aiko初たまアリでツアー完遂、光の魔法に彩られた3時間

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昨日2月24日、aikoがアリーナツアー「Love Like Pop vol.15 add.」の最終公演を自身初となる埼玉・さいたまスーパーアリーナにて開催した。

センターステージでのパフォーマンスは、ドットイメージという新演出を取り入れて幻想的に展開された。(写真は1月19日に神奈川・横浜アリーナで行われた初日公演の模様)

センターステージでのパフォーマンスは、ドットイメージという新演出を取り入れて幻想的に展開された。(写真は1月19日に神奈川・横浜アリーナで行われた初日公演の模様)

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「相合傘」でスタンドマイクを使用して情感たっぷりに歌うaiko。(写真は1月19日に神奈川・横浜アリーナで行われた初日公演の模様)

「相合傘」でスタンドマイクを使用して情感たっぷりに歌うaiko。(写真は1月19日に神奈川・横浜アリーナで行われた初日公演の模様)

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中盤ではバンドセットもセンターステージに移動。(写真は1月19日に神奈川・横浜アリーナで行われた初日公演の模様)

中盤ではバンドセットもセンターステージに移動。(写真は1月19日に神奈川・横浜アリーナで行われた初日公演の模様)

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ライブの始まりは、オーケストラアレンジの「雨は止む」に乗せて、ホールツアー「Love Like Pop vol.15」と同様、ステージを覆う赤い幕にツアーのロゴが映し出されるという演出。この後、幕の奥に立つaikoのシルエットが浮かび上がり、彼女は「♪きっと飛べると思うんだ」という「ジェット」のサビを高らかに歌い出した。

大歓声がこだまする中、爆発をきっかけに幕が落ちると、観客全員に無料配布されたLED内蔵リストバンド・XYLOBAND(ザイロバンド)も点灯。「ジェット」に続いて「白い道」「猫」「Power of Love」とロック色の強いアッパーチューンが休む間もなく届けられ、観客は喜びを全身で表現するかのように飛び跳ねる。aikoもそれを凌駕するほどのパワフルなステージングを冒頭から展開する。

4曲終えたところでaikoは「『Love Like Pop vol.15』追加公演最終日! 皆さんこんばんは、aikoです! 男子ー! 女子ー! そうでない人ー! 全員!!」という言葉から最初のMCへ。この日は「最終日っていう噂です(笑)。毎回ライブは1回1回が初日で最終日という気持ちで挑んでるんですけど、本当にこのセットリストでやるのが最後なんだと思うとすごく緊張して、ドキドキして、寂しいね」と話し、「みんなの心の中に残るようにいろんな曲をやろうと思います。みんなの力がないとこのライブは成立しないので、ぜひとも力を貸してください。よろしくお願いします!」とバンドメンバーもそろって全員で深いお辞儀をした。

次なるパートはミドルテンポのナンバーが中心。緑、赤、白のシンプルな単色ライトを使ってアリーナならではのダイナミックなライティングで魅せた「より道」、甘酸っぱい曲の雰囲気にふさわしくピンク色の照明が灯された「ココア」、テンポに合わせた変則的な手拍子も楽しい「恋のスーパーボール」、ステージ上のaikoの顔がスクリーンに投影される演出が始まった「くちびる」と、曲を重ねるごとに客席とaikoの心の距離は縮まっていった。

続いて「歌えば歌うほど育っていく感じがする1曲。私はいつも詞から書くんですけど、この言葉を書けてすごくよかったなと思っている曲です」と解説して歌ったのは、最新アルバム「時のシルエット」の1曲目に収録されている「Aka」。愛する人と2人だけの濃密な世界を歌ったこの曲で、ステージ上に弦楽器隊も出現。赤い電飾のカーテンがステージ左右の背面を覆い尽くし、ザイロバンドも赤のみが点灯するなど、場内はタイトルどおり赤一色に染まりライブ前半のハイライトとなった。

中盤は、衣装を替えたaikoがバンドごとセンターステージに移動して、ジャジーなフェイクが堪能できる「傷跡」、インディーズ時代から大切に歌い続けている「二時頃」をパフォーマンス。ここではまた新たな演出として、天井から吊るされたLEDがコンピュータ制御でさまざまな色や動きを見せる照明技術・ドットイメージが登場した。オーディエンスは、ふわふわと舞う光の粒と柔らかい表情で空を仰ぎながら歌うaikoを見つめて楽曲の世界に誘われていた。

