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ゆるめるモ!あの生誕祭でスーツ燃やせと号泣

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ゆるめるモ!(Photo by Keita Katsumata / Sketches of Design)

ゆるめるモ!(Photo by Keita Katsumata / Sketches of Design)

ゆるめるモ!・あののバースデーライブ「ゆるめるモ!あの生誕~ANOtherWORLD~」が、9月7日に東京・新宿MARZで開催された。この日に出演したラインナップは、すべてあのがファンだったというバンドやアーティスト。前売りチケットは即日ソールドアウトとなり、あのの誕生日を祝うべく多くのファンが会場に駆けつけた。

この日のトップバッターを務めたのは、ゆるめるモ!への楽曲提供も手がけている箱庭の室内楽のハシダカズマ。まずは私立恵比寿中学のカバー「仮契約のシンデレラ」を歌い、ももいろクローバーZの「走れ!」とゆるめるモ!の「逃げろ!!」をミックスした“人力マッシュアップ”とも言えるパフォーマンスで会場を沸かせた。さらに箱庭の室内楽の楽曲も披露し、しっとりとした歌声で会場を魅了した。

2番手はグッバイフジヤマが登場。ダンサブルなロックサウンドに合わせて観客も体を揺らす。2曲目「レノンとマッカートニー」が終わると、あのをステージに呼び込み、ギターの小島“lue”秀和が彼女にプレゼントを渡した。そのまま9月10日に発売されるニューシングル「ひばりくんの憂鬱」を彼女とコラボ。楽曲中盤の“落ちサビ”をあのが歌うと、客席ではケチャが巻き起こった。

ステージ転換時には、ゆるめるモ!・ちーぼうが人生初のDJに挑戦した。「DJちーぼうです!」と元気いっぱいにアナウンスすると、私立恵比寿中学やBELLRING少女ハート、モーニング娘。、テクプリ、KGY40Jr.などノリのいいアイドルソングを次々と連発。ドルヲタを自認する彼女らしい選曲で、不慣れな様子を見せつつも会場を盛り上げた。

そしてこの日の目玉でもある、あのバンド(バンド名なし)のライブがスタートした。メンバーはあの(Vo, G, Key)、箱庭の室内楽のハシダカズマ(Dr, G)と本田琢也(B)、cinema staffの三島想平(G, Dr)、ゆるめるモ!プロデューサーの田家大知(G)という5人編成。ライブは不穏で浮遊感のある「ANOtherWORLD」から始まり、あのが自ら作詞・作曲を手掛けた「たまご味の甘えび」も演奏された。「たまご味の甘えび」では「MARZで甘えび食べたいな」というコール&レスポンスのあとに彼女が「勝手に食ってろ、とっとと帰れ!」と言い放ち、観客は爆笑の渦に。パンクチューン「紳士服のコナカ」は最初はニコニコしながら「紳士服のコナカー、紳士服のコナカー、燃やせ燃やせ燃やせ」と歌っていたあのだったが、途中から「スーツを燃やせ!」と叫びながら感極まって泣き出してしまい、声が詰まって歌えなくなってしまった。

歌い終えたあのは、涙を流しながら「なんだよ! かかってこいや!」と観客を挑発。どうして泣いているのかわからず困惑する観客に向けて、彼女は「だってこういうの嫌いだもん。僕がこんなに全力出してるんだから、みんなも全力で来てください!」と叫ぶ。どんどんエモーショナルになっていく彼女の佇まいに飲み込まれ、客席もますます異様な熱気に。あのバンドは最後にゆるめるモ!のセルフカバー「虎よ」を披露。あのが「部屋からは出たくない」と絶叫しながら再び号泣し、モニターの上に乗って観客を煽り始めると、それに応えるようにファンも激しいモッシュやダイブを繰り広げた。

続いて登場したのはDJ younaP!ことゆるめるモ!・ようなぴ。ゆるめるモ!メンバーの中では唯一DJ経験がある彼女だけに、手慣れたプレイで会場を盛り上げる。自身のソロ楽曲も歌い、熱気で充満する会場をキラキラした雰囲気に包んだ。

ライブアクト4番手のPAGEは、「13月 feat. daoko」で洗練されたラップを見せつけたあとで、ゆるめるモ!の「木曜アティチュード」のトラックに合わせて自身が考えてきたラップを披露。思いがけない展開にゆるめるモ!ファンも大盛り上がりになった。あのがヒロイン役でビデオクリップに出演している新曲「ノンフィクション・ガールは窓の向こう」では、そのPVをバックに流しながらパフォーマンス。ヒートアップしたPAGEが「あのちゃん、ステージに上がっておいでよ!」と誘うと、2階席で観ていたあのがステージまで駆け下り、バンド用の衣装だったパジャマ姿のままPAGEとともに踊った。

