「さよなら 丸の内TOEI」プロジェクトの一環として上映された「
まず舘は「丸の内TOEIは思い出がいっぱいある映画館です。そして『あぶない刑事』、柴田恭兵という俳優さんと出会えたことで、私の映画人生がとても華やかなものになりました」と挨拶。柴田は客席を見回しながら「ものすごい倍率からこの客席をゲットされたということで、強運の皆さんですね。『あぶない刑事』も運だけでやってきたみたいなものですから(笑)」と冗談を飛ばし、「会いに来てくれてありがとう。僕たちも会いたかったです」と笑顔を見せた。
1986年にテレビドラマとして始まってから、長年にわたり根強い人気を誇る「あぶない刑事」シリーズ。「劇場版の舞台挨拶での思い出は?」と尋ねられた舘は「渋谷のビルの上で上映していたときに、階段の一番下までいっぱいのお客さんが並んでくださっていたのを覚えています。当時映画は斜陽だったのであまり人が入らないと思っていたんですが、たくさん来ていただけて」と答える。一方柴田は「舞台挨拶が終わってから、スタッフを集めて乾杯をしたことがありました。そのときに岡田茂社長が『柴田くん、この映画はようわからんのう。ヒットするんかい』と。若い頃だったので、「社長にわかりやすい映画はヒットしません、わからない映画がヒットします』と啖呵を切ったのを覚えています(笑)」とエピソードを披露した。
また「映画化を聞いたときの心境は?」という質問も。柴田は「テレビシリーズのギャグが、映画で伝わるのか不安になりましたね。だから舞台挨拶後に上映が始まってから、こっそりお客さんの反応を見に行ったことがありました。そうしたら本当に情けないギャグでも皆さんが拾ってくれて、ウケていて。うれしかったし、もっとやっていいんだ、なんでもやってやろうと思ったのを覚えています」と温かい思い出を語る。また舘は「『あぶない刑事』が公開された年の夏に石原(裕次郎)さんが亡くなったんです。パンフレットとチケットを持って石原さんのお宅にお邪魔して『社長、今日公開でした。お客さんがいっぱい入りましたよ』と報告したのを覚えています」と振り返った。
ほかにもエピソードが続々。タカがトラックにバイクを並走させて飛び移るシーンに触れた舘は「僕の案なんです。一応手でつかむところは(トラックに)付けてもらいましたけどね。ちなみにあのシーンは、撮影最終日に撮りました。(けがなどで)僕がどうなってもいいようにね」と笑う。柴田は「ユージは実は涙もろいんですが、実際に泣いたのはこの映画と『帰ってきたあぶない刑事』だけ。『帰ってきたあぶない刑事』では久しぶりにうるうるっとして、サングラスの影で泣いていました。そのときにふと、『映画で泣いたのは2回目だな』って気付いたんです」と語った。
また舘は「恭様(柴田)が劇中で面白いギャグをするので、僕もやってみようとしたら長谷部(安春)監督に『舘さんはやめたほうがいい』と言われました。僕にはギャグの才能はなかったのかもしれません」と自虐で笑いを起こす。現場ではさまざまな提案をしていたそうで「タンゴのシーンも僕が話したら、監督に『いいね』と言ってもらえて。軽い気持ちで言ったものの、夏頃に撮ったのですごく暑くて。当時の撮影所は本当に暑かったんですよ。恭様と2人で抱き合ったので汗が大変でした」と楽しげに回想する。
最後に丸の内TOEIの閉館に際してのコメントを求められた舘は「思い出が詰まった映画館なので寂しい気もします。今後も東映映画を応援してください」と話す。また柴田は「丸の内TOEIは閉館しますが、『あぶない刑事』は永久に不滅です」と長嶋茂雄への追悼を交えて観客へ語りかけて、イベントを締めた。
劇場版「あぶない刑事」「またまたあぶない刑事」「もっともあぶない刑事」は6月26日まで上映される。
「あぶない刑事」ラストショータイム in 丸の内TOEI
2025年6月20日(金)~6月26日(木)東京都 丸の内TOEI
関連記事
舘ひろしの映画作品
リンク
関連商品
バビル @babiru_
@eiga_natalie 政府の犬になってマイナンバーの広告に出た舘ひろしはもう見たくないです