MCでは「アホなことできるようになったのもみんなのおかげだと思ってます」との言葉を皮切りに、下ネタ混じりの“ピンクトーク”でaikoは何度も爆笑を巻き起こす。そんなムードの中、屈指の人気バラード「カブトムシ」を歌い始めると、彼女は持ち前の集中力の高さを見せつけ、場内を一気に感動的な空気に染め上げた。

「ぬけがら」を歌いつつメインステージに戻ったあと、aikoが「男子! 女子! そうでない人! バンド! サイドスタッフ! 照明! PA席! 警備のお兄さん! もっともっと楽しんで汗かいて帰ってください! よろしくー!!」と叫べば、怒涛のラストパート突入の合図。「運命」では往復128メートルの花道を全力疾走し最後方のファンをも沸かせる。「相合傘」では色とりどりのレーザー光線が飛び交う中、この曲おなじみのタンバリンを手にクールかつ色っぽい歌声を響かせる。目まぐるしく多彩な魅力を放つaikoに、観客の目線は釘付けとなっていた。

そして「be master of life」の間奏でaikoライブ恒例のバンドメンバー紹介を挟みつつ、曲を再開するとアリーナに金テープが噴射される。本編最後の曲となった「クラスメイト」では、金テープが反射する光とすべて点灯したザイロバンドで客席も光り輝き、締めにふさわしい華やかな光景が広がった。

アンコール1曲目の「自転車」は、aikoのキーボード弾き語りからスタートし、2コーラス目からバンドとストリングスが加わる形で演奏。万感のパフォーマンスを受けて場内全体が大きな感動に包まれる中、aikoは「Love Like Pop vol.15」全体を振り返り始めた。

「去年の7月からスタートして8カ月弱ツアーを続けて、追加公演まで来れました。毎回毎回ライブをするたびに会場に来てくれた1人ひとりの皆さんからいろんな思いをもらって、がんばろうって本当に思った。だから私も、みんなに楽しい気持ちを持って帰ってほしいと思ってこのツアーをやってきました。本当に皆さん、一緒に作ってくれてどうもありがとうございました」と話す彼女に、温かい拍手が送られる。そして「これからも一緒に歳を重ねて、くれぐれも元気で。またみんなで一緒に楽しい時間を過ごしましょう」と結び、次の曲について「またこの季節がやってきました。来年も再来年もこの曲が歌えますように」と前置きして「桜の時」を披露した。

おしまいに「beat」でもう一度盛り上がり、aikoはバンドメンバーと手をつないで礼をする。その際、生声で放った「皆さん、本当に今日は最後までありがとうございました! 『Love Like Pop vol.15』追加公演最終日、みんなと一緒に過ごせてすごくよかったです! また遊んでやってください! お願いします!」という言葉は会場の隅々にまで響き渡り、盛大な歓声が上がる。

その後aikoのみがステージに残り、彼女は名残惜しそうに花道を歩きながらファンへのメッセージを即興で歌にして届ける。その中で「♪新しい明日に繋がる想い『今日も大好きでした』」とアカペラで歌ったフレーズが、最終日だけのおまけの1曲「シアワセ」につながった。一度は去ったはずのバンドメンバーも再登場し、場内はこの上ない多幸感に包まれる。全22曲を熱唱しツアーを完走したaikoは、ステージを去る前に「また必ず会えますように。15周年もがんばります! ありがとうございました! aikoでした!」と笑顔で手を振った。

なおaikoは、このライブ中に「Love Like Rock vol.5」「Love Like Aloha vol.4」「Love Like Pop vol.15 add.」の映像をコンパイルした3枚組DVDボックスを今春リリースすると発表。こちらの詳細は近日明らかになるので楽しみにしておこう。

Love Like Pop vol.15 add.
2013年2月24日 さいたまスーパーアリーナ セットリスト

01. ジェット
02. 白い道
03. 猫
04. Power of Love
05. より道
06. ココア
07. 恋のスーパーボール
08. くちびる
09. Aka
10. 傷跡
11. 二時頃
12. カブトムシ
13. ぬけがら
14. 運命
15. 相合傘
16. キスする前に
17. be master of life
18. クラスメイト
<アンコール>
19. 自転車
20. 桜の時
21. beat
22. シアワセ

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