TOMOOが「MTV Unplugged」で叶えた夢と示した“さりげなさ”

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TOMOOのアコースティックツアー「MTV Unplugged Presents: TOMOO Acoustic Tour 2024 "Mirrors"」の最終公演が9月15日に大阪・大阪城音楽堂で行われた。

「MTV Unplugged Presents: TOMOO Acoustic Tour 2024 "Mirrors"」大阪公演の様子。(Photo by Kana Tarumi)

「MTV Unplugged Presents: TOMOO Acoustic Tour 2024 "Mirrors"」大阪公演の様子。(Photo by Kana Tarumi)

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裏庭みたいな景色を届けられたら

「MTV Unplugged」は「出演できるのは一流の証」とさえ言われているMTVのアコースティックライブ企画。1989年に初めて行われて以来、エリック・クラプトン、Nirvana、トニー・ベネット&レディー・ガガ、BTS、宇多田ヒカル、平井堅、KinKi Kids、幾田りら、緑黄色社会などが出演してきた。TOMOOは東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)と大阪城音楽堂の2カ所でライブを実施。「MTV Unplugged」が国内の野外会場で開催されるのは、TOMOOの大阪公演が初となった。

TOMOO(Photo by Kana Tarumi)

TOMOO(Photo by Kana Tarumi)[拡大]

拍手を浴びながら姿を現したTOMOOは、チェレスタを軽く鳴らしたのちステージ中央に設置されたグランドピアノの前に。穏やかな音色を響かせながら「金木犀」を歌唱し、まだ明るい夕方の空にしっとりとした歌声を染み渡らせていく。彼女は「今日はまだ見せたことなかった、でも本当はずっと見せたかった、裏庭みたいな景色を届けられたらいいなと思います」とライブへの思いを語り、「まだ夏みたいな暑さが残ってるみたいですが、本当だったら衣替えが近付いてくるこの季節に寄せて」という言葉に続けて、「らしくもなくたっていいでしょう」をパフォーマンス。跳ねるようなアコースティックギターと鍵盤の音に軽やかなボーカルを乗せ、人気曲「ベーコンエピ」では伸びやかな高音を優しく聴かせた。

気付いたら叶っていた夢

「MTV Unplugged Presents: TOMOO Acoustic Tour 2024 "Mirrors"」大阪公演の様子。(Photo by Kana Tarumi)

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ライブ中盤ではフルートやストリングスの演奏も加わり、視界が広がるかのように音の鮮やかさが一気に増していく。「あわいに」では絢爛なムードに誘われたオーディエンスが軽快な手拍子を鳴らし、「風に立つ」では力強いストリングスの音色と芯のある歌声が絡み合う。ステージ上から凄まじいエネルギーが放出され、観客は息をのむようにそのパフォーマンスを見届けた。ここでTOMOOが語ったのは「MTV Unplugged」への思い。出演が決まり過去のさまざまなアーティストの出演回を観たという彼女は、どのライブにも“さりげなさ”を感じたという。「共通してアーティスト本人の命の輝きというか、曲の芯にある輝きみたいなものがあらわになって、それが率直に届いてくるライブだなと思って。本当にすごいものって、実はさりげなく存在しているものなのかもしれないなあ、という気分にさせられたんですよね」と語った彼女は、カーペンターズの「I Need To Be In Love」を1人で弾き語り。エバーグリーンなメロディと凛とした歌声でオーディエンスを魅了した。

「MTV Unplugged Presents: TOMOO Acoustic Tour 2024 "Mirrors"」大阪公演の様子。(Photo by Kana Tarumi)

「MTV Unplugged Presents: TOMOO Acoustic Tour 2024 "Mirrors"」大阪公演の様子。(Photo by Kana Tarumi)[拡大]

あたりが暗くなり始めた頃、楽器隊がステージに再び現れ、TOMOOたちは「窓」を演奏。ブルーの照明がステージを妖しく照らし、そこに多層的に織り成されたサウンドが鳴り響く。「ゆっくり流れる時間と、じっくり演奏して聴いてもらえる環境と、音楽を作るときに感じてる匂いとか空気とか、風、空の色の移り変わりとか雲とか、外の音とか。そういったものと一緒に演奏して歌える機会が持てたらいいなって思ってたんですけど、そんな夢が今日気付いたら叶ってました。ありがとうございます」と充実感をにじませた彼女は「Super Ball」「Present」と人気のポップチューンを連続でパフォーマンス。「Present」ではにぎやかなハンドクラップの音を浴びながら、ステージを動き回りつつ楽しげに歌声を贈り届けた。「Friday」を経て、TOMOOは開演時と同じようにチェレスタを鳴らしたのちに「Lullaby to my summer」を歌い上げてステージを去っていった。

タイトル「Mirrors」に込めた思い

「MTV Unplugged Presents: TOMOO Acoustic Tour 2024 "Mirrors"」大阪公演の様子。(Photo by Kana Tarumi)

「MTV Unplugged Presents: TOMOO Acoustic Tour 2024 "Mirrors"」大阪公演の様子。(Photo by Kana Tarumi)[拡大]

すっかり宵闇に包まれた会場に、アンコールを求める手拍子が鳴り響く。再び楽器隊とともに登場したTOMOOは優雅な音色に乗せて「ロマンスをこえよう」を歌唱。涼しくなり始めた会場をしなやかな音色で包み込む。彼女が、このライブのプロデュースを担当し、サックスで参加した小西遼(象眠舎、CRCK/LCKS)を紹介すると、彼は「アレンジャー冥利に尽きます。こんな機会をこちらこそありがとうございました。とても楽しかったです」と感謝の言葉を告げた。最後にTOMOOは「Mirrors」と題した今回のツアーについて、「誰かと誰かと向かい合っていたり、並んで歩いていたりということをイメージした曲が最近少し増えたような気がしていて」「人はお互いに誰かにとっての鏡でもあるだろうなと思ってて。相手の中に自分自身を投影することもあれば、自分では気付けない自分を教えてあげられるのが相手だったりとか。そんなふうに映し合って人と人は一緒に生きていくんだろうなって思ってます」と思いを語り、「夢はさめても」をじっくりと披露してツアーを締めくくった。

セットリスト

「MTV Unplugged Presents: TOMOO Acoustic Tour 2024 "Mirrors"」2024年9月15日 大阪城音楽堂

01. 金木犀
02. らしくもなくたっていいでしょう
03. ベーコンエピ
04. あわいに
05. Grapefruit Moon
06. 17
07. 風に立つ
08. I Need To Be In Love(原曲:カーペンターズ)
09. Ginger
10. 2009.Autumn
11. 窓
12. ナイトウォーク
13. Super Ball
14. Present
15. Friday
16. Lullaby to my summer
<アンコール>
17. ロマンスをこえよう
18. 夢はさめても

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