Mrs. GREEN APPLE第1章の集大成、初のアリーナツアー終幕

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Mrs. GREEN APPLEが2月15、16日に東京・国立代々木競技場第一体育館でアリーナツアー「ARENA TOUR / エデンの園」の追加公演を開催した。この記事ではツアーファイナルとなった16日公演の模様をレポートする。

Mrs. GREEN APPLE「ARENA TOUR / エデンの園」東京・国立代々木競技場第一体育館公演の様子。(撮影:上飯坂一)

Mrs. GREEN APPLE「ARENA TOUR / エデンの園」東京・国立代々木競技場第一体育館公演の様子。(撮影:上飯坂一)

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初のアリーナツアーで神奈川・横浜アリーナ、愛知・ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)、大阪・大阪城ホール、国立代々木競技場第一体育館を回り、計7公演を行ったミセス。5人は昨年10月にリリースした最新アルバム「Attitude」の収録曲をはじめ、インディーズ時代やデビュー当時の楽曲、そしてバンドの名を知らしめることとなった代表曲を織り交ぜたセットリストを展開した。

Mrs. GREEN APPLE「ARENA TOUR / エデンの園」東京・国立代々木競技場第一体育館公演の様子。(撮影:上飯坂一)

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会場の天井にはエデンを想起させる草花が飾られ、ステージの左右には花の柱がそびえる。開演時間になり会場の照明が落ちると、天井の草花を囲うボックスが白く輝き、大歓声の中メンバーがステージに登場した。ギターを手にした大森元貴(Vo, G)が「代々木―!」と叫ぶのと同時に、ミセスは疾走感あふれるロックナンバー「インフェルノ」で勢いよくライブを開始。燃えたぎるような赤いライトに包まれたステージに火柱が次々と上がり、ライブは灼熱のオープニングに。そして照明は赤から青へと移ろい、5人のサウンドがエモーショナルに絡み合う「藍(あお)」で観客を深く濃厚な世界観へと引き込んでいった。

大森元貴(Vo, G)(撮影:上飯坂一)

大森元貴(Vo, G)(撮影:上飯坂一)[拡大]

大森は「すごい景色! 素晴らしいね、みんな!」とライブ序盤から感極まった様子で、「今日はとんでもないところに一緒にいけたらいいなと思います。最後までよろしく!」と言い放つとインディーズ時代の楽曲「WaLL FloWeR」を続ける。天井の草花と花の柱が美しく光る光景の中、バンドアンサンブルに観客の手拍子が重なり、すさまじいエネルギーが場内に満ちていった。ギターを置いた大森は「VIP」でマイクを客席に向けて熱いコールを巻き起こすと、一斉に飛び跳ねるオーディエンスを「もっと跳べるだろ!」とさらに煽り、会場の一体感を高めていく。「VIP」同様にミセスのライブで親しまれてきた「アンゼンパイ」のイントロでは、藤澤涼架(Key)の演奏に大森の鍵盤も加わり、ポップな音色がきらめくように場内に響きわたった。

Mrs. GREEN APPLE「ARENA TOUR / エデンの園」東京・国立代々木競技場第一体育館公演の様子。(撮影:上飯坂一)

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その後ミセスは「ProPose」で山中綾華(Dr)を中心に複雑なリズムを息ぴったりに展開し、続く「Soup」では緩急を付けた演奏と感傷的な歌声でオーディエンスを圧倒した。そして「懐かしい曲をやります!」と大森が宣言し、キャッチーなギターで始まったのはバンド初期の頃はライブの定番曲だった「愛情と矛先」。若井滉斗(G)、藤澤、高野清宗(B)が同じタイミングで跳んだり足を上げたりするような懐かしい振り付けも見られ、会場にはにぎやかな空気が広がった。楽曲が終わると白いスモークがステージを漂い、海賊の装いをしたダンサーの登場と共に「Viking」がスタート。スクリーンには嵐の中を進んでいく海賊船が映し出され、ステージではいくつもの火が灯される。大森を囲むようにダンサーは力強いパフォーマンスを繰り広げ、まるで海賊船の中にいるようにコンセプチュアルなステージを展開した。

