窪塚洋介「次元を超える」で松田龍平と対峙し「エモい現象に陥りました」

映画「次元を超える」のDolby Atmos完成披露試写会が本日10月6日に東京・109シネマズプレミアム新宿で行われ、キャストの窪塚洋介、松田龍平、千原ジュニア、芋生悠、渋川清彦、監督の豊田利晃が登壇した。

本作は、「狼蘇山」シリーズの新章にあたる長編映画。孤高の修行者・山中狼介は、危険な宗教家・阿闍梨の家で行方不明になる。謎の暗殺者・新野風は狼介の恋人・野々花から捜索を依頼され、狼介と狼蘇山で対面することに。狼介を窪塚、新野を松田が演じた。

オファーを受けた際の心境を尋ねられた窪塚は「豊田さんはずっと『SFをやりたい』と言っていたんです。『狼蘇山』の最後、SFなのか……と（思っていました）。本当にオファーをいただいて、とうとう完結するんだと感じました」と回想。松田は「脚本を読んだ時点では、実際に演じてみないとどうなるかわからないシーンが多く、撮影を楽しみにしていました」と口にする。続けて松田は映画「I'M FLASH!」「破壊の日」に続いて同じ役名のキャラクターを演じたことについて「『I'M FLASH!』の役からつながっていて。ガッツリ（新野風を）演じたいと思っていたので、うれしかったです」と言及した。

豊田は「毎年、短編映画を作っていたのですが、長編映画を観たいという声が大きくなって。予算がかかるので自分でお金を集めながら作り、大変でした。でも長編のほうが見応えはあるし、多くの観客に届くので、楽しんでいただけたら」と述べる。千原は豊田からの電話でオファーを受けたことを明かし「『今度映画を作るんだけど、ちょっとだけ手伝って』と言われて、『ええよー』と答えたんです。台本が送られてきたら、（演じた阿闍梨が）めちゃくちゃしゃべってて！ 完全にだまされました」と振り返った。

豊田が「ジュニアと龍平はほら貝を吹くシーンがあるので練習していました。龍平はほら貝を買っていて、ジュニアも買うと言っていたけど最終的には『やめとく』って」とエピソードを披露すると、千原は「さっきみんなで話しましたけど、ほら貝吹くとこないですよ！」と返答。その話を受け、渋川が「監督はどこでもほら貝を吹くんですよ。ミッドタウンでも吹いていました（笑）」と明かし、観客を驚かせた。

芋生は「『全員切腹』のときは、お面をつけていて顔がまったく映っていないので、今回は映ってうれしかったです。監督は丁寧に演出してくださるんです。信頼感がありますし、この作品に魂を注いでる姿を見て、私も全部を注げるような気持ちになりました」とコメント。渋川は「『ポルノスター』『ナイン・ソウルズ』で共演したジュニアがいることで、すごく懐かしい気持ちになりました。モニターを見たら（千原の）顔がすごかったです。豊田さんとジュニアの関係性が見えたというか」と称賛する。千原は「豊田とは10代の名もない青年だった頃からの友達。俺はまったく台本を理解できていませんでしたが、それをわかってくれた豊田からインの2～3日前に『千原ジュニアで』と言われたんです。それで、どう演じたらいいのかわかりました」と説明した。

窪塚は松田との共演について「役者・松田龍平と対峙する楽しさを存分に味わわせてもらいました。これまではパーティとかで対峙しちゃうことが多くて（笑）。皆さん、龍平ってコミュ障っぽいじゃないですか？ でもそんなことないんですよ」と話し、観客を笑わせる。また窪塚は「豊田監督と龍平が『青い春』をやってる頃、俺は『ピンポン』に出ていた。俺が彼を認識した、その頃の“松田龍平”が現れたようで、エモい現象に陥りました」と語った。松田は「コミュ障って……」と笑いながら、「今回、窪塚くんはロン毛で日焼けしていた。まさに狼介でした」と述懐。最後に豊田は「観客を宇宙の果てまでぶっ飛ばそうと思って作りました。どうか考えるより、体験してください！」と呼びかけ、イベントを締めた。

「次元を超える」は、10月17日より東京・ユーロスペースほか全国で順次公開。

映画「次元を超える」本予告