12月27日に封切られる
ひこ・田中による児童文学を実写化した本作は、両親の別居から家族の危機に揺れる小学6年生の少女・レンコを描いた作品。オーディションで選ばれた公開当時12歳の
撮影監督の栗田豊通が監修した4Kデジタルリマスター版は、2023年に第80回ヴェネツィア国際映画祭のクラシック部門に出品され、最優秀復元映画賞を受賞。その受賞をきっかけに世界中で新しい観客による相米の再評価の波が訪れているという。ヨーロッパ各国や北米で注目され、中でもフランスでは130館以上にまで拡大公開された。
アメリカ公開時に現地で反応を目の当たりにした栗田は「私はアメリカの劇場で、若い観客が活き活きと反応している姿を見ました。公開当時、日本のポスターはレンコのほっぺたをナズナとケンイチが引っ張っているデザインでしたが、今回のフランス版、アメリカ版、台湾版、イタリア版と絵柄が全然違うのが面白いですよね」とコメント。
さらに「今回の4K版の日本のポスターは新しい日本の観客に向けて家族、夫婦関係と個人の課題を三角形のテーブルを囲んでデザインされていています。女性にとってはキャリア形成や社会進出についての物語でもあり、日本での1990年代ではちょっと早いテーマだったのかもしれないのです。時代が追いつき、新しい観客に発見されていくことを期待しています」と語っている。
メイキングは、今回の日本版ビジュアルでも使用された家族で夕飯の食卓を囲むシーンの撮影現場。別居することが決まっている夫婦の空気はどこかきごちなく、レンコがふいに立ち上がって「食卓で 会話の弾む 明るい家庭」と標語のように言葉を発する場面だ。当時は演技未経験だった田畑に、相米が「食べるのに一生懸命になるよりも、“明日家族がばらばらになってしまう。お父ちゃんとお母ちゃんがこんなことじゃなければいいのにな”という気持ちがもっとはっきり(演技に)出ないと」と伝える様子も確認できる。
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しもん @shimonnoaka
『お引越し』の台湾でのタイトルが『搬家』なの素晴らしいな https://t.co/uYTmTdEnbh