同性カップルの子育てや妊活を追う「ふたりのまま」予告編、多様な家族の選択映す

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日本で子育てをしている、あるいは子供を望む4組の同性カップルを追ったドキュメンタリー映画「ふたりのまま」の予告編がYouTubeで公開。場面写真とレビューコメントが到着した。

「ふたりのまま」場面写真

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「ふたりのまま」ポスタービジュアル

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本作の監督を務めたのは、一般社団法人・こどまっぷの共同代表で、自らも同性のパートナーと子供を育てている長村さと子。いまだに同性婚が認められていない日本で子育て中、また子供を授かりたいと願う同性カップルの“ありのまま”の日常や思いを知ってもらいたいという意図で製作された。

「ふたりのまま」場面写真

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「ふたりのまま」場面写真

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予告編では、登場する4組のカップルがそれぞれどのような“家族のかたち”なのかが紹介されている。「『この子の親です』って胸張って言える日は来るのかなって」と不安をにじませるステップファミリーや、「自然に持てないものを欲しがる人っていうのはあんまり好かれないですね」と話す長年不妊治療を続けてきたカップル、海外の精子バンクを通じて生まれた娘に対して「周りから知るよりは絶対に先に私たちの口から言わなきゃみたいには思っていた」と語るカップルなど、多様な家族の選択と葛藤する様子が収められた。なお本作に出演している4組の家族は公にカミングアウトをしておらず、本編には顔を出して出演をしているが、プライバシー保護のため今回解禁となった予告編と場面写真は顔が隠れるシーンのみが取り上げられている。

予告編で使用されている楽曲は、公私ともにパートナーであるさはら(Gt, Vo)と吉村ロデム(Dr, Cho)による女性2人組のバンド・Siraskaの「傘がなくて」。本編でもSiraskaの楽曲が使われている。

また作品公式サイトもオープン。7月31日まで実施されているクラウドファンディングで該当のリターンを選んだ支援者の名前一覧も後日掲載予定だ。東海林毅は本作について「あたりまえの家族の姿をみんなで見守りたくなる映画です」とつづった。そのほかの著名人コメントは以下の通り。

「ふたりのまま」は9月20日に東京・K's cinemaで公開される。

伊藤ひろみ(プライベートケアクリニック東京 精子バンク部門マネージャー)

自然に子どもを授かっていたら知らないままであろうさまざまな感情が、この映画の中に散りばめられている。出生数が著しく減り続ける日本で、大きな覚悟を持って妊活や子育てに取り組んできた女性カップルたちのことを、ぜひ知っていただきたい。

キニマンス塚本ニキ(翻訳者・ラジオパーソナリティ)

時代は変わったとか、海外ではどうだとか、伝統がなんだとか、世間のオトナたちが理屈や主張をぶつけ合ってる一方で、そんなことはお構いなしにこの世に生まれ、愛を必要としている子どもがいる。
その子を愛したい、育てたい、かぞくになりたいと、切に願う人達がいる。
それ以外に必要なもの、大事なことってなんなんだろう?
「家族」という称号をいつまでも一部の属性の人にしか認めたくない人々に改めて問いたくなった。

久保田希(医師 にじいろドクターズ)

「かぞくをするって誰にとっても大変なこと。」
かぞくをみる医者「家庭医」としても、かぞくをする一人の人間としても日々そう感じています。
それなのにかぞくの形によってさらに過剰な負担/労力がかかる現状があります。映画でありのままの姿を見せてくれたカップル・かぞくに心から感謝します。
多様なかぞくが可視化されることは未来を絶望しないで済む子どもを増やし、そのかぞくに希望を与える。いろんなかぞくのあり方は今と未来のだれかの支えになる。
そのだれかはあなたの大切な人かもしれません。
ありのままでいろんなかぞくが支え合える社会が実現されるには様々なステップが必要ですが、そのために私を含め一人でも多くの人が歩みを進められるよう願います。
この映画にはそれを叶える力があると感じます。

佐々木ののか(文筆家)

子どもがほしい。
大切な人と生きていきたい。

このシンプルな願いを叶えるために、
それぞれの日々を一生懸命に生きている。

それなのに彼女たちはどうして、
こんなにも複雑でむずかしい状況に置かれているのだろう。

東海林毅(映画監督)

ふつうの家族とふつうじゃない家族の境界線はどこにあるんだろう? その線は誰が引くのだろう? ささやかな幸せを求める家族たちの足元の、どこにもそんな線は見当たらないでしょう。
あたりまえの家族の姿をみんなで見守りたくなる映画です。

二宮周平(立命館大学名誉教授)

子どもが生まれて育児と家事の分担で悩む、子どもが高校の寮で暮らし始めたので安心して飲みに行ける、同居相手の幼児に入浴や添い寝の時に泣かれる、20年来続けた妊活の幕引きへの不安……すべてのカップル・ファミリーに共通する葛藤や思い。同性カップル・ファミリーの生活もリアルに描く。家族や親子にはいろいろなカタチがある。そこには一緒にいるメンバーへの信頼と情愛という共通項がある。多様な家族の尊重というメッセージが伝わる優れたドキュメントだと思う。

松岡宗嗣(一般社団法人fair代表理事)

少子化が叫ばれ、子どもを産ませるための圧力はかけるのに、「ふつうの家族」に当てはまらなければ排除され、いないことにされる。そんな歪な社会のなかで、すでに多くの女性同性カップルが子どもを持ち生活しています。カタチやイメージの議論をする前に、今すでに同じ社会を生きている家族がいることに目を向けてほしい。当事者のリアルを伝えるこの映画を応援します。

山口真由(信州大学特任准教授 法学博士)

家族というのはステイタスではなく、プロセスである。当事者が語るとおり、家族とは決して当たり前の状態ではない。傷つけ合いながらも、あきらめきれずに手を伸ばし合う、その不断の試みだけが私たちをひとつに結びつけて家族にする――この映画を観ながらそう確信した。
この映画はマイノリティの物語ではない。むしろ家族の本質を描いていると私は思う。

映画「ふたりのまま」予告編

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©一般社団法人こどまっぷ

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