大森元貴(Vo, G)(撮影:上飯坂一)

大森元貴(Vo, G)(撮影:上飯坂一)[拡大]

演奏が終わって会場が暗転したあとも、嵐が過ぎ去ったあとの波の音がしばらく場内に響きわたる。観客が余韻に浸っていると、スポットライトが花道の先端を照らし出し、アコースティックギターを持ってイスに腰かけた大森の姿が現れた。大森はギター1本でそっと言葉をつぶやくように「クダリ」を歌い始める。1人きりで孤独な思いを弾き語る彼だったが、ワンコーラスを終えたところでメンバーが待つステージへと向かい、4人の温かみのあるバンドサウンドに乗せて歌をじっくりと届けた。

Mrs. GREEN APPLE「ARENA TOUR / エデンの園」東京・国立代々木競技場第一体育館公演の様子。(撮影:上飯坂一)

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ヒップホップ要素の強い「REVERSE」ではストリートアートを背景にクールなプレイが展開され、観客は手を上下に動かしてリズムに乗る。混沌としたサウンドでダークな世界観が紡がれる「ア・プリオリ」では大森が花道に進み出て、感情を解き放つように力強い歌声を響かせた。白いスポットライトが交錯する中「ナニヲナニヲ」で会場の熱気を引き上げたミセスは、その勢いを保ったまま重厚でけたたましいビートが炸裂する「Ke-Mo Sah-Bee」をプレイ。ロッカバラード「僕のこと」では壮大なサウンドと優しい歌声が会場を包み込んだ。

花道で肩を組む高野清宗(B)と若井滉斗(G)。(撮影:上飯坂一)

花道で肩を組む高野清宗(B)と若井滉斗(G)。(撮影:上飯坂一)[拡大]

「まだまだいけますか、代々木!」と大森が観客を煽ると、ミセスは高揚感に満ちたドラムロールを合図に「StaRt」を演奏。若井と高野は花道の先端まで進み、にぎやかに演奏を繰り広げて会場を盛り上げた。「WanteD! WanteD!」ではオーディエンスが一斉に腕を上げてシンガロングを響かせ、場内に壮観な光景が生まれる。そしてさわやかなサウンドが広がる「青と夏」と代表曲が続き、観客のテンションは止まることなく高まっていった。大盛り上がりの中、天井のミラーボールが華やかに輝き、ハウスミュージックの要素を取り入れた「CHEERS」の演奏がスタート。「踊ろうぜ、代々木!」と大森が観客に呼びかけると場内はダンスフロアと化し、観客はスラップベースやカッティングギターが刻む心地のいいリズムに合わせて飛び跳ねた。

Mrs. GREEN APPLE「ARENA TOUR / エデンの園」東京・国立代々木競技場第一体育館公演の様子。(撮影:上飯坂一)

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そして温かなメロディがピースフルな空気をもたらした「lovin’」を経て、ライブの最後を飾ったのはアルバムのラストナンバー「Folktale」。柔らかなグリーンの光がステージに広がっていき、スクリーンには一本の樹が育っていく様子が映し出される。幻想的な世界観の中、5人は温かなハンドクラップを浴びながら演奏を繰り広げ、穏やかな表情でライブを終えた。

