倍賞千恵子と蒼井優が山田洋次との出会い回想、木村拓哉は「いい場所に参加できた」

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映画「TOKYOタクシー」の初日舞台挨拶が本日11月21日に東京・丸の内ピカデリーで行われ、キャストの倍賞千恵子木村拓哉蒼井優迫田孝也優香中島瑠菜神野三鈴、監督の山田洋次が登壇した。

映画「TOKYOタクシー」初日舞台挨拶の様子。左から山田洋次、中島瑠菜、優香、木村拓哉、倍賞千恵子、蒼井優、迫田孝也、神野三鈴

映画「TOKYOタクシー」初日舞台挨拶の様子。左から山田洋次、中島瑠菜、優香、木村拓哉、倍賞千恵子、蒼井優、迫田孝也、神野三鈴

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フランス映画「パリタクシー」をリメイクした本作は、タクシー運転手の宇佐美浩二が、85歳の高野すみれを乗せたことから始まるヒューマンドラマ。東京・柴又から神奈川・葉山へと向かいながらすみれの思い出の地を巡るうち、彼女の壮絶な過去が明らかになっていく。倍賞がすみれ、木村が浩二を演じ、蒼井が若き日のすみれ、迫田がすみれの結婚相手・小川毅、優香が浩二の妻・宇佐美薫、中島が娘・宇佐美奈菜、神野がすみれの母・高野信子に扮した。

映画「TOKYOタクシー」初日舞台挨拶の様子。左から木村拓哉、倍賞千恵子、蒼井優、迫田孝也

映画「TOKYOタクシー」初日舞台挨拶の様子。左から木村拓哉、倍賞千恵子、蒼井優、迫田孝也 [拡大]

倍賞が「富士山を超えるような素晴らしい映画になったと自負しております。皆さんどうでしたか?」と問いかけると観客からは大きな拍手が。木村は「本日をもって『TOKYOタクシー』が皆さんのものとなる。その瞬間を見届けにきました」と笑みをこぼす。山田は「僕は老監督ですから、俳優さん、たくさんのスタッフが僕のことを気遣ってくれました。この作品にいいところがあるとすれば、俳優、スタッフの思いの丈が伝わったんじゃないかと思っています」と伝えた。

映画「TOKYOタクシー」初日舞台挨拶に登壇した倍賞千恵子

映画「TOKYOタクシー」初日舞台挨拶に登壇した倍賞千恵子 [拡大]

撮影中に印象の残った話を問われると、倍賞は「初日が柴又ロケから始まったんです。『男はつらいよ』の終着駅は柴又で、『TOKYOタクシー』は柴又から始まった。終わりと初めが柴又にある。生涯忘れられないと思います」と口にする。木村は「撮影が終わったあと監督が『作品に携わった人の思いが結局は作品の艶になる。艶に恵まれた作品になったことを感謝します。ありがとう』って自分たち、全スタッフに言ってくれて。そのときに、いい場所に参加できたんだなという思いがあふれたことを覚えています」と振り返った。

映画「TOKYOタクシー」初日舞台挨拶に登壇した木村拓哉

映画「TOKYOタクシー」初日舞台挨拶に登壇した木村拓哉 [拡大]

同じ質問に優香は「喧嘩するシーンで監督に『旦那さんと喧嘩はするの?』と聞かれたので、『ありますよ』と答えたら、『家族、旦那さんは大切にね』って言われて。心に沁みました」とほほえむ。中島は「撮影中はお二人(木村、優香)がたくさんしゃべりかけてくださって。特別な思い出です」とコメント。山田組に出演するのが夢だったという神野は「監督が役について細かくお話ししてくださって。その一言一言があまりにも豊かでした。小道具も細部まで作り込まれていて、それに感動してしまって! これが山田組なんだと思いました」とうれしそうに思い返した。

山田にとって91本目の監督作となった「TOKYOタクシー」。「どんな作品になったか?」という質問が飛ぶと山田は「一生懸命作って、こういう映画ができましたが、どんな映画になったのかは1本目と同じくわからないんです。観客が『楽しかった』『面白かった』と言ってくれて、わかるもの。だから今は判決を受けるような気持ちです」と笑う。これに客席からは作品をたたえる大きな拍手が贈られた。

映画「TOKYOタクシー」初日舞台挨拶に登壇した山田洋次

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イベント中盤には作品の内容にちなみ、登壇者が“忘れられない出会い”について語る場面も。蒼井は山田の名前を挙げ「初めてお会いしたのは『学校』という作品のオーディションだったんです。落ちてしまったんですが(笑)、でも監督の作品はずっと大好きで毎回映画館で拝見していました。あるとき、この世界に自分はあまり向いていないかなと思って、しばらく休んでいた時期があったんです。その後、やっぱりお芝居が好きかもしれないと思っていたら、山田監督から『おとうと』という作品のオファーをいただきました。またお芝居という世界に連れていってくださってとても感謝しています」と思い入れたっぷりに口にする。迫田も「21歳のときに山田さんに出会いました。そして20数年経った今、同じ作品に携わっている。奇跡の出会いです」と続いた。

映画「TOKYOタクシー」初日舞台挨拶に登壇した蒼井優

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倍賞も山田の名前を挙げ「これまで178本の映画に出演して、そのうち70本が山田さんの作品なんです。一番最初にご一緒したのが『下町の太陽』。当時『二階の他人』を撮っていた山田さんにご挨拶に伺ったんですが、かぶっていたハンチングが落ちそうになるぐらいのお辞儀をしながら『よろしく』って挨拶してくれて。それが初めての出会いでした。監督との出会いが今の私を形成していると思います」と述懐。キャストの話を聞いていた山田は「監督の運命はいい役者に巡り会えるかどうかで決まるもの。芝居のうまい下手はもちろんあるんだけれど、魅力のある人、長く見ていたいと思うのがいい役者。今回はこれ以上ない素敵な役者に恵まれたと思っています」と持論を展開する。

木村は「(奇跡の出会いは)いっぱいあって、選ぶのが難しい」と悩みながらも、「忘れられない、忘れることはないだろうと思うのは『TOKYOタクシー』です。僕たちを迎えてくださった観客の皆さんの温かい目が忘れられないです」と述べた。

撮影のほか、宣伝活動をともに行なってきた倍賞と木村。木村は「本当にフラットな方で、いつも最終的に笑顔で終わってくださる。大変なことがあっても、倍賞さんがすべてほわっと包んでくれる。心地よい魔法をかけてくれます」と感謝する。一方の倍賞は「今回はタクシーの前の席と後ろの席でお芝居をしました。バックミラーに木村さんの目が映るんですが、その目に力付けられて、この人なら全部言ってしまおうと、すみれがどんどん出てきました。楽しい毎日を過ごさせていただきました」と笑顔を見せた。

「TOKYOタクシー」は全国で上映中。

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Lubna @lubner6

@eiga_natalie 名優たちが山田洋次監督との“出会い”を語るだけで胸が熱くなるね…。
倍賞千恵子さんと蒼井優さんの言葉は重みがあるし、木村拓哉さんの「いい場所に参加できた」という一言に、この作品の特別さが詰まってる感じ✨

『TOKYOタクシー』、ますます観たくなる。

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