展覧会「恐怖心展」が7月18日から8月31日まで東京・BEAMギャラリーで開催。本日7月16日に行われたプレス向けの内覧会の模様をお届けする。
約10万人が来場した「行方不明展」を手がけたホラー作家の梨、株式会社闇、テレビ東京の
「先端」が怖い
冒頭にある「先端」に対する恐怖心の展示では、えんぴつ、はさみ、コンパス、包丁など何かしら先端のとがった物を、その先端が鑑賞者側に向くように設置。ガラスケースの中にあるとは言え、真正面に立つと浮足立つ感覚をもたらす。このように恐怖心を掻き立てる物体そのものもあれば、様子のおかしい写真、モニターに流れる映像、ヘッドフォンで聴く音声、新聞の切り抜き、スマートフォンの画面、PCから流れる配信映像、ブログのキャプチャ画像、マンションの張り紙など、あらゆる媒体を総動員した内容となっている。
恐怖心の物語や体験談を味わう
例えば「歯科」に対する恐怖心の展示では、都内の大学に通う学生が抜歯のあとに記念に持ち帰ったという歯そのものが置かれた。来場者は各展示のキャプションを通して、それぞれの恐怖心の説明とともに、付随する物語や体験談を知ることに。梨による「※展示物はフィクションです」という注意書きもあるが、いったいどこまで信じていいのかわからない展示が連続する。
「電話」が怖い
「社会に対する恐怖心」の中では、あるデザイン会社に置かれていたという電話機を再現。電話をかけたり、受けたりするときに人によって感じる「電話」に対する恐怖をもたらす趣向で、実際に一定の間隔で「プルルルル、プルルルル」と呼び出し音がなる仕組みに。ほかにも、ある男性が「忘却」を恐怖して日常の記録を非常に詳細につづったA4ノート、29歳の男性が「老化」を恐れ購入した老化防止の薬剤やサプリメントの大量の空き瓶などもあった。
汚れた畳
続く「空間に対する恐怖心」は細い路地のような順路となっており、高所、閉所、病院、海洋など、空間が想起させる恐怖を紹介。路地の真ん中あたりには、黒ずんで傷んだ畳が敷き詰められ、来場者はそこを踏みしめて先へ進むことに。これはある大学生が「汚れ」への恐怖を自覚するきっかけになった民家の畳だという。
最後は「概念に対する恐怖心」
最後は幸せ、夢、廃棄、死などに焦点を当てた「概念に対する恐怖心」。「自分に幸せは求められてない」「幸せになるのが怖かったんです」と心境をつづる活動休止中のインフルエンサーの投稿、ある大学生のワンルームの部屋から搬出されたという大量のごみや生活品がうず高く積まれた山、職業不明の女性が刻々と時刻を読み上げる音声が流れるラジカセなど、より抽象度の高い恐怖心にまつわる内容となっている。
「恐怖心展」の開催は8月31日まで。チケットはローチケにて販売中。
恐怖心展
2025年7月18日(金)~8月31日(日)東京都 BEAMギャラリー
開館時間:11:00~20:00
料金:税込2300円
※最終入場は閉館30分前、観覧の所要時間は約90分
※小学生以上は有料
※日時指定券、期間有効券の販売あり
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恐怖心だって。
ちょっと面白そうだなと思ったけど2300円か。
ちょっと高いな。
展示物はフィクション?生理的な恐れや不安が充満した「恐怖心展」内覧会レポート(写真18枚) https://t.co/KcAaiVuYLx