2日目となった15日の公演は、喜矢武豊(Gita-)の物真似を交えた前説からスタート。「武道館内にはスナイパーがいるから」と違反行為を抑制する注意事項を読み上げたり、「21日の大阪公演が終わるまでネタバレ禁止!」とファンに呼びかけたりするも、自らも吹き出してしまうグダグダな前説に観客も笑いを隠せない模様。最後はマナーを誓う守る誓いの言葉として「私は、僕は、喜矢武さんを愛してます!」と叫ばせ、ライブ本編へとつなげた。
しかし、そのままメンバーが登場し1曲目へ、とライブが始まらないのがゴールデンボンバーらしいところ。まずは鬼龍院翔(Vo-karu)演じる「山田馬鹿」と名付けられた青年の悲劇的な人生を描いたドラマがスクリーンで上映され、オーディエンスを惹き付けていく。そして「もうこんな人生終わらせてやる」という台詞とともに青年が飛び降りるシーンが映し出され、同時に武道館の天井から鬼龍院と思われる人形が落下。ショッキングな展開に悲鳴が上がる中、本物の鬼龍院がステージ下から飛び出し、喜矢武、歌広場淳(Be-su)、樽美酒研二(Doramu)のエアプレイにあわせて「Sick Lady…たぶん」を歌い始めた。
4人を待ちわびていた8000人は、1曲目からエンジン全開で咲き乱れ、鬼龍院の「ライブハウス武道館にお越しのV系好きの人たち、頭振り回せ!」という煽りからヘッドバンギングを繰り返す。2曲目の「ギーガー!」では盛大な「ギガギガ」コールが響きわたり、早くも会場内が一体化で包まれた。
「ありがとうございます! ついに演奏しないバンドが武道館2DAYSをソールドアウトさせました!」と鬼龍院が叫び、そのまま1回目のMCに。「今日という日は、4月からの教科書に載ると思います。歴史的瞬間です!」と感無量の表情を浮かべ、メンバーに自己紹介を促す。すると歌広場は「このステージに立ったってことは、ゴールデンボンバーも大物アーティストの仲間入りしたってことですよね。大物になったからには調子に乗りっぱなしになっちゃおうかな」と笑い、樽美酒は気合のほどを伺わせつつ「今日はやれそうな気がするんだよ。仙台貨物さんみたいに出禁になりたいんだよ! 出すもの出して、出禁になりたい!」と意味深発言。喜矢武は「ダンボール工作が武道館では禁止されてて。でもダンボールがなくてもゴールデンボンバーはライブができることを証明します!」と口にした。そんなメンバーの発言を受けて鬼龍院は、「今日が最後かもしれないんで、皆さん目に焼き付けてください!」と念を押した。
含みのあるMCに続いた「抱きしめてシュヴァルツ」では、喜矢武が「これからは金属だ!」と武道館対策のために取得した溶接資格を駆使して工作を始め、一方で樽美酒が勢いよく衣装を脱ぎ始める。そして全裸のように見える樽美酒がステージを一瞬かすめると、その瞬間に金テープが発射され、「研二、今までありがとう!」の文字がスクリーンに。さらに歌広場が、万札とシャンパンのボトルを手にステージを練り歩いている瞬間に“落ちる”という場面が繰り広げられ、鬼龍院の熱唱をそっちのけで観客は爆笑しっぱなしだった。
さらに喜矢武が「バンドはインディーズですが、僕はひとりでもメジャーに行きます!」と宣言して始まった「酔わせてモヒート」では、“ギターソロ”で喜矢武が野球のユニフォームに着替え、樽美酒と一緒にノック練習を開始。「また君に番号を聞けなかった」では花道から伸びる人力による可動式のステージがアリーナエリアを動き回り、4人は二手に分かれて観客とのコミュニケーションを楽しんだ。
