アトムの足音を作った音響デザイナーの波乱の人生を追う

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アニメ「鉄腕アトム」の音響効果を務めた伝説の音響デザイナー、大野松雄を追ったドキュメンタリー映画「アトムの足音が聞こえる」が5月21日より渋谷ユーロスペースにて公開される。

大野松雄

大野松雄

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1950年代に生まれたばかりの電子音楽の技術で、過去に誰も聴いたことがない愛らしい電子音でロボットの足音や飛ぶ音を表現し、「未来の音」を作り出した大野松雄。勅使河原宏や松本俊夫といった映画作家たちの音作りや、つくば科学万博などのパビリオンの空間音響システムデザイナーを務めるほか、自らドキュメンタリー映画を制作するなど多岐にわたる活動を展開するが、借金を抱えて突如消息不明となってしまう。

映画ではアニメ「ルパン三世」「宇宙戦艦ヤマト」「機動戦士ガンダム」の映像やrei harakami、Open Reel Ensembleの演奏などを交えながら、大野の偉業と後世に与えた影響を紐解き、その波乱の人生を追う。監督は映画「乱暴と待機」「パンドラの匣」や、菊地成孔、相対性理論などのビデオクリップを手掛けた冨永昌敬。ナレーターを野宮真貴、音響効果をパードン木村が担当する。また、映画オフィシャルサイトには佐野元春、手塚るみ子(プランニングプロデューサー)、佐々木敦(評論家)が推薦コメントを寄せている。

この上映を記念して、2005年の「大野松雄の音響世界3『はじまり』の記憶」以来となる大野松雄のニューアルバム「YURAGI #10」が5月25日にリリースされる。この作品は2009年7月に草月ホールで行なわれた公式としては初のライブパフォーマンスの音源を再構築したもの。大野自身が開発し、70年代の音響業界に多大なる影響を及ぼしたサラウンド効果「大野サラウンド」を生かし、オープンリールデッキなどを使用したアナログメロディを全編に散りばめた新曲を、ミックスの違う2バージョンで収録している。

またライブストリーミングチャンネル「DOMMUNE」では5月19日(木)にこの映画の特集をオンエア。19:00からの第1部では冨永昌敬監督、パードン木村、和田永(Open Reel Ensemble)、田中雄二(編集者)がトークを繰り広げ、21:00からの第2部では大野松雄がオープンリールを実際に操って“足音”を生演奏する。5月22日にはタワーレコード新宿店9Fにて、大野松雄と畠中実(ICC主任学芸員)によるインストアトークショーを実施。5月24日(火)には23:00よりニコニコ生放送「松武秀樹のテクノスクール」に大野松雄がゲスト出演する。

■『アトムの足音が聞こえる』予告編

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読者の反応

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坂本雅司 @griot_sakamoto

#世界辺境音楽研究、音響デザイナー大野松雄さん(93歳) 。「鉄腕アトム」から始まる日本のアニメ作品の効果音の歴史を作っただけでなく、障害者教育のドキュメンタリー制作者でもあり、前衛音楽パフォーマーとして最後まで現役だった。映画『アトムの足音が聞こえる』(11) 。 https://t.co/MJsu2LL8Wv https://t.co/rWeV9YMEAW

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