アンコールでは大森と藤澤の2人が姿を現し、歌と鍵盤のみで「Circle」をじっくりと披露した。その後5人がステージに出そろって1人ずつ挨拶をすることになり、まずは藤澤が「今年デビュー5周年を迎える僕たちにとって、このアリーナツアーはMrs. GREEN APPLEの第1章の集大成というつもりでやってきました。だから今回のライブには、いろんなタイミングでリリースした楽曲が詰まっています」と話す。藤澤は「各公演回ってきて、ある曲では喜んでくれている人がいれば、泣いてくれている人がいたり。みんな1人ひとり、ミセスの楽曲に対する思い入れがあるんだろうなというのが毎公演伝わってきて……」と涙を流しながら述べ、「いろんなタイミングで演奏してきた『StaRt』を今回やったときに、初めてライブハウスに立ったときのことや、初めてフェスに出たときのこと、ホールツアーを回ったときのこととかを思い出して、自分の気持ちが爆発しちゃって。それくらい今回のツアー、特に今日のファイナルは大事なライブになりました。とっても楽しかったです!」と充実した表情を浮かべた。

Mrs. GREEN APPLE「ARENA TOUR / エデンの園」東京・国立代々木競技場第一体育館公演の様子。(Photo by makiko takada)

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高野は「本当に幸せな1日で、幸せなツアーでした。今までのMrs. GREEN APPLEを詰め込んだツアーだったし、終わりたくないな」と名残惜しそうに語り、山中も「楽しかったなって心から思えるような1日でした。こうやって会場に足を運んでくれて、声と熱を届けてくれて、そうやって皆さんに支えられているんだなと思いました。バンドをやっていて、演奏していてすっごく幸せです」と感極まった様子で語った。若井は「ミセスを結成してから、本当にいろんなことがあって。最初のほうはライブハウスに数人しかお客さんが呼べなかったり、家帰ってから必死に練習したり、メンバーでミーティングをしたり……でも、この景色を見れたということは、そういうことが無駄じゃなかったんだなと思います」としみじみと会場を見渡すが、途中で「いろんな人に支えられてここまで来ました。出会いも別れもあって……」と涙で声を詰まらせ、話せなくなってしまう。普段はあまり涙を見せることのない若井が号泣する姿に観客はどよめき、大森も「中学からの仲ですが、こんなに泣いている若井は見たことがないです」と驚きを隠せない様子だった。大森は「アリーナツアーっていうのは夢のまた夢で。そうなりたいと、そうなるものだと思い、バンドを始めましたが、まさかこんなに爆速でこの景色を見れるとは思ってなかったし、こんな体験はないなと思います」と感慨深げに述べ、「僕らはこれから先もいい曲を作って皆さんに届けられたらいいなと思っています。また遊びに来てくれますか?」と観客に呼びかける。それに応える客席からの大きな拍手を受けて、大森が「若井、また遊びに来てくれるってよ」と話を振ると、若井がさらに感極まって泣いてしまうひと幕も見られた。

Mrs. GREEN APPLE(撮影:上飯坂一)

Mrs. GREEN APPLE(撮影:上飯坂一)[拡大]

最後に大森は「結成7年、メジャーデビュー5年の今の僕らができる最大限を今日出したので、第2章がどういうふうに始まるのか、僕らもワクワクしています」とまだ見ぬ未来に思いを馳せる。そして「また会いましょう! この出会いに感謝します!」と叫び、ミセスが勢いよく演奏し始めたのは「我逢人(がほうじん)」。5人は楽しげな様子でこの曲を思いっきりプレイし、晴れやかな表情で初のアリーナツアーを終えた。

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Mrs. GREEN APPLE「ARENA TOUR / エデンの園」2020年2月16日 国立代々木競技場第一体育館 セットリスト

01. インフェルノ
02. 藍(あお)
03. WaLL FloWeR
04. VIP
05. アンゼンパイ
06. ProPose
07. Soup
08. 愛情と矛先
09. Viking
10. クダリ
11. REVERSE
12. ア・プリオリ
13. ナニヲナニヲ
14. Ke-Mo Sah-Bee
15. 僕のこと
16. StaRt
17. WanteD! WanteD!
18. 青と夏
19. CHEERS
20. lovin'
21. Folktale
<アンコール>
22. Circle
23. 我逢人(がほうじん)

※高野清宗の「高」ははしご高が正式表記。

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