麻倉もも、初のオーケストラコンサートツアーで見せた多彩な表現力「本当に夢みたいな時間」

14

610

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 176 429
  • 5 シェア

麻倉ももが昨日7月26日に東京・東京文化会館大ホールでコンサートツアー「RENAISSANCE CLASSICS『麻倉もも PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2025』」のファイナル公演を開催した。

麻倉もも(撮影:江藤はんな[SHERPA+])

麻倉もも(撮影:江藤はんな[SHERPA+])

大きなサイズで見る(全3件)

2024年6月に世界遺産である奈良・薬師寺でオーケストラコンサート「麻倉もも SYMPHONIC CONCERT in薬師寺」を行った麻倉。それから約1年を経て、今年4月から彼女は初めてオーケストラを引き連れてコンサートツアーを実施し、兵庫、埼玉、東京の3会場を回った。普段はスクリーンなどを用いた視覚的な演出も交えてライブを展開しているが、オーケストラコンサートは自身の歌と楽団の演奏のみで進行。唯一無二のピュアな歌声と多彩な表現力でオーディエンスを魅了した。

オーケストラが奏でる壮大なアンサンブルに乗せて

開演時間になると国内外の演奏者が集うオーケストラ楽団・RENAISSANCE CLASSICS ORCHESTRA、そして欧州で活躍中の指揮者・柳澤寿男が大きな拍手に迎えられて登場。まずは挨拶代わりに「さよなら観覧車」のメロディを紡ぎ、心を震わすような壮大なアンサンブルで会場を満たした。演奏が終わると、花をあしらった淡いピンク色のドレスを身にまとった麻倉がステージへ。オーケストラが奏でる優美な音色に乗せて、彼女は「ユメシンデレラ」を可憐に歌い上げた。

「RENAISSANCE CLASSICS『麻倉もも PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2025』」の様子。(撮影:江藤はんな[SHERPA+])

「RENAISSANCE CLASSICS『麻倉もも PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2025』」の様子。(撮影:江藤はんな[SHERPA+])[拡大]

カラフルなライトに彩られた「彩色硝子」では強弱を付けたオーケストラの演奏と麻倉の表現豊かな歌声が一体となり、幸せに満ちた温かな空間を生み出した。ファンタジックなムードが広がった「Agapanthus」を経て、麻倉は普段バレエやオペラの公演が行われている東京文化会館について「初めて来ました。皆さんもそんなに来ることがない層だとお見受けするんですけど……」と客席を見渡す。そして「上の方は見えてますか?」と5階席に向かって話しかけ、「見えてます!」という声が上がると「ありがとうございます! 私からは全然見えない(笑)」と麻倉らしいサバサバとした受け答えでさっそく観客を笑わせた。

ドラマチックな音色と凜とした美しい歌声が運命的な恋の始まりを描き出したのは「恋のプレリュード」。「シュークリーム」では高揚感あふれるアンサンブルによって恋心が募るさまが表現された。さらに麻倉は失恋ソング「さよなら観覧車」を感傷的に歌い上げる。「今すぐに」では切ない歌声に寄り添うようにオーケストラの哀愁のあるアンサンブルが響き渡った。

1年を経て、再び訪れた夢の時間

15分間の休憩を経て、RENAISSANCE CLASSICS ORCHESTRAは「くるみ割り人形『行進曲』」でコンサートを再開。再びステージに姿を現した麻倉は、オーケストラが奏でる爛々とした音色に乗せて「幸せって書いて」を笑顔で届ける。「僕だけに見える星」では透明感のある伸びやかな歌声と爽快なサウンドが場内に広がった。「今日この会場はめちゃめちゃ広いけど、『私は近くにいるよ』というメッセージを込めて作った曲を、前のみんなにも後ろのみんなにも届くように歌いたいなと思います」と麻倉が述べて観客に贈ったのは「No Distance」。観客の心にグッと寄り添い、彼女はクラップに包まれながら「Run for you」を軽やかに届けた。「最後はみんなで笑顔で終わりたいなと思います!」と麻倉は声を弾ませて「Good Job!」を披露。心踊るようなさわやかな音色をバックに、彼女はこの曲を晴れやかに歌い上げてステージを去っていった。

麻倉もも(撮影:江藤はんな[SHERPA+])

麻倉もも(撮影:江藤はんな[SHERPA+])[拡大]

アンコールを求める拍手に呼ばれてステージに登場した麻倉は「そもそもオーケストラコンサートにすごく憧れがあって。やりたいやりたいと言ってきて、ちょっと実現しそうになったときにダメだったこともありまして……もう難しいのかなと思ってたんですけど、なんと去年夢みたいな舞台が決まりました。もうこんな舞台はないだろうなと思っていたら、今回はツアーで、しかもホールでやることができました!」と声を弾ませ、「もう本当に夢みたいな時間だったんですけど、やっぱり始まっちゃうとあっという間に終わっちゃいますね。もう千秋楽のアンコールなんて、自分でも思えないです。それぐらいすごくすごく大切な楽しい時間だったなと思います」と思いを噛み締める。そして彼女は「皆さんもこうやって遊びに来てくださってますが、最初はオーケストラコンサートってどうかなと思ったんですよ。私は『やりたい!』という気持ちだったんですけど、オーケストラに触れている方も少ないかもしれないし、騒げないとつまらないと思われたらどうしようと思っていたんですけど、やっぱりいいものって誰が聴いてもいいものなんだなと感想をいただいて思いました。本当に素敵な音ですよね!」とオーケストラのメンバーのほうを振り返り、「同じステージ上でこの音を感じながら歌って、皆さんにお届けできるのは貴重な経験だと思います」としみじみと語った。

「最後の曲は決めてました。絶対にオーケストラで歌ったら気持ちいいだろうなと思いながら、薬師寺でアンコールの最後に歌ったら本当に気持ちよくて。だからホールで回らせていただけることになったときも、この曲で終わりたいと思っていました」と麻倉が告げ、ゆっくりと歌い始めたのは「花に赤い糸」。彼女は心が色付くような華やかなアンサンブルに乗せて純真な恋心を紡ぎ上げ、初のオーケストラコンサートツアーを締めくくった。

セットリスト

麻倉もも「RENAISSANCE CLASSICS『麻倉もも PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2025』」2025年7月26日 東京文化会館大ホール

01.OVERTURE
02.ユメシンデレラ
03.彩色硝子
04.Agapanthus
05.恋のプレリュード
06.シュークリーム
07.さよなら観覧車
08.今すぐに
09.くるみ割り人形
10.幸せって書いて
11.僕だけに見える星
12.No Distance
13.Run for you
14.Good Job!
<アンコール>
15. 花に赤い糸

この記事の画像(全3件)

読者の反応

楊(やん) @yan_negimabeya

【ライブレポート】麻倉もも、初のオーケストラコンサートツアーで見せた多彩な表現力「本当に夢みたいな時間」 https://t.co/csgU11DQCf

コメントを読む(14件)

あなたにおすすめの記事

このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 麻倉もも / TrySail の最新情報はリンク先をご覧ください。

音楽ナタリーでは国内アーティストを中心とした最新音楽ニュースを毎日配信!メジャーからインディーズまでリリース情報、ライブレポート、番組情報、コラムなど幅広い情報をお届けします。