雨のパレード、アコースティックでも魅せた新木場コースト公演「もっと大きい場所へ」

雨のパレードが本日9月28日に北海道・札幌Sound Lab moleで全国ツアー「ワンマンツアー2017『Untraveled』」の最終公演を開催した。この記事では9月24日に行われた東京・新木場STUDIO COAST公演の様子をレポートする。

紗幕に映像が流れる中、メンバーはその後ろでオープニングのインストナンバーを演奏していく。「new place」へとなだれ込むと、間奏のブレイクで紗幕が落ちメンバー4人が登場。短い挨拶をした福永浩平（Vo）は、「1969」で熱のこもった歌声を響かせた。彼の弾くシンセサイザーの音を軸にしたインタールードを経て、「encore」では是永亮祐（B）がスラップベースで観客を惹き付ける。続く「Focus」では福永が柔らかな歌声でフロアをクールダウンさせたかと思えば、是永がベースから出ている音とは思えないノイジーなソロを響かせてオーディエンスを圧倒した。

「『Untraveled』って“旅の経験がない”っていう意味で。僕らのライブでみんなを新しい旅に連れて行けたらいいな。今日はいろんな僕らを見せられると思うので、最後まで楽しんでいってください」と福永が呼びかけたのち、4人は最新シングル「Shoes」の収録曲を立て続けに披露。その後の「寝顔」ではエレピ、「Take my hand」ではアコースティックギターの温かなサウンドが場内を包み込んでいった。「You」からは、ツアーでは初めての実施となるアコースティックコーナーへ。ステージには椅子に腰をかけてアコギを抱えた山崎康介（G）とハンドマイクの福永のみが残り「You」と「morning」を披露する。普段は多様な機材を駆使してパフォーマンスする彼らのシンプルかつストレートな演奏に、ファンはじっくりと酔いしれていた。

山崎、福永によるアコースティックコーナーが終わると、ステージには入れ替わるように是永、大澤実音穂（Dr）が登場。2人はスポットライトを浴びてジャジーな雰囲気のセッションを繰り広げる。演奏の最後には山崎、福永が再登場し「Hey boy,」へとつなげて観客を魅了。4人が「Change your mind」をドライブ感たっぷりに届けると、オーディエンスは体を揺らし、手を挙げながらステージに大歓声を贈った。大澤がサンプリングパッドを操作し、山崎と福永が遊び心のあるシンセフレーズを弾いたインタールードを経て、「Count me out」ではステージ上に大量のスモークが。さらに本編ラストの「stage」では天井から大きなライトがゆっくりと降下し、ミラーボールが回るなど、彼らは演出効果でもファンを楽しませた。

またこれまでのライブでは福永が主にMCを担当していたが、この日のアンコールではメンバーそれぞれが思いを述べた。大澤は新木場STUDIO COAST公演のライブチケットがソールドアウトしたことを話題に挙げ「1人1人にハグして回りたい」とうれしそうな表情を浮かべ、山崎は「今までは客席側から見てたコーストのステージに立つことができました。いっぱいお客さんが来てくれて、最高の景色です」とコメント。そして是永は独特の空気感で「し・ん・き・ば！」「最高ですかー」と声を上げ、オーディエンスを和ませる。最後に福永が「やっぱね（実際にコーストで）やってみると、まだまだだなあと思うんですよ。いつかみんなのことをもっともっと大きい場所へ連れて行きたいなと思ってます」と語ったのち、4人はメジャー1stフルアルバム「New generation」収録の「Tokyo」と「Petrichor」披露。大きな拍手を受けながらステージを降りた。

なお雨のパレードは10月21日に鹿児島・CAPARVO HALLでツアーの追加公演を開催。さらに29日には台湾・THE WALLで海外公演を行う。