あのはそのままDJブースへと駆け込み、人生初のDJに挑戦。KEYTALKやキュウソネコカミ、SAKANAMONなどロックな選曲で会場を盛り上げた。DJ終了後に彼女が「次は私の大好きなミドリカワ書房さんです!」と紹介すると、浜田省吾「J.BOY」をBGMにミドリカワ書房が登場した。彼は「デビュー前に新宿MARZに出ていたことがあったけど、こんな人口密度じゃなかったからもっと涼しかった」とひょうひょうとしたMCで笑いを誘いつつ、「誰よりもあなたを」「私の恋愛」などを熱唱。後半には、ネットの世界に居場所を求める引きこもりという、あのの過去の境遇に近いテーマを綴った「大丈夫」を歌った。

いんぐりもんぐり「ぶぁい Yai Yai」、成田賢「ああ電子戦隊デンジマン」などのユニークな選曲によるハシダカズマのDJを経て、この日のトリを飾るゆるめるモ!が登場。人口密度が高すぎて冷房が効かなくなってきた会場を、彼女たちのパフォーマンスでさらに熱くさせていく。「OO(ラブ)」ではメンバーたちが日の丸の書かれた扇子を持つ中、あのだけが金色で「必勝」と書かれた扇子を持って歌唱。また「スキヤキ」では、あののメンバーカラーである水色のサイリウムが海のように客席いっぱいに灯され、あのはまるで「風の谷のナウシカ」で王蟲の触毛の上を歩くシーンのようにファンの頭上を歩いていた。

この日のライブでは、ケーキやプレゼントが観客からあのに渡され、さらにメンバーから彼女にお祝いの言葉が送られるという、生誕祭ならではの一幕も。アンコールの「花のドイリー」では、曲中でメンバーと観客が声を合わせて「あのちゃん、おめでとう!」と言いながらジャンプをした。その後、ゆるめるモ!のほとんどの曲の作詞を担当する小林愛がサプライズゲストとして登場し、あのの母親から預かったという手紙を朗読。手紙には、あのが過去に引きこもりの経験をしながらも今このステージに立っていることに対して、「生まれてきてくれてありがとう! お味噌汁を作っていつでも応援しています」と感謝の気持ちが述べられていた。これを受けてあのが自身の過去の話をすると、思わずもらい泣きする観客も。ラストナンバー「なつ おん ぶる ー」では水色のハート型風船が客席に大量に降り注ぐ中、再びあのが観客の頭上を歩き、最後に大きく手を広げてダイブをした。

なお、この日のライブの模様は、ゆるめるモ!のYouTube公式チャンネル「ゆるtube」にて後日公開が予定されている。

※記事初出時、本文中の表記に誤りがありました。お詫びして、訂正します。

「ゆるめるモ!あの生誕~ANOtherWORLD~」2014年9月7日(日)東京都 新宿MARZセットリスト

ハシダカズマ

01. 仮契約のシンデレラ(私立恵比寿中学)
02. 走れ!(ももいろクローバーZ)×逃げろ!!(ゆるめるモ!)
03. five
04. walden
05. sundaymorning
06. 5/8

グッバイフジヤマ

01. 戦争しましょう
02. レノンとマッカートニー
03. ひばりくんの憂鬱
04. いつも飛んでる♪
05. 星めぐりのこどもたち

あのバンド(バンド名なし)

01. ANOtherWORLD
02. たまご味の甘えび
03. 紳士服のコナカ
04. 虎よ

PAGE

01. 13月 feat. daoko
02. ゆるめるモ!「木曜アティチュード」BEAT JACK
03. MY NAME IS xxxx
04. あ・い・ど・る
05. ノンフィクション・ガールは窓の向こう
06. 魔法みたい

ミドリカワ書房

01. 誰よりもあなたを
02. 私の恋愛
03. 花火大会
04. 片想われ
05. 大丈夫
06. コスモス

ゆるめるモ!

01. ゆるトロ
02. Majiwaranai CAts
03. たびのしたく
04. あさだ
05. ぺけぺけ
06. OO(ラブ)
07. スキヤキ
08. 逃げろ!!
<アンコール>
09. 花のドイリー
10. なつ おん ぶる ー

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