音楽ナタリー

T.M.R.、ももクロ百田「劇場スジナシ」初挑戦

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7月9~11日に愛知・名鉄ホールにて舞台「劇場スジナシ」が上演され、9日にT.M.Revolution、10日に百田夏菜子(ももいろクローバーZ)がゲスト出演した。

「劇場スジナシ」は笑福亭鶴瓶がゲストとともに即興ドラマを繰り広げるテレビ番組「スジナシ」の舞台版。2006年に東京・紀伊國屋ホールで行われて以来、約8年ぶりの開催となった今回は全国の映画館にてライブビューイングも実施され、多くのファンが何が起こるかわからない生芝居を楽しんだ。

舞台版でもテレビ番組と同様、笑福亭鶴瓶とゲストが打ち合わせなし、台本なしのぶっつけ本番で即興ドラマを熱演。鶴瓶とゲストは当日、本番まで会わずに舞台上で初めて顔を合わせるという徹底ぶりだ。案内人の中井美穂がOK出しやトークの進行を務め、最後にこの即興ドラマにタイトルを付けるという流れで構成される。本番中、観客は「笑い」と「拍手」を禁じられ、静かに舞台を見守らなければならない。

西川貴教が登場した初日公演の設定は「アトリエ」。開始時に鶴瓶がアトリエ内にいて、西川があとから入ってくることが決められ、即興舞台はスタートした。鶴瓶がキャンバスに向き合い、チューブから直接絵の具を出して線を描いているところにアトリエに入って来た西川は「何してんねん!」と鶴瓶を叱る。「自分ばっかり作品を出して! 俺にも作品を出させてくれよ!」と反抗する鶴瓶を西川が「役割がある。お前はモデルでやっていくと決めたんや。2人の共同作品や」と説得するも、「ずーっと俺モデルやんか! 俺を裸にして!」と、いつも真っ裸でモデルにされていることに対して鶴瓶が不満をぶちまける。泣き叫ぶ鶴瓶を「お前の裸やないと描かれへん」などと言いながらやさしく抱きしめ、徐々になだめる西川。最終的に、西川によって鶴瓶はパンツ一丁まで脱がされ、鶴瓶の胸に生える“2本の乳毛”を西川が抜こうとしたところで中井がOKを出し、即興舞台が終了した。

プレビューを観ながらのトークでは、冒頭で鶴瓶は芸術家の「先生」のつもりで作品を描いていたにも関わらず、西川に唐突に「何してんねん!」と叱られたことからおかしな流れになっていったと感想を述べる。絵の具のチューブからから直にキャンバスに描いている鶴瓶を観た西川は「エキセントリックなことをしてる! あかん、こいつやる気や!」と思ったと言い、「先生とか思う気持ちは1ミリもなかった」と心境を語った。また、鶴瓶は西川が自分を裸にするように劇を進行していったと主張するも、プレビューを観直すと「俺を裸にして」などの台詞はすべて鶴瓶から発せられたことも明らかになった。

観客の意見を聞きながらつけられたこの劇のタイトルは「共同作品 しあわせの乳毛」に決定。西川は「自分でも舞台とかやらせていただいたりしますけど、生でどういう顔して芝居してるかってあんまり自分では観ないじゃないですか。自分の舞台ってあんまりこういうふうにきちんと撮っていただいて観たことがなかったんで、『こんな顔してんねや』ってすごい不思議な感覚です」と感想を述べた。

翌日10日の公演には百田が登場。観客の多くが百田のイメージカラーである赤い服を身にまとっており、百田自身も「赤ばっかり……うちのコンサートでもこんな光景は見られないんですよ」と驚くほど客席が赤く染まった。本番前のトークでは、「あの、よう骨折するやつは大丈夫か?」と鶴瓶が佐々木彩夏について心配する場面もみられ、百田が「もうすぐ日産スタジアムでライブをするんですけど、もうレッスンが始まりまして、元気に動いてますよ」と説明した。さらに7月26、27日に行われる日産スタジアム公演について「すごいんですよ、今回。ステージのセットで神社を作るんです! そのステージが……5億かかるんです。でもそれだけ本気なんですよ!」とステージプランを明かした。

この日の設定は「ホテルのロビー」。ステージ袖にはパトカーの音や救急車などの効果音が用意され、必要に応じてももいろクローバーZのマネージャーである川上アキラがボタンを押して効果音を鳴らすことが鶴瓶の指示により決定して、即興舞台がスタートした。

鶴瓶がホテルのフロントに立っていると、そこに夏らしい衣装に身を包んだ百田が入ってくる。百田演じる「ヨシオカトモミ」はフロントマンである鶴瓶に対し突然拳銃を突きつけ、「手を挙げろ!」と脅すも「うっそー! おもちゃだよ」とおどけてみせる。その後、幼稚園のときに離ればなれになった父親を探しにこのホテルに来ており、明後日に20歳になるのでどうしてもその前に会いたいと告げる。すると鶴瓶も探偵をしていたことがあると言い、父親探しを手伝うことに。鶴瓶は「まずはあなたのことを聞かないと」と百田に質問をする中で「フランスの首都は?」と問いかけると、百田は「フランスは……どこだっけかなあ……私、フランシスコに思い入れがあって」ととんちんかんな回答をする。さらに中国の首都を尋ねられると「中国は……ナムル!」と自信満々に回答。鶴瓶が「北京!」と正解を教えるも、百田は「北京! イエス! 北京ドッグ!」とさらに堂々と北京ダックを北京ドッグと間違えて大声で叫ぶ。すると笑いを禁じられている観客も我慢できずに笑いが漏れ聞こえてしまう事態に。その後、鶴瓶が百田を「海に行こう」と誘い、「赤潮が多いんですよ」と赤で埋め尽くされた客席の通路を2人で歩き始める。歩きながら話すうちに鶴瓶は自身の兄が百田の父親だということを告白。突然父親に会うことになった百田は「そんなに急に言われてもわかんないよ」と感情が高まり涙を流す。父親はぽっちゃりと肥えており、今日は黒いTシャツを着ているという。「兄貴!」と鶴瓶が叫ぶと、先ほどまでステージ袖で効果音を押していた川上マネージャーがステージ中央から登場。ここで中井がOKを出し、即興舞台が終了した。

その後のプレビューを観ながらのトークでは、フランスの首都を「フランシスコ」と答えたことについて、百田は以前番組でフランスの首都を聞かれて「フランシスコ」と答えて以来フランシスコしか出てこなくなったことを明かす。そして中国の首都をナムルと答えたことについて鶴瓶が「これは奇跡や」と絶賛。さらに「イエス! 北京ドッグ!」と叫んだ百田に対し、観客からこの日最大の笑いと拍手が贈られ、鶴瓶も「素晴らしい」と大絶賛した。また最終シーンで百田が自然に涙を流したことについて鶴瓶は「芝居は自分がどれだけの感情を入れられるかということが大切。感情が素になってるからすごいいいよね」と褒めると、百田は「自分でも不思議ですね。普段泣くことないんです、全然。自分もびっくりでした」と感想を述べた。

最後に観客の意見をもとに「赤潮の再会 二十歳になる前に…」というタイトルがつけられ、約2時間のイベントにわたるイベントは幕を閉じた。なお本日11日には俳優の要潤が出演する。

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