竹内アンナ×竹内朱莉インタビュー|入れ替わりたいほどリスペクトし合う竹内コンビ

竹内アンナの最新アルバム「DRAMAS」が話題を集めている。中でも、幸福感あふれるリード曲「最幸のふたり」はradikoの週間楽曲ランキングで2位、Billboard JAPANの総合ソングチャート「Hot 100」のラジオ指標で3位、J-WAVE「TOKIO HOT 100 Chart」で5位となり、チャートアクションにもその注目度が反映されている状況だ。

音楽ナタリーでは「DRAMAS」の発売を記念して、プライベートで交流のある竹内アンナと竹内朱莉にインタビュー。「入れ替わってみたい」と話すほど互いを尊敬してやまない竹内コンビに、仲よくなったきっかけやそれぞれの魅力を語ってもらった。さらに竹内朱莉には「DRAMAS」の聴きどころを聞いた。

取材・文 / 西廣智一撮影 / はぎひさこ

「みんなを元気にしてくれる人」「恥ずっ!(笑)」

──そもそもお二人はどういうきっかけで知り合ったんですか?

竹内朱莉 私がレギュラーでやらせていただいているラジオ番組(ラジオ日本「60TRY部(ロクマルトライブ)」)にアンナちゃんがゲストで来てくれて、そこで仲よくなったんです。音楽とかサウナとか、いろいろ好きなものも似ていたので、プライベートでもお会いしてみたいなと思って、一緒にごはんに行きました。

竹内アンナ そのラジオ番組に出演させていただいたときに朱莉ちゃんはいっぱい話を聞いてくれて。しかも、お互いTWICEが好きで、推しの話で盛り上がったんです(笑)。それでフィーリングが合うなと思って、もっと仲よくなりたいと思いました。

左から竹内アンナ、竹内朱莉。

左から竹内アンナ、竹内朱莉。

朱莉 そういう軽い話題から始まり、「じゃあ遊ぼう!」みたいな感じで連絡先を交換して交流が始まりました。

アンナ それが去年の8月くらいだっけ?(竹内アンナは2023年8月23日放送回に出演)

朱莉 まだ1年も経ってないよね。仲よくなってホヤホヤですけど(笑)、アンナちゃんとはいい意味で全然気を使わないでいられる間柄。最初から落ち着く存在で、一緒にいて変に緊張もしないし。

アンナ 私はもともと、自分の周りにアンジュルムが好きな方がたくさんいたんです。もちろん朱莉ちゃんの話も聞いていて、朱莉ちゃんのラジオに出させてもらうと決まったときも「朱莉ちゃんはとにかく元気で素敵な人だから」と聞いていて、実際お会いしても本当にその通りで。一緒にいると元気が出るし、モヤモヤしていたものをカラッと晴らしてくれる、みんなを元気にしてくれる人だなと思いました。

朱莉 ありがとうございます。恥ずっ!(笑)

──話してみて、お互い似ているところはありましたか?

アンナ 音楽の話は意外としなくて、「最近こんなことしてるんだ」とか、「こういう料理を作ったんだ」とか“普通の話”をずっとしているから、生活感とかは似てるのかな。

朱莉 「一緒に旅行に行こうね」とかね。次のミッションはドライブなんですよ。

アンナ そうそう。「今度はこれやりたいね」「あ、私もやりたい!」みたいな。

竹内アンナ

竹内アンナ

朱莉 だから前もって何かを決めるというよりは、その場で「じゃあ次はここに行こう!」って感じになることが多いです。意外とここまで趣味が合う人ってそんなにいないから、助かってます(笑)。

アンナ でも、ちゃんと遊んだのってまだ2回ぐらいだよね。

朱莉 そう。でも、1回の時間が長いんです(笑)。なのに、あっという間に時間が過ぎて、「何をそんなに長いこと話してたんだろう」と思い出せないぐらい、しゃべる話題も尽きず。一緒にいて楽ですね。

アンナ 同世代にそういう子がいるのもすごくうれしいです。お互い、無言になることがないくらい、どちらかがずっとしゃべっているし。

朱莉 サウナのときぐらいだよね、無言になるのって(笑)。

慎重派と適当派

──では、自分にはない「素敵だな、魅力的だな」と感じる部分は?

