中国映画「
中国のアカデミー賞と称される祭典「中国金鶏百花映画祭」が「金鶏海外影展」として日本上陸。そのオープニング作品として「唐人街探偵」シリーズの第4弾となる「唐探 1900」が上映された。同作では、1900年代の米サンフランシスコを舞台に、ワン・バオチャン(王宝強)演じる賞金稼ぎ阿鬼と、リウ・ハオラン(劉昊然)演じる中国人留学生・秦福がとある殺人事件に挑むさまが描かれる。バイ・コー(白客)、チャン・シンチョン(張新成)、ユエ・ユンパン(岳雲鵬)、ジョン・キューザック、チョウ・ユンファ(周潤發)らもキャストに名を連ねた。
4作の累計興行収入が100億元(約2000億円)を超えている「唐人街探偵」シリーズ。これまでの3作ではそれぞれ現代のバンコク、ニューヨーク、東京が舞台となった。チェン・スーチェンは、「唐探 1900」では1900年のサンフランシスコが舞台になっていることに触れ、「これまでの作品はチャイナタウンを切り口にしてきましたが、チャイナタウンがどこから来たのか掘り下げてみたかったんです」「人間の歴史を見ていくと、いろんなことが繰り返されているなと思います」と語る。
観客からチョウ・ユンファを起用したきっかけを聞かれると「まずチョウ・ユンファさんが大好きなんです。そして、彼が香港の俳優さんであるということも起用した理由の1つです。なんと言えばいいでしょうか? 華僑というか、そういった息吹を表現できるんじゃないかと思いました。また言わずと知れた大変著名な俳優さんでもあるので、今回演じたキャラクターにぴったりではないかと思ったんです」と伝える。
大規模なダンスをエンディングで披露してきた同シリーズ。観客から「本作ではそうではなかったので、これまでと位置付けが違う作品なのか?」と尋ねられると、チェン・スーチェンは「この作品は100年前の物語です。100年前のことを思い起こすと心から愉快にはなれない事情がありますよね」と意図を説明。また次回作の舞台はロンドンなのか?と問われると「撮影すべき現代の大都市は、ほぼほぼ撮ってきたとお答えしておきます」と笑みをこぼし、「その中でも1番難しかった都市は東京です。東京より難しい都市はないと思います(笑)」と振り返った。
イベント終盤には、チェン・スーチェンが俳優出身であることに触れ、「俳優としての経験が映画作りにどのように役立っているのか?」という質問が飛んだ。彼は「芸術家タイプだったり、いろんなスタイルの作り手がいますよね。私はもともとお芝居を専攻していたこともあって、映画を作るときは、叙事的物語を語っていくこと、人物を克明に描いていくことを追求したいという思いがあります」と述べる。また自身の幼少期を振り返り「子供の頃は香港映画に夢中でした。日本でもそういった方が少なからずいるのではないでしょうか? 当時は香港映画がアメリカや韓国にも影響を与えていた。あの頃は中華圏の映画の黄金時代だったと思うんです。ただ、今は状況が異なっている。私としてはそういった状況を克服して、新しい時代を作っていきたいなと思っています」と口にした。
なおフォトセッションには、「唐人街探偵」シリーズを手がけてきた撮影監督のドゥ・ジェ(杜杰)も登場。チェン・スーチェンは「4作全部一緒に作ってきました。昔からの相棒です!」と笑顔で迎える。ドゥ・ジェは「世界中で監督と映画を撮ることができました。単に観光客として行っているという感じではなく、そこに根を下ろす感覚があるんです。日本でもそうでした。人生の中でこんな経験ができて感慨深く思っています。ありがとうございます」と語りかけた。
なお「EXPO 2025 大阪・関西万博」の中国館では5月25日に「中国映画デー」を開催。14時20分よりチェン・スーチェンと中国電影導演協会会員のチェン・ウー(陳宇)が講演のスピーカーとして登壇する予定だ。
「金鶏海外影展」は5月27日までヒューマントラストシネマ有楽町で開催。
「金鶏海外影展(きんけいかいがいえいてん)」
2025年5月23日(金)~5月27日(火)東京都 ヒューマントラストシネマ有楽町
<上映スケジュール>
5月24日(土)18:20~「好東西-Her Story-」
5月25日(日)18:20~「長安三万里」
5月26日(月)18:20~「宝孜達 -バウズダ-」「半路出家」「幸存者」
5月27日(火)18:20~「唐探1900」
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「唐人街探偵」第4弾の舞台はなぜ100年前?監督チェン・スーチェンが観客の質問に回答
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