続いて休憩タイムに入ると、スクリーンには喜矢武が溶接免許取得のため講習通いをしていた日々の写真が映し出される。ファンは彼の努力の軌跡に真剣に見入っていたが、最後に樽美酒も免許を取得したことが明かされるとその仲良しぶりに笑いが起きた。そこからライブが再開すると思いきや、休憩が明けて始まったのは鬼龍院が企画・脚本を担当した、ムラムラ恋愛ドラマ「精力戦隊オサセンジャー」だ。このパートでは、ストーリーの展開にあったゴールデンボンバーの名曲(「こんにちは孤独」「愛してると言えなくて」「男心と秋の空」「あしたのショー」)を披露しつつ、その合間にメンバーが口パクの演技を繰り広げた。なお「精力戦隊オサセンジャー」のストーリーは、鬼龍院、喜矢武、歌広場の3人が戦隊ヒーローに扮し、人類の精力を奪おうとする樽美酒が演じる悪役ワルビッシュを倒すべく、三角関係になりつつも協力していくという壮大なもの。最後は悪霊に取り憑かれていた樽美酒が、元どおりになるという結末が用意されていたが、ラストシーンでメイクを落とした樽美酒が登場。その甘く爽やかな素顔に、会場内はしばらくの間黄色い悲鳴で包まれた。
しかし、サプライズはまだ終わらない。B'zへのリスペクトを込めて作られた「ultra PHANTOM」では、喜矢武が自らの頭部を筆に見立て、樽美酒がその体を支えて文字を綴る人間書き初めに挑戦。過酷なチャレンジの末、「チン※」という書が天井から恭しくつり下げられ、日本国旗と奇妙なコラボレーションを生み出していた。
そして衝撃だらけのライブもあっという間に終盤へ。壮絶なヘッドバンギングが会場を揺らした「デスメンタル」、鬼龍院の「明日のことは気にするな!」という煽りに大合唱が起きた「イヤホン」がノンストップで繰り出される。そして「僕たちも多分このジャンル!」という叫びから「†ザ・V系っぽい曲†」が始まり、壮絶な盛り上がりの中で本編が終了した。
アンコールでは、白を基調とした衣装に着替えた鬼龍院が「去年は紅白に出られるかと思ったんだけど、出られなくて。出るんだったら小林幸子さんに負けたくない!と思って衣装を作ったのに……。今日はゴールデンボンバーが紅白に出たらこうなるっていうのをやります!」と言い放ち「さよなら冬美」を熱唱。鬼龍院がワイヤーで宙に浮き始めると、衣装の裾が幕のように広がり風でなびく演出付きだ。しかし、次の瞬間には衣装が床に落ち、鬼龍院はパンツ一枚というあられもない姿に。「下ろしてよー!」と鬼龍院の泣き顔と下半身がフォーカスされる中、歌広場は「せっかくの衣装も、僕らが作るとああなるんですねえ」と冷静に返していた。
鬼龍院が無事ステージに戻ったところでライブが再開。オーディエンスが思い思いの振りで踊った「愛なんていらねいよ」、金テープが祝祭ムードを演出した「女々しくて」が続いていく。その後は、オープニングの「山田馬鹿」のストーリーにオチを付けるドラマが上映され、さらに3月からの全国ツアーのスケジュールがアナウンスされる。すると、この日何度目かの悲鳴のような歓声が響いた。
サプライズ発表のあともアンコールを求める声が止まず、メンバー4人がステージに登場。鬼龍院は「正直怖いよ、横アリ2DAYSって! でもみんなのおかげだ」と叫び、樽美酒は感極まって「ホントありがとうね」と男泣き。ファンのoiコールを浴びながらラストナンバー「今夜はトゥナイト」を届けたあと、歌広場は「いつもと同じライブだったでしょ? これからも変わりません」と宣言し、鬼龍院は「絶対ツアー来てな!」と叫んで日本武道館のステージを降りた。
ゴールデンボンバー「ゴールデンボンバーワンマンライブ特大号『一生バカ』」@2012年1月15日(日)東京都 日本武道館セットリスト
01. Sick Lady…たぶん
02. ギーガー!
03. 抱きしめてシュヴァルツ
04. タイムマシンが欲しいよ
05. 酔わせてモヒート
06. また君に番号を聞けなかった
07. トラウマキャバ嬢
演劇 1
08. こんにちは孤独
演劇 2
09. 愛してると言えなくて
演劇 3
10. 男心と秋の空
演劇 4
11. あしたのショー
12. ultra PHANTOM
13. デスメンタル
14. 僕クエスト
15. 毒グモ女(萌え燃え編)
16. イヤホン
17. †ザ・V系っぽい曲†
<アンコール>
18. さよなら冬美
19. 愛なんていらねいよ
20. 女々しくて
<ダブルアンコール>
21. 今夜はトゥナイト
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