石垣島で第1回 島んちゅぬ映画祭開催、チャン・リュルの「ルオムに黄昏て」など上映

「第1回 島んちゅぬ映画祭（しまんちゅのえいがさい）」が、3月20日から22日まで沖縄・石垣島で開催される。

本映画祭は、島の子供たちや地域の人々とともに、ゼロから映画文化を育て、映画を通して世界とつながる場をつくることを目指す。第1弾ラインナップには、チャン・リュル（張律）監督作「ルオムに黄昏て」、志萓大輔の長編デビュー作「猫を放つ」、寺崎みずほの長編デビュー作「佐藤忠男、映画の旅」、ロシアによるウクライナ侵攻がもたらした断片化された現実を通して人間の存在そのものを見つめる「ミリタントロポス」、歌と踊りでアイデンティティを表現する祝祭“パウワウ”のドキュメンタリー「パウワウ・ピープル」が並ぶ。

上映に合わせて国内外の一部監督が来島し、上映後のトークやQ&A、学生との交流プログラムに参加。今回はコンペティション部門は設けず、25本から30本の上映作品を対象に、地域企業の協賛による市民賞が授与される。第2弾ラインナップは1月下旬に発表される予定だ。

また、八重山諸島の学生支援を行う東京大学Diligentと協働し、国際社会が直面する課題への理解を深めることを目的とした企画「Impact from the Ishigaki Island -離島から世界を考える-」を実施。人権、難民、ジェンダー、環境といった国際的な課題をテーマとした作品を上映し、島の学生たちが作品の背景や社会的文脈をリサーチして発表する。

今回は2025年アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭で最優秀作品賞を受賞した「少女は月夜に夢をみる」がスクリーンにかけられる。同作は映画監督メヘルダード・オスコウイと、映画の被写体でもあるアフガニスタン出身の難民少女ソラヤによる共同監督作品。ソラヤ自らが携帯電話で撮影した素材をもとに、難民少女の戦いと自立が映し出される。「アクメッド王子の冒険」で知られるロッテ・ライニガーの短編切り絵アニメーションを上映するプログラムも予定されている。

「第1回 島んちゅぬ映画祭」開催概要

会場・日程

2026年3月20日（金・祝）～22日（日）
沖縄県 石垣島 市民会館 / あまくま座 / CITY JACKほか

第1弾ラインナップ

• ルオムに黄昏て（中国）
• 猫を放つ（日本）
• 佐藤忠男、映画の旅（日本）
• ミリタントロポス（ウクライナ）
• パウワウ・ピープル（アメリカ）
• 少女は月夜に夢をみる（イラン）

主催

サニーフィルム

第1回 島んちゅぬ映画祭 主催者コメント

6月に拠点を石垣島に移し、日本最南端の映画配給会社サニーフィルムとして活動しています。かねてより憧れていた豊年祭やアンガマなど島の伝統行事に触れるなかで、映画祭も、島の祭りのように、年月をかけて島の文化の一つにしたいと考えています。会場は、市民会館を中心に、あまくま座、CITY JACKなど、島の個性豊かな空間を舞台とします。来島者には島の魅力を、島の方には地域の価値を再発見していただける場を目指します。将来的には、国内の劇場関係者やバイヤー、特にこれから映画配給・上映活動・地方映画祭立ち上げに挑戦したい若い世代を支援するマーケット機能も育て、石垣島を映画産業の新たな拠点の一つにし発展させていく構想を描いいます。また、本映画祭の開催と継続に向けて、2026年1月より全国に向けたクラウドファンディングの実施も予定しています。