「サイレントラブ」でも内田とタッグを組んだまなべゆきこがオリジナル脚本を手がけた本作。主人公は映画監督になることを夢見る助監督の野島だ。劇中では彼がとある自伝小説をもとにした撮影現場で働くことになる。原作者であるALISAは貧しい家庭で育ち、亡き父の介護をするなど、苦労して成功したヤングケアラーの少女。しかし、周囲の話を聞くうちに彼女の“ある疑惑”が浮き彫りになる。そんな中、真実を追求しようとする野島だったが、名声を気にする監督や大ごとにしたくない“会社員プロデューサー”から、圧力をかけられることに。さらに、彼の口を封じるかのように「この現場を乗り切れば監督デビューができるかもしれない」とささやくプロデューサー。撮影は進められて行き、やがて野島の日常は崩れ始める。
北村は「明日もどこかで映画の撮影や、演劇やバレエやオペラの稽古があって、テレビではドラマやバラエティや歌番組の収録がある。世界中で紛争が途切れることがないのに」と述べ、「携わる作り手の人達はそれぞれが同じ方向を向いて頑張っているつもりだ。同じ目的で同じ方向を向いているはずだと。芸術とか芸能とかの立ち位置は時代とともに移り変わっていく。では、このうねりの速い今の時代ではどうすればいいのか? 立ち止まることを恐れていないか? 僕は願う。時代に沿った優しい作品や、時代に抗った厳しい作品を両方とも楽しんでくれる人達がこれからも増えてほしい」とつづった。
また内田は本作について「変化する社会の中で、日常を生きる人々の感情の表裏を描いた作品」と紹介し、「主演は念願の北村有起哉にお願いしました。圧倒的なリアリティと奥深い内面的演技力を持ってらっしゃる俳優で、撮影中もカメラの横でその芝居に釘付けになりました。こういった形の映画を、インディーズスタイルで取り組めたことに感謝でございます」と伝えた。2人のコメント全文は下記の通り。
北村有起哉 コメント
それでも明日はやってくるように、それでも明日もどこかで映画の撮影や、演劇やバレエやオペラの稽古があって、テレビではドラマやバラエティや歌番組の収録がある。世界中で紛争が途切れることがないのに。だからこそかもしれないが、それらを楽しみにしてくれる人達がいる。希望を持たせるように、あるいは期待を裏切らないように、がっかりさせないように。そこに携わる作り手の人達はそれぞれが同じ方向を向いて頑張っているつもりだ。同じ目的で同じ方向を向いているはずだと。芸術とか芸能とかの立ち位置は時代とともに移り変わっていく。では、このうねりの速い今の時代ではどうすればいいのか? 立ち止まることを恐れていないか? 僕は願う。時代に沿った優しい作品や、時代に抗った厳しい作品を両方とも楽しんでくれる人達がこれからも増えてほしい。しみじみとそんなことを感じています。
内田英治 コメント
演技はもちろん大切だが、それ以上に人と人の縁が映画をつなぐ力になる。ずっとそういう思いがあります。今回はその縁を感じた俳優たちと、日常に潜むすれ違いをテーマにした映画を作りたい。小規模で自由な発想のもとで。そう思いついて撮影した作品が今作「逆火」でございます。変化する社会の中で、日常を生きる人々の感情の表裏を描いた作品で、主演は念願の北村有起哉にお願いしました。圧倒的なリアリティと奥深い内面的演技力を持ってらっしゃる俳優で、撮影中もカメラの横でその芝居に釘付けになりました。こういった形の映画を、インディーズスタイルで取り組めたことに感謝でございます。「演技」と「物語の視点」に改めて重きをおいて作りました。機会があればぜひ劇場へ足を運んでください。
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