朱莉 それこそ、1人で海外に行ったという話を聞いて、私には絶対にできないことなので、その行動力はうらやましいなと思いました。

アンナ えーっ、絶対にできそうだけどな。

朱莉 まず入国審査で引っかかりそう(笑)。

アンナ めったに引っかからないよ(笑)。でも、朱莉ちゃんもフットワークが軽いから、絶対に1人で行けるって。

朱莉 英語はしゃべれないけど、ノリで行けるかな? 先日、アンナちゃんのライブに行ったんですけど、すっごい英語がペラペラだったから「アンナちゃんと一緒に行けば大丈夫だ」と思って。そのとき、一方的に「よし、一緒に海外に行こう!」と決めました(笑)。

竹内朱莉

竹内朱莉

アンナ 今初めて聞いたよ(笑)。でも行きたいね。逆に私は、すごい準備をする派なんですけど、朱莉ちゃんはノリで行けちゃうタイプなんだろうなと思います。コミュニケーション能力も私より高いし、その勢いのよさはうらやましいですね。

朱莉 慎重派と適当派で、一緒に行ったらバランスがちょうどいいかもしれないね(笑)。

アンナ 弾丸でもいいから行こうよ!

──この取材のあと、アンナさんは再び「60TRY部」で朱莉さんと共演します(※2024年3月27日放送)。

アンナ 1回限りじゃなくて、新しい曲と一緒に番組に帰ってこられるのはすごくありがたいです。

朱莉 しかも、前回は初対面だったけど、今回は仲よくなってからなので、また全然違う感じになるんじゃないかと思って、すごく楽しみです。

アンナ 友達がパーソナリティのラジオ番組って不思議ですよね。この関係性じゃないと話せないこともたくさんあると思うので、そこも楽しみで。友達がゲストっていうのもあまりないでしょ?

朱莉 ないない! だから、ちょっとたどたどしくなる可能性もあるかもね(笑)。

本当にカッコいいし歌が上手だしキラキラしてる

──先ほどお話もありましたが、朱莉さんはアンナさんのBillboard Live YOKOHAMA公演を観に行ったそうですね(参照:竹内アンナ初のビルボードツアー、思い出のステージでパジャ海と“カッコいいライブ”)。

朱莉 はい。まず会場に入った瞬間から「こんなおしゃれなところでライブするの?」とびっくりして。で、いざ始まると本当にカッコいいし歌が上手だし、あの雰囲気のライブは私には絶対にできないと思うくらいキラキラしてました。しかも、ごはんを食べながら観られるシチュエーションも素敵で、アンナちゃんの歌声も本当に心地よくて。自分とは正反対すぎて、「こういうライブをやれたらいいな」と思うくらい、私にはないものを全部持ってるなと感じました。

アンナ そんなことないって(笑)。

──逆にアンナさんは、アンジュルム時代の朱莉さんのステージを観たことは?

アンナ 私が仲よくなったのがアンジュルム卒業後だったので、生でステージを観たことはなかったんですけど、映像は周りのアンジュルム好きの方からたくさんオススメされてました(笑)。この取材も、朱莉ちゃんがグループにいた時代の推し曲リストをもらってから臨んでるんですよ。

竹内アンナ

竹内アンナ

朱莉 えっ、その内容すごく気になる!

アンナ もちろん観たことある映像もあったし、初めて観るものもあったんだけど、やっぱり私からすると「なんであんなに激しいダンスをしながらパワフルに歌えるんだろう?」と衝撃的で。そのまま返すようだけど、私にできないことを朱莉ちゃんは全部やれるんですよ。ライブは観れてないんですけど、朱莉ちゃんの書道展には行かせてもらっていて。アイドル時代とはまた違う一面があって、そういう表現の場所をいっぱい持っていることがすごいなと思うんです。一緒に初めて遊びに行った頃もちょうど書道展の準備をしていて、「今日も書いてから来たんだ」って話していたけど、その書き溜めていた作品を生で目にして、「文字ってこんなにパワーがあるんだ!」とびっくりしたんです。それこそ、今は手紙の代わりに全部ケータイで済ませちゃうことが多いから気付かないけど、実際に筆で書いた文字を見ると動き出しそうだと感じて。すごく覚えているのが、大きい「龍」っていう字。飛んできそうなくらいの迫力で、改めてアーティストだなって思いました。

朱莉 私はギターも弾けないし自分で曲を作ることもできないし、今まではできあがった曲をいただいて、それを表現する形だったので、「どうやって曲を作るの?」って感じだよ。自分で作り出したものをファンの方に届けることはまた全然感覚が違うだろうなと思うので、本当に尊敬します。

竹内朱莉

竹内朱莉

旅行に行かなくちゃ!

──アンナさんは1年前の音楽ナタリーでの特集で、書道をしていましたよね(参照:デビュー5周年イヤーの竹内アンナが「at FIVE」で示した自己肯定感、アコギの可能性)。

アンナ そうでした。デビュー5周年で5つの目標を書道で書いたんだけど、「漢検を受ける」と言っておきながら漢字を間違えたの(笑)。

朱莉 そうだったんだ(笑)。

アンナ そのときがひさしぶりの書道で、墨の匂いを感じて懐かしい気持ちになったなあ。

朱莉 そういうことでもないと、なかなかやらないもんね。

アンナ 朱莉ちゃんはたくさんの字を書いてると思うけど、何を基準に言葉を選んでいるのかが気になって。私も言葉を扱う職業だから、日々いろいろ言葉を探して「こんなシチュエーションに一番合うのはこの言葉かな?」と考えながら選んでいるけど、選ぶ基準はあるの?

朱莉 基本的には好きな言葉、書きたい言葉をひたすら書いてる。でも、それだけだと物足りないから、書道のいろんな書き方や文字が載っている図鑑を見て参考にしたり、あとはシンプルにカッコいい言葉とか前向きになれる言葉を調べたり。

アンナ 私もそうやって調べたことある。

朱莉 で、気に入ったやつをバンバン書いて。基本そういうことが多いかな。ほかにも、旅行をするとインスピレーションがどんどん湧いてきたり。旅先で「これ書いてみたい!」と思うこともあるし、写真を撮り溜めてあとで見直して「この写真に合う言葉はこれだな」って感じて書くことも多いから、最近は旅に出ないとネタが尽きるの(笑)。定期的にどこかに行って感情を動かさないと、切羽詰まることも増えてるかな。

左から竹内アンナ、竹内朱莉。

左から竹内アンナ、竹内朱莉。

アンナ 今回の書道展のためにどこか行ったの?

朱莉 東京の個展ときは全然時間がなくて、初めて「何も出ない!」ってなったの。今回は心細かったのか細々しい作品もあったりして。

アンナ そのときの心情が文字にも出るんだ。ほかの個展とは違うテイストになったんだね。

朱莉 自分はどこかに行かないとスラスラ書けないんだと気付けたので、頻繁にいろんな場所に行くようにしてるよ。

アンナ じゃあ、ますます旅行に行かなくちゃ!

朱莉 1週間ぐらい空けておいてね(笑)。

アンナ 私もインプットは部屋の中だけではできないから、旅行に出かけたり人に会いに行ったりすることを大事にしていて。特に自分の場合、人とのコミュニケーションから生まれる曲が多くて、その人が何気なく言ったひと言が自分の中に残って、それをあとで曲にすることもあるし。

朱莉 これは早急に旅行に行かないと(笑)。

アンナ (スタッフに向けて)あくまで仕事のためですからね!(笑)

朱莉 そうです、お互いの今後のために(笑)。