと思っているので、悩んでいる暇があるなら前に進んだほうがいいんですよ。
月埜 でも、2022年にもなちゃん(もなかこゆ)が入ってきたときは、初めての体制変更だったので少し不安でしたね。初期メンバーで活動していた時期も長かったですし、そのときは準備が間に合わなくてパフォーマンスが完成しないままステージに立ったんですよ。その後も何度か体制が変わったんですけど、回数を経てあまり動揺しなくなりました。
──今年1月に伊藤さんが加入したのち、4月3日には朝日奈さんと紫音さんのお披露目公演が行われました。レッスンなどで7人が初めて集まったのはいつ頃だったんですか?
月埜 3月頭頃だったと思います。
──この取材時点ではそれから約1カ月が経っていますが、新メンバーの皆さんはグループに馴染めていますか?
ジョウナイシ鳴 詩乃ちゃんは「最初からいた?」って思うくらいすごくしゃべりやすいです。
もなかこゆ 確かに新メンバーの中で一番しゃべっているイメージがあります。
伊藤詩乃 そんなことないでしょ(笑)。
──伊藤さんはどういう経緯でアンスリュームに加入したんですか?
伊藤 私は「もうアイドルにはならない」と固く決意して前のグループを卒業したんですけど、SNSを眺めているうちに「もう一度アイドル活動をしたい」と思ってしまって。そのタイミングでアンスリューム加入のお話をいただきました。またアイドルをやるならアンスリュームがいいと思っていたので、すごくうれしかったですね。
ジョウナイシ それ本当の話? 作ってない?(笑)
伊藤 本当!(笑) 親にもずっと言ってたから。
──なぜアンスリュームだったんですか?
伊藤 アンスリュームはメンバー1人ひとりの個性が前面に出ているグループで、前に所属していたグループで対バンしたときからすごく憧れていました。
──朝日奈さんと紫音さんが加入した経緯は?
朝日奈まみ 私もアイドル活動の経験があるんですけど、アイドルとして叶えたい夢がいくつかあって……これまでその夢を叶えられずにずっと活動してきたんです。もう叶えるのは無理なのかもしれないとあきらかけていた中、知り合いの方を通じて今の事務所の社長さんから声をかけていただきました。社長さんと話していく中で、アンスリュームなら自分の夢が叶えられるかもしれないと思ったのが大きかったです。
紫音にーな 私は前のグループから移籍という形でアンスリュームに入りました。前のグループはご当地アイドルという感じで、地域のお祭りや街の小さなイベントに出演することが多くて。もちろんそういう活動も好きだったし楽しかったんですけど、アイドルとしてもっとたくさんの人と関わって大きなステージに立ちたいと思い、アンスリュームに加入することを決めました。
最初の挨拶からみんなに引かれてた
──ここで新メンバー3人のキャラクターや魅力を、先輩メンバーの皆さんから紹介していただけますか? まずは伊藤さんについて。月埜さんとちぎらさんの対談動画の中では「ヤバいやつ」という話も出ていました。
伊藤 そうなんですよ。「ヤバい」という言葉しか出てきてなかった(笑)。
月埜 これまでアンスリュームにいないタイプだったからヤバいなと思ったんですけど、そもそも今まで生きてきて詩乃ちゃんみたいなタイプに会ったことがないんですよ。細かく言うときりがないんですけど、とりあえず声が大きくて、独り言なのかこっちに話しかけているのかわからない。初めて会ったときに「このパン食べたーい!」って大声で言われたときはドン引きしました(笑)。
伊藤 最初の挨拶のときからみんなに引かれてましたね。
もなか みんな無視してた(笑)。
月埜 マシンガンみたいにずっとしゃべってたし。
ジョウナイシ みんなは無視してたけど、鳴はバカにして笑ってた(笑)
ちぎら 私たちが距離を置いていることに気付いていなかったのか、それともただメンタルがめちゃくちゃ強いのか(笑)。とにかくすごかったです。
もなか 陰キャの中にいきなり陽キャが入ってきた感じだったよね。無視されていたことについてはどう思ってたの?
伊藤 なんかそういう子たちなんだなって思ってた(笑)。
月埜 でも、まみちゃんとにーなちゃんが入ってきてくれて、詩乃ちゃんがようやくグループに馴染んできた気がします。
ちぎら もうすでに先輩感出してるよね。
──伊藤さんはメンバーが引いてることに気付いたうえでガツガツしゃべってたんですか?
伊藤 もちろん気付いてたんですけど、プロデューサーさんから「グイグイいったほうがいいよ」と言われていたので、積極的に話しかけていました。
もなか でも逆にそれがよかったのかも。
月埜 今は1周回って面白いよね(